海外で働くコツは募集があればとりあえず応募する。ダメならば何が駄目なのか分かるので、そこを補填する。


第122回 USCPA CMレポート
実施日: 2016年3月5日(土)

ゲスト紹介

ひでさん USCPA

ひでさん USCPA大学卒業後、約1年間の留学準備期間を経て米国大学院へ留学、経営学修士(MBA)取得。その後、日系の小規模の会計事務所に就職し会計業務に約3年間携わる。

業務内容としては、クライアントの仕分け代行、Monthly closing業務からReview、Audit等。その後、同米国内の日系現地法人である家電メーカーへ転職、経理業務を約3年間担当。

業務内容としては、Daily, Monthly closing、財務諸表作成、監査対応、SOX対応等の経理業務全般。工場はメキシコ、バックオフィスは米国側にあった為、メキシコへも頻繁に通い、アメリカ人のみでなくメキシコ人とも頻繁にやり取りをする。その後、日本に帰国し、現在の勤務先である外資系企業(医療系)へ転職。

経理業務を経て、現在はFP&A業務に携わり、主にフォーキャスト作成、実績vsフォーキャストの分析等の管理会計に携わる。外資系企業で働いている間に約2年間かけUSCPA試験に合格、合格後はアビタス大阪校にて学習カウンセラーを数年間担当。

ふみさん USCPA

ふみさん USCPA大学卒業後、中堅化学メーカーに入社、食品会社向け添加物・素材関連の営業業務。
留学のために退社し、英語が不得意だったものの、米国の大学へ留学、同時にUSCPAの学習開始。

米国の大学卒業後、USCPA合格(合格まで約3年)。日本へ帰国。

帰国後、外資消費財メーカーの開発部門で経理職の就職活動をしながら、1年勤務。現在、大手建設会社の経理ポジション4年目。

決算業務、内部統制構築・評価業務等、海外案件も含め幅広く業務に従事。

USCPAのひでさん、ふみさんにQ&A

― 参加者 私は、営業をやった後、経理へ異動して、理論を学ぶ間もなく、いきなり実践に入って仕事をやっているのですが、USCPAを勉強していく中で、その知識を得ることによって、実務の中で見える世界が変わるというか、点と点が繋がるような瞬間ってありましたか?

USCPAヒデさん 実践でやられているということですが、一連の流れをやるというよりかは流れの中の一部を与えられてやっているんだと思うのですが、USCPAの勉強をすることによって、1から10のその流れがわかるので、自分がやっている範囲というのがどの部分でどういう意味を持つのかがわかるようになり、仕事の理解が深まると思いますし、さらにその枠が広がったりすると思いますね。

 

USCPAふみさん 細かいことで言うと業務を理解する上で内部統制に絡んでくるのですが、SoD(職務の分離)など、知識を持っていると理解が早いので非常に役立っていると思います。

一通り体系的に物事を捉えられるようになったのも、USCPAを勉強してきた事が役に立っています。あっ、これどこかで見たなというのを思い起こせるのが有利かなと思います。一度勉強して目にしたものは自分の中のどこかに残っているものです。

 

― 参加者 バックグラウンドが全然無い中で、合格後に転職が出来るのかなというのが心配なのですが。

USCPAヒデさん 私は出来れば最初に会計事務所に入りたいと思ってたんですね。

例えばBig4にいた場合だとBig4から一般企業の経理マネージャーに移るケースとかがありますし、監査もやってみたかったので、まず会計事務所に入りました。

その後に財務会計をやろうと思って、日系のメーカーに行ったのですが、それも理由があって、財務諸表を監査する側で実際にどうやって財務諸表を作るのかは勉強をしているんですけど、実務をしていないのでわからないんですよ。手形とかは作り方もわからなかったので、それを作る側にいこうと思ったんです。

それと何故メーカーを選んだのかは日系に限らずメーカーを重視する傾向ってあって、日本に帰って転職活動をした時に感じたんですけども、メーカーの経理はサービスなどに較べると部品があるだけでも物凄く複雑で難しいんですよね。

原価計算を一筋何十年という人もいるくらいですから、日系の経理での経験が優遇されるだろうなと言う事で製造業に入ろうと思いました。実際に帰国して転職活動している時にはそれを感じましたね。

その後、日本に帰ってきて、財務会計ではなくて、管理会計をやりたいなと思ってたんですけども、日系っていうのは管理会計の求人自体の数が少なかったので、結局、外資系を選びました。

 

USCPAふみさん当初の私のイメージは自分のやった仕事が何かに役立っている感じが見えたりしたほうが良いかなという思いがあったので、事業会社に行きたいと思ってました。自分のやってきた仕事が今後の会社の方向を決めていけるとか、そのような感じですね。

会計には制度会計と管理会計とがありますけども、制度会計はルールに則って、必要な書類を用意して出すべきものを出すというイメージですが、管理会計というのは会社におけるその後の意思決定に必要な材料を用意する等、比較的経営に近いイメージなので、非常に重要なポジションですよね。

日本であれば経営企画的なところに帰属するのかな、そういうところに少しでも近づきたいと思って事業会社という選択をしました。監査は監査で非常に大事なお仕事ですが、自分なりの工夫が出来る可能性が高い方を選んだというわけです。

監査法人か、事業会社かを経験を積むという意味で考えた時はどちらでも良いと思いますが、監査法人では業態の異なる多くの企業の財務諸表をみるという面で成長のスピードは速いと思いますし、監査経験ある人というのは事業会社に入った後に、非常に重宝されるでしょうし、さらにUSCPAを持っているということであれば、入社後ずっと経理財務系のポジションで活躍することが出来ると思います。

USCPAヒデさん 私は入れるのであれば、監査をやったほうが良いと思いますね。監査から事業会社というのは行けますし、上のポジションで入れると思うんですね。

事業会社から監査法人というのもありますけども、流れとしては、監査法人から事業会社へというのが普通の流れだと思いますので、そういうチャンスがあるのであれば、入ったほうが良いと思います。

 

― 参加者 監査はやはり激務ですか?

USCPAヒデさん 激務ですね・・・(笑)
ですから、3-5年を修行の時期と思って頑張って、辞めるって感じですかね。

辞めなくても良いんですけど(笑)

USCPAふみさん

 

本当は、そのまま上がって行くことが出来れば良いですけどね。

 

USCPAヒデさん ただ上がっていける人って物凄く限られていますし、パートナーになれるのは100人に1人いるかいないかだと思います。そしてパートナーになる人っていうのは会計の知識・経験というよりかは営業の手腕が問われてきます。

ですから、パートナーの人っていうのはすごく話が上手いですね。

 

 

― 参加者 アメリカの会計事務所では資格が無くても働けるんですか?
USCPAヒデさん 働けますね。Big4もそうです。

今はちょっと変わっているかもしれませんが、アメリカの大学を卒業した人はUSCPAを取ってからという人もいますけども、取らないでBig4へ入る人が結構います。働きながら合格を目指すんですね。

私が日系のメーカーで経理をやっていた時は、Big4から来ていたんですが、その人たちは結構、合格していない人がいました。

勿論、マネージャーになると必須のはずですけどもね。私が働いていた8-9年前まではそんな感じでした。

 

 

― 司会 そういう人というのは一番下の層の人ですよね。それと少なくとも大学もしくは大学院で会計を学んでいるんですよね。

USCPAヒデさん

そうですね。

スタッフで会計学を学んでいない人は見たことないです。

 

USCPAふみさん アメリカの場合、Big4と呼ばれる監査法人では入ってから各所独自の研修があるようで、これが非常に価値のある研修であるようで、それを受けに行くという目的で入る人も少なくないです。

新卒は基本的にUSCPA無しで入所される方が大半なので、監査法人にもよると思いますが入所後早期に合格するとボーナスが貰えるような奨励があるようですね。

USCPAヒデさん

 

割りと皆、暇な時は職場に行って、勉強をしていたりしますね。

 

USCPAふみさん 毎年、アメリカでも日本同様に新卒生の人気企業ランキングというのが出ますけども、アメリカではTOP10にBig4が2-3つは入っているのは珍しくないです。

やはり成長の機会と捉えている学生が多いんだと思いますね。

 

USCPAヒデさん 監査法人が激務って話がありましたけども、私がアメリカで小さい会計事務所で働いていた時、USCPAを持ってませんでしたけども、会社に寝袋がありましたね(笑)働き始めて1年半くらい経った後にもう要らないなと思って、家に持って帰りました。

とは言え、皆さん、仕事をバリバリされていると思うので、日系だと遅く帰ったりすると思いますし、ある程度は慣れているんじゃないかと思いますけどもね。

 

 

― 参加者 私は今、23歳で、会計というバックグラウンドが無くて、USCPAに合格して海外で働くというのは難しいんじゃないかと思うのですが、今、準備できることとか就職活動の中でのアドバイスがあれば教えていただきたいのですが。

USCPAヒデさん 私が向こうで働いていた時に同じような感じの人がいて、その人たちは同じように日本でUSCPAを勉強して、その後、アメリカの小さい会計事務所へインターンという形で入って、その後にそこで労働ビザに切り替えてもらって、Big4へ入ってる人もいましたね。

LAの日系会計事務所とかで検索するとその当時は「日本のUSCPA合格者を募集」というのが結構出てました。

インターンビザみたいなのが1年くらいおりると思うので、それで皆、行っていたと思います。今は変わっているかもしれませんけども当時はそんな感じでした。

アドバイスとしては、まず調べてみて、募集があればとりあえず応募してみて、ダメならば何がダメなのかがわかるので、それを補っていけば良いと思うんですね。

今の時点だと何が良くて、何がダメなのかわからないと思うので、そういうのがあれば手当たり次第応募してみる事です。応募するのがちょっと嫌ならば話をとりあえず聞いてみるというのでも良いと思います。

どんどんアプローチしていって自分の今の立ち位置を確認してみることです。それと今言うべきじゃないかもしれないですけども、本当にUSCPAが自分のやりたいことに直結しているかというのを確認してと良いかと思います。

もしかしたら、USCPAではなくて、向こうのMBAのほうが良いかもしれないですから。

 

 

― 参加者 もともと経済学部だったのですが、ちょっと法律関係に進みたかったのもあったので、就職しながら法律関係の資格を取ろうと思ったのですが、海外で働きたいというのもあって、どちらもとなると日本で法律関係で海外で働ける仕事ってないかなと思って、経理で英語が使えたらチャンスが増えるかなと思ったんですね。法律系だとコストと時間がかかり過ぎるかなと。

USCPAふみさん アメリカはUSCPAを持っている方の中でも何かに特化したUSCPAという方が多く、例えばエンタメ系とか、スポーツ系とか業界別で棲み分けが顕著で、法律関係の人はTAXに進む方が多いようです。

Big4のような監査法人の中にもTAXに特化した弁護士の方がおられて、役職的にも非常に高いポジションにおられる方が少なくありません。

おそらくそのポジションが、法律が関係する会計職のトップだと思いますので、そこを目指されるのも一つだと思います。

 

― 司会 すぐに行きたいですか?

― 参加者 合格したら、すぐに行きたいですね。英語がちょっとすぐにはきついと思うので、すこし留学をして、その後に仕事を見つけたいですね。

USCPAふみさん

 

行けるのであれば、今すぐにでも行って、向こうで勉強をするくらいのほうが良いと思います。

 

 

― 司会 何を準備するかと言ったら、やっぱり英語じゃないですかね。もし英語があまりということであれば、仕事を見つけていくうえではそこが一番ネックになるんじゃないかと思います。ただまだ23歳で若いですからね。

USCPAふみさん

 

私は25歳で渡米したのですが、同じ1年生として入る人たちは皆、10代か20歳ですよね。

もうちょっと早く来たほうが良かったかなと感じたことも多かったので、行けるのであれば早いほうが良いと思います。

 

― 司会 アメリカ本土ならば、USCPA試験の際の会場手数料も要らないですしね(笑)

USCPAふみさん そうですね。

私がニューヨークにいた時は、2ブロック先くらいに別のテストセンターがある感じですから、試験の席を予約することに困ることは無く、受験したい時に受験できました。

 

 

― 参加者 向こうで職探しをしたことがあるということでしたけども、年齢制限はありますか?

USCPAふみさん 年齢制限はないです。

レジメに年齢は書かないですし、聞くのもダメです。

法律違反になります。

 

― 参加者 ただ実際は見ていますよね?

USCPAふみさん 見ているとは思いますね。見た目での判断はあると思います。

ただ元気であれば問題ないと思います。

職種によって体力的なものがあるので、コンサルとかは激務ですので、未経験の年配の方に若い人と同じお願いするというのは難しいのかなとも思いますから、採用側も体力的に無理が効く方というほうが良いですよね。

ただアジア人は実際より若く見られるため大丈夫じゃないですかね(笑)

 

― 参加者 年齢を聞いてもダメなんですね。

USCPAヒデさん そうですね。

私も働いているときは同僚の年齢を知りませんでした。同じ職場で働いていれば、聞いても問題がないのかもしれないですけども、聞く機会も無いですしね。

 

― 参加者 日本人から見ると日本の公認会計士の試験というのは難関というイメージですけども、アメリカ人からするとUSCPAの試験というのはどういうイメージなのでしょうか。

USCPAヒデさん 一般の人からするとUSCPAというのは凄いということだと思いますが、会計の業界で言うと合格していて当たり前という感覚が一般的だと思いますね。

私は外資系で働いていて、私のチームには他に日本人は一人もいなくて、マネージャーが香港にいる香港人だったり、アメリカとかイギリスとやりとりをしたりするんですけども、殆どが会計の資格を持っています。

USCPAというわけではなくて国籍がカナダであればカナダのUSCPAですし、イギリスであればイギリスのUSCPAという感じで、ほぼ全員合格していて、マネージャー以上は全員、USCPAかMBAです。

スタッフレベルでも持っている人が多いので、割りと普通に持っている、という感じです。それと持っているというのはうちの会社に入ってから取得したというよりもBig4とかで経験した人たちがマネージャーとかダイレクターで入ってくる為ですね。

 

― 参加者 日系企業で持っていると重宝がられるんですか?

USCPAふみさん USCPAだからという形で重宝されているというよりも勉強してきているとか、仕事をやり始めた後に勉強することも苦ではないのだろうなという判断の材料にはなっていると思います。

最初は出来ないことも自分で解決していくようなスキルがあるのだろうという感じですね。

アメリカでの試験難易度の認識はよく分かりませんが、教材の広告でハーバード大をGPAが4点満点近くで卒業した人でも合格できなかったという文句を見たことがあります。

一方で、管理会計に特化したCMAという資格もあって、そちらのほうが難しいという人もいますしね。人それぞれかなとは思いますけども、USCPAはビジネスの勉強プラス上級経理のような感じなのでビジネス観を養うための試験という感じでしょうか。

試験をパスしたからといってすぐ監査が出来るような試験ではないです。

 

― 参加者 法律をやりながらUSCPAとかいう資格のコンビネーションという話がありましたけども、今考えうるUSCPAとの最強のコンビネーションというか、USCPAの次のステップという意味では何が良いと思いますか?

USCPAヒデさん 弁護士とUSCPAは勿論良いですよね。

あと外資系の上のCFOとかだとUSCPAプラスMBAという人がいますね。

 

 

― 参加者 MBAとUSCPAのすみ分けというのはどんな感じですか?

USCPAヒデさん 全然違いますよね。MBAはマネージメントです。

USCPAは経理畑で、CFOとかダイレクターになるとマネージメント能力が必要なので、USCPAを持っていて、MBAを持っているという人が増えてくると思います。

 

USCPAふみさん MBAはどちらかというと新しい物を創造していく人ですよね。

USCPAはあくまでResultですからね。

経理財務をずっとやりたいということであれば、USCPAとCMAというコンビもいいですし、CIAのような内部統制とかも良いかと思いますね。

それとシステムとかも良いですよね。

システムの知識を持っているとBig4に行くチャンスも高いと思います。

USCPAヒデさん ITって逃れられないので、ITの知識を持っている人って凄いと思いますね。

それが現実的なところでは最強ですかね。

 

 

― 参加者 今のお話の流れで、私は情報処理技術者試験のITパスポート試験には合格していまして、その上の基本情報技術者試験が難しくて受かっていないんですが、コレは持っておいて良いのでしょうか。

USCPAふみさん 合格している事に越したことは無いと思うのですが、経理の流れで言うとシステム監査人(CISA)を取得しておくと今後かなり良いと思います。

監査法人とか会計系の仕事をしたいということであれば。

USCPAヒデさん

 

社内でオラクル等、システムの導入となると会計もわかるし、システムも分かる人を採用するってことがあるとも思います。

 

USCPAふみさん 今、私がやっている仕事の中でも法改正とか、税制の改正で消費税が上がりますよっていう時に経理の方でシステムの仕様書を書くことを要求されます。

意図する流れで数字が連携されるようなシステムを組んで欲しいとか、完成後のシステム検証作業も業務の一つです。これらのやりとりをする必要があるため、ある程度のIT知識があると有利かと思います。

USCPAヒデさん ITに強い人は数字に強いので、会計にも向いているんですよね。

私は物凄く文系なので、行きたくてもITに行けないんですよ。なので、もともとITに強くて、会計側に来る人っていうのはとても有利に働くと思います。

USCPAふみさん お金絡みのシステムっていうのは完全無欠でなくてはいけない、絶対エラーが出てはダメだ、 そういう環境で働いている方は相当優秀な人っていうイメージが強いみたいです。

金融系と医療系のシステムを作られている方というのはシステム会社の中でも精鋭部隊であるという話を聞いたことがありますので、その業務に携わっている方は確実に今後の強みになると思いますね。

ITと英語とUSCPAがあれば、怖いものなしだと思いますよ。

 

― 参加者 私は営業で新規開拓をしていく際に与信申請をしていまして、訪問審査などから評価をしていくんですけども、決算書などを見て、経営の判断とかいった判断基準というのは、勉強している時に身に付いたのか、それとも実務をやられている中で身に付いたのかどちらでしょうか。

USCPAヒデさん 私はおそらく業務だけではそこまでは身に付かないんじゃないかと思いますね。

半分趣味みたいな感じで、他業種の会社を調べてみるとか、同業者のコンペティターを調べてみるとか、いう形で自分の会社の置かれている状況がどうなのかをやっています。

他業種のNo1企業の利益率はいくらかとか、それを仕事の中で、経理の方だと部長さんとかと話す機会があると思うんですけども、他業種のこの会社はこれだけ利益率を上げているので、もっとコストをもっと減らさないといけないとか、コンペティターの利益率がこれだけで、その利益率はうちの会社よりも少ない従業員数でこれだけの利益を上げているとか、そんな風に与えられていることだけじゃなくて、自分の興味のあるところを分析して行ったりしています。

USCPAふみさん USCPAの勉強の中で培ってきた知識を使っているという認識はあります。

そうした勉強をしてきたバックグラウンドがあるので、自分なりの評価基準を作るというのはそれほど難しくないのかなと思いますね。

 

 

― 参加者 もう少し仕事の具体的な話を聞ければなと思うのですが。

USCPAヒデさん 今、メインは実績とフォーキャストとの比較をやっています。

もともとは経理から始まったのですが、経理業務がオフショアで流れて海外に行ったので、その後は国内の全予算を組んでいました。

各部門長と話をして、今年の売上目標とコストを立てて、それと実績とを比較していく、というのを3年くらいやっていて、それは会社全体の話なのですが、今は各製品群みたいなのでがあって、その製品群ごとにFP&Aと呼ばれる人たちが付いているので、私がやっている製品群の実績の売上とフォーキャストとの比較、あとは収益性を分析して、Bという製品群と較べてAという私がやっている製品群の売上率が低いのであれば何でだろうと言う分析をして、Aの製品群の責任者と話して、コストを削ったり、売上をこのように伸ばせないか、という話をしています。

イメージがつきにくいですかね?

 

― 参加者 イレギュラーな仕事が多いですか?

USCPAヒデさん 多くないですね。

基本的には予算とフォーキャストを組んで、それと実績を比較していって、原因分析ですね。

そして、分析をした後に向上案があれば、それを提案したりします。

 

― 参加者 海外に報告したりもするんですか。

USCPAヒデさん そうですね。

私のレポートラインは香港の上司になるので、海外です。

今、データはアメリカ一箇所に集中するので、全世界から吸い上げて、アメリカに送っています。

レポートラインは香港ですが、その香港の上司を通して、アメリカに送っているという感じです。

 

― 参加者 予算はどのように組まれるんですか?

USCPAヒデさん 過去のトレンドもそうですし、売上と利益率の目標と持っている数値を決めて。

それとコンペティターとの比較というのも最近は言われ始めています。

数値の目標を決めて、その後に細かいところに落とし込んでいくという感じです。

 

― 参加者 私の場合、英語があまり話せないのと年齢的なところで、外資よりも日系かなと思っているのですが、日系企業に限った時にバックグラウンドとかUSCPAの活かし方というのはどのような形でいけば次のステップが開けると思われますか。

USCPAヒデさん

今、話を聞いていて、パッと思ったのは、海外の子会社とか、それでなくても海外寄りの経理とかもあるので、そういうところに行くのが良いのかなと思います。

 

USCPAふみさん 日系の会社でも採用会計基準が異なる会社もありますしUSCPAも役に立つと思います。

業態によるところが大きいですが、メーカーの工場など、海外で操業していることが少なくないので、確実に使えるのではないでしょうか。

USCPAヒデさん 私のアビタスの知り合いとかは、海外勤務をしたくて日系のメーカーに入って、今、駐在経理で中国に行ってます。

そういう活かし方もあるんじゃないかと思います。

海外で経理をやっていて、部下がいてやっていたというのは日本に帰ってきても重宝されると思いますね。

 

― 司会 日系企業でUSCPAに求められることって、やはり英語だと思うんですよ。英語プラス会計の知識ですよね。

入社して結果的に英語を使っていないという人はいますけども、入り口としてはやはり英語だと思うんですよね。

― 参加者 そうなると私はあまり英語が得意ではないんですが。

― 司会 ただそう言っても合格すれば、USCPAに合格出来ただけの英語力があるって事にはなりますからね。

USCPAふみさん USCPAの勉強と一緒に英語を学ぶっていうのは非常に効率が良いと思います。

日本の英語学習のように、「英語を勉強するために英語を勉強する」っていうのはなかなか効率が上がらないですよね。

「何かをする為に英語使う」っていうスタンスが非常に重要だと思います。

相当効率は上がるはずなので、是非、続けて頑張ってください。

 

― 参加者 外資で働いているという事で、同僚は日本人以外だと思うのですが、やりとりはメールくらいなのでしょうか。

USCPAヒデさん 上司とは電話で結構、話をします。

ただ顔は見たことないですね(笑)テレビ会議の機能はあるんですけども、使ったことがないです。

それとチャットですね。

USCPAふみさん チャットは多いですよね。

社内のチャットは凄く飛び交います。

 

USCPAヒデさん そうですね。

ただやっぱり時差があるので、メールが多くて6-7割で、チャットと電話が3割くらいですかね。

 

 

― 司会 少し上のポジションに行くと会議に出るとかあるんですか。

USCPAヒデさん マネージャー以上になると全社会議のような本社での会議に出なくてはならなくて、そうすると皆、ネイティブなので、前の上司は日本人で、私から見ても物凄く英語が出来た人だったんですが、その人でも会議に出るのが嫌だって言ってました。

ネイティブと話すと疲れるし、わからないし、と言ってましたね。

USCPAふみさん

 

日本語でも別の意味で嫌ですけどね(笑)

 

USCPAヒデさん

 

そうですね(笑)

 

 

― 参加者 USCPAに合格したことで休みの日に変わったことってありますか。

USCPAふみさん 財務諸表を見るのは楽しくなりますよね。

会計基準の違いを見てみると面白いですよ。それは仕事の合間でも見ていますけども楽しいですよね。

欧米の様にM&Aが多い国が、のれんを償却したくないのに納得出来たりします。例えば、ある自動車会社の固定資産の大部分をのれんが占めていたりするのです。

その様な財務比率とか見ているとその業界ごとの特性が見えてくるのでそのあたりは面白いですね。

 

― 参加者 それが見えてくる瞬間とかがあるんですか?

USCPAふみさん 瞬間というよりも最初はBSを俯瞰して見ていると、業界によって科目毎のウエイトが違うなとか漠然に思ってきます。

日本の上場している会社を業態別に見たりして、小売業は現金が多くて掛売りは小さいなとか、建設業だと未成工事支出金とか独特の勘定科目が出てきたり、建設仮勘定ってなんだろうって思ったり(笑)結構、面白いですよ。

USCPAヒデさん 私はさっきも話したように結構、見ていますけども、そういう話を使いながら他の部門長とかと話すと「こいつ、よく知ってるな」となるんですよね。

そういう部門長は年配の人が多くて、こちらが若いとちょっとナメられがちなんですけども、そういう話をするとやはり話を聞いてもらいやすくなるんですよね。

そういうことってやはりUSCPAを持っているひとつのベネフィットかなと思いますし、取得していることによって、ちゃんと勉強しているんだと話を聞いてくれやすくなるとは思います。

 

― 参加者 海外で働いていた経験があるということで、海外と日本の職場の雰囲気の違いというのはどんな点でしょうか。

USCPAヒデさん 今の時点では私は外資の方が合っているなと感じます。

ただやっぱりドライですね。今の会社は8-9年目なのですが、上司が3-4回、変わっています。また近々変わるんです。

そして、さらに上も2-3回転しているので、そのくらい劇的に変化があります。

 

― 参加者 変わるというのは評価で決まるんですか?

USCPAヒデさん 変わるというのはクビになるということですね。

マイナスじゃなくても、プラマイゼロでもダメなんですね。常にプラスでないとダメなんです。私はマネージャーのひとつ下のレベルなのですが、私も5年いられるかどうかもわからないと思っています。

 

― 参加者 営業にとってのプラスというのはわかるのですが、経理部門でのプラスって何になるのでしょうか。

USCPAヒデさん 例えば、経費をそれだけ削減したか、とか。

収益性を提案によって変えられたとかですかね。

 

 

― 参加者 今、サービス業だと思うのですが、変える余地って人のところしかないですよね。

USCPAヒデさん そうですね。

それもあって皆、切られているんだと思います。

 

 

― 参加者 それは人事の権限なのですか?

USCPAヒデさん 人事ではないですね。

部門長だったり、もっと上のひとだったりですね。基本、海外のマネージメントの人たちが決めています。

私は8年くらい前に入って、6年ほど前に海外出張でイギリスへファイナンスの会議に行ったのですが、その時に会った人は殆どいません。日本の今いる部門では私が一番社歴が長いです。

 

― 参加者 アメリカの会計事務所に働いていた時はどんな感じでしたか?

USCPAヒデさん 日系の会計事務所で働いていたので、やはり日系の企業のような働き方をしていました。月曜から金曜まで会社に行って、9時から18時まで仕事をして、という感じです。

その後、日系メーカーの現地法人で働いていたのですが、その時も同じで日系的な働き方でした。

ただスタッフは勿論、日本人はいますけども、現地の人がいて、メキシコ人とかも結構いて、そのミックスだったので、そこまで日系の人のような猛烈な働き方ではなかったですね。有休もしっかり取れていましたし。

向こうに行っている駐在員の方はかなりエンジョイしてますね。

日本だと深夜とか、終電とか結構あると思うんですけども、向こうだと9-18時、遅くても19時とか20時には帰れるので、皆、休みにはゴルフしたりしながら、平日は仕事をして、日本に帰りたくないって言って、辞めてしまう人もいましたね(笑)
なので、やっぱりそういう形で向こうに行くと楽ですね。

あとは経験として、外資でFP&Aというのは重宝されると思います。ただ外資系でそれをやってしまうと次も外資系になってしまうかなと。日系にいけないこともないと思いますけども、仕事のスタイルとか合わないかなと思います。やることやっていれば好きなことやっていて良いので、そういうのが合えば、外資系が良いんじゃないかなと思います。

割りと海外の人は日本人を評価してくれますね。向こうの人って働く人は凄く働くんですけども、働かない人は本当に働かないんですよ。

それに比べて、日本人は皆、真面目だし、結果をそれなりに出すので、評価はされやすいんじゃないかとも思います。

 

― 司会 ただ外資も全部が一緒ではなくて、米系だときついとか、欧州系だと少しゆるいとかありますよね。

USCPAヒデさん そうですね。

違いはありますね。ドイツとかは日本と似ているかなと思います。

 

 

― 司会 最後におふたりの今後について何かイメージがあればお聞きしたいのですが。

USCPAふみさん 私はなんとかしてアメリカに行きたいですね。

今の仕事でもアメリカの法人を見させてもらっているので、その延長線上で可能性があれば、というのをアピールしています。

 

USCPAヒデさん 私は今、月火は在宅勤務なのですが、それが変わったら、今の会社を辞めようかと思っています(笑)そして、今、薬関係なのですが、どちらかと言うと製薬会社がうちのお客さんなので、次に転職活動をするのであれば、製薬会社に行きたいなと思っています。

そちらのほうが給与も良いですし、そちらから戻ることは可能なので。

それと製薬会社は儲かっているので、日系のメーカーで働いていた経験からですけども、やはり儲かっていない会社は仕事量も増えますし、雰囲気も良くないんですよね。

そういう会社のマネージメントのポジションですね。今、FP&Aが自分に合っているなと思っているので、どちらかというと管理会計の業務に転職したいと思っています。

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