監査業務で必要な知識という面では、USCPAの方が有利かもしれない


第158回 USCPA CMレポート  ~会計監査で活きる経理×BIG4 USCPAの強み特集!

実施日: 2019年10月5日(土)

【Guest】 TKさん

USCPAゲスト紹介

TKさん (男性) USCPA


ゲスト紹介

大学卒業後、精密機器メーカー(日系、上場)の財務経理部にて連単決算業務、IR資料作成、会計監査対応、新設工場及び新設子会社決算支援業務等に4年間携わる。
メーカー在籍中に、将来的に会計関連の仕事をしていく上で必要な知識を効率的に身につけられる資格だと考え、USCPAの勉強を開始。勉強開始から1年半で合格し、合格から半年後、現在の監査法人へ転職。
監査法人ではさまざまな規模(上場、上場会社の子会社、IPO準備等)のさまざまな業種(メーカー、エンタメ関連商社、教育関連サービス業、広告代理店、建設業、情報通信業等)の企業の会計監査に従事、現在に至る。
現在に至るまで関わってきたクライアントはすべて日系企業で、そのうち上場会社は日本基準で財務諸表を作成している。(親会社がIFRSで財務諸表を作成している子会社は数社担当。)
最近のトピックは、クライアントのシンガポール子会社に対する監査業務を現地で実施したこと。

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Q&A

まず、簡単に経歴を伺えますか。

大学卒業後、日系の精密機器メーカーに入社して、経理部に配属になりました。内定時から配属も仮決定していたので、大学卒業までの間に簿記3級だけ取得して経理の仕事を始めました。入社後は実務で必要ということで、会社に負担してもらって2級も取得しました。

入社してから最初の1年くらいは、単体決算業務のうち工数のかかる売掛金の消込やIR決算資料作成のために使用する数字、具体的には連結のセグメント別、製品別、地域別の売上及び受注高等の集計を主に担当していました。また上場していたので、会計監査対応、特に売上のエビデンス収集や売掛金の残高確認の差異分析も担当していました。

1年目の途中から、連結子会社の決算資料、いわゆる連結パッケージのチェックをして、修正や質問があれば現地の経理担当者とメールでやり取りをする業務も担当し始めましたが、その他の業務内容はほとんど変わらず、あまりジョブローテーションがない会社だったため、このまま何年もルーティンワークを続けるのかと漠然とした不安を持ち始めていました。

そういった不安に抵抗するために英語や英文経理の勉強をしている過程でUSCPAの資格について知り、体系的に効率良く勉強して知識を付けて、専門性の高い仕事がしたいと思い2年目の終わりくらいからUSCPAの勉強を開始しました。

その後、働きながら1年半くらいで全科目合格し、合格から半年後に今の監査法人に転職しました。当時はAUDに一番苦手意識がありましたが、転職してからは、アドバイザリーではなく100%会計監査の仕事をしています。今まで関わってきた会社は業種で言うとメーカー、商社、代理店、サービス業、通信業、建設業やソフトウエア等で結構幅広いかと思います。

経理の経験は監査法人でどう活きていますか?

監査の最初に行うリスク評価で活きていると思います。監査法人が行う監査は、クライアントの方へヒアリングしたり、前期の監査調書を参考にしたりして会社のビジネスモデルや内部統制の状況について理解し、財務諸表のどの勘定科目にどのくらいリスクがあるか評価するところからスタートします。そこで評価されたリスクに対応する手続として、内部統制の運用テストや実証手続を計画し実施していくのが、監査の全体的な流れです。

経理の経験があると、一般的な会社の取引が仕訳として計上されるまでの承認フローやデータの流れが分かっているため、リスク評価に必要な会社の理解が早いと思いますし自分自身でもそう感じます。

経理以外でも一般事業会社での実務経験があるとリスク評価に役立つと思っています。例えば営業の方とかですと、最初に注文を受ける時は必ず上司の承認が必要で、その金額によってどのくらいの立場の上司の承認が必要であるといった、一般的に会社が取引をする時の流れが分かると思います。その理解がある上でヒアリングや調書を見たりとすると理解が早くできるのではないかと思います。

また経理経験やその他実務経験があると、例外的に会社のルールが守られないことが起きることがあるというのは想像がつくかと思います。そういった例外はエラーや不正につながりやすいところではあるので、その例外を防止する、または発生してしまった場合でもどこかで発見できるような会社の業務フローがあるかどうか理解するのも、リスク評価の段階では重要です。

実務経験があると、どのようなケースで実務上ルールが守られないことがあるか、仮説を立てながら理解を進めることができるので、そういったところが監査の仕事で経理や実務経験が活きるところだと感じています。

USCPAで勉強していますと、日本の会計基準にキャッチアップしていくのがすごく大変なのかと思っているのですが、どのようにキャッチアップしていったかというのと、結構苦労されたかどうかというところを聞きたいです。

自分が担当する勘定科目に関連する監査手続を実施するために必要な知識について調べる、クライアントの方から会計処理について質問されたときにその都度調べるというやり方でキャッチアップしていきました。

あと1年目だと開示書類のチェックも担当することが多いので、その都度調べながらキャッチアップしています。クライアントから見るとUSCPAだろうが日本の公認会計士だろうが関係ないため、進め方のコツをつかむまでは時間がかかり確かに大変ですが、最初の苦労は必要だと思います。

ただどの法人も同様ですが、基本的に監査の仕事は一人では完結せず、必ず現場責任者やパートナーのレビューがありますし、自分である程度やってみて分からなければチームメンバーに相談することで力を借りることもできますので、そこまで不安に感じる必要はないかと思います。

法人や個人差もありますが、現場責任者を任されるくらいの年次までには、分からないところをその都度調べるというのを繰り返していき、日本の会計士試験に合格するレベルは必要なくとも、主要な論点の知識はある程度頭に入れておくとクライアントから信頼されやすくなるかとは思います。

経理経験をお持ちであって、その後に監査法人に転職されるということで、その場合は未経験という扱いで採用されて、最初はスタッフから始まるのですか。

そうですね。基本的にはそういう業界です。例えば前職で内部監査やJ-SOX対応をやっていましたという方だと、そこは考慮されてシニアスタッフで入社というケースはあるかと思います。他の法人の状況は詳しくわからないですが、経理経験だけとなると1年目のスタッフと同じような扱いになると思います。

それが2-3年ぐらいですか。

大手だと最初の職階から次のシニアスタッフに上がるのが大体4年と聞いています。中小だともう少し細かく職階が分かれているところもありますが、大手でいうシニアスタッフに上がるのは大体3-4年であることが多いので、4年のスパンを一つの目安と考えてよいと思います。

周りでも結構USCPAの資格保有者というのはいらっしゃいますか。

私のいる法人だと10%ぐらいです。法人によってばらつきはあると思います。また大手で監査部門とアドバイザリー部門と分かれている法人だと、USCPAはアドバイザリーのほうが多いような印象は持っています。

会計監査系のお仕事に絞って転職というのは早いタイミングで考えていましたか?勉強中などもそこは意識しながらだったのでしょうか?

転職するなら監査法人かなというぼんやりとしたイメージを持ちながら勉強していました。実際に合格してから、監査法人の監査部門やアドバイザリー部門の説明会やセミナーに参加してみて、経理の仕事や勉強中に感じていたいろいろな会社の内部統制やビジネスモデルを見てみたいという思いが強くなり、監査法人で会計監査をするというところにフォーカスしていったという感じです。

働きながら勉強されるのは結構つらいと思うのですが、個人的にそれは逆に強みだと思っていて、例えばAUDで勉強したことが自分の会社ではどうなっているか、自分が監査やアドバイザリーをするならどうするか等、いろいろ想像しながら勉強していくと自分がどこに面白さを感じているか分かりますし、試験勉強の内容の理解も進むと思っています。

監査法人を選ばれたということで、もともと前職のところで活かしていこうと思っていたことは特にないですか?

私は全科目合格してからすぐ転職したわけではなく、当時担当していた業務で在外子会社の連結パッケージのチェックや現地経理担当者とのやり取りなどがあり、勉強している内容が活かせる部分もあるため、選択肢として考えてはいました。

ただ、もともと業務のローテーションの少ない会社で、上司との面談でUSCPAを取得したので、連結決算やIFRSプロジェクトのチームに加わらせてくださいといった希望は伝えていましたが、状況が変わりそうになかったため、自分の年齢やキャリアを優先して見切りを付けて、合格から半年で転職しました。

監査法人経由でまた事業会社にということも考えてらっしゃるのですか。

その選択肢もありますが、現時点ではまだ転職しようとは考えていません。

提携しているファームの海外のネットワークを活用して出向するなどの海外業務をしたいという希望がありますし、スタッフとしての監査業務はもちろん、現場責任者としての業務を一通りできる経験と能力を身に付けたいというのもあり、今後のキャリアについてははっきりとは決めていないです。

事前の案内でシンガポールの案件をやっているとありましたが。

あるクライアントの在外子会社に対する監査手続をしてきました。

そういう案件というのはあまり多くないですか?

重要な在外子会社があるクライアントのチームにアサインされた場合には、そういう案件を担当するチャンスは多いと思います。

大手の監査法人と中堅の監査法人でそれぞれメリット、デメリットはどういうことがあると考えていらっしゃいますか。

個人的な考えと推測も入っていますが、中堅の場合は小〜中規模クライアントが多いので、現場責任者を任されるタイミングが大手と比較して早いのが特徴として挙げられるかと思います。また部門が分かれていないことが多いし人数も少ないため、希望が割と通りやすいのかなと思います。

ただこれは規模に関係なく、期待に応えているスタッフの希望は通りやすい業界の特徴かもしれないです。あとはUSCPA取得程度の英語力でも周りと差がつくため、英語を使用する業務があれば任されやすいことが特徴として挙げられるかと思います。

大手の特徴としては、中堅より英語を使用する機会は多い気がします。アドバイザリー部門だと特にですが、監査部門でも海外の提携ファームからのリファードワークがあれば、英語を使う機会はありますし、大規模クライアントにアサインされれば在外子会社があるケースがほとんどですので、海外出張のチャンスもあるかと思います。一方で、中堅だと頻繁に英語を使うことはないように思います。ただし、英語を使う案件があった時に相対的に英語ができると評価されると思うので任されることは多いです。

あとこれは法人によってですが、部門間の交流がある大手の監査法人だと、アドバイザリー部門にいても監査クライアントのチームにアサインされるということはあるようです。実際に前職の監査チームにもアドバイザリー部門のUSCPAの方がアサインされていました。

一方で中堅だと、部門として独立していないことが多いのでそもそもアドバイザリーの案件があまりなかったり、あったとしても誰がどのような案件をやっているか見えなかったりするので、もしアドバイザリー業務をやりたいという場合は主体的に情報収集して手を挙げるというアクションが必要かと思います。

あと最近は大規模なIPOは大手がやることが多いですが、それ以外のIPO案件を大手は断っているという話も聞くので、そういった案件は今後中堅の方が増える傾向にあると思います。

USに求められるとしたら英語になってくるのですか。法人によりますか。

法人や所属する部門によるかと思いますが、監査部門では英語よりもやはり基礎となるのでAUDの知識の方が求められるかと思います。英語を使う可能性の高いリファードワークがあるようなチームやアドバイザリー部門になるとその限りではないかもしれないです。

先ほどの監査かアドバイザリーかという話で、広く見たいので監査を選ばれたということをおっしゃっていたのですが、監査を選ばれた理由などがあればお聞きしたいです。

どの法人の監査部門でも、特殊な事情がない限り複数のクライアントにアサインされることは分かっていたので、そこでいろいろな業界やビジネスモデル、そこに関連するリスク、起こりうる不正の事例やあるべき内部統制の形を知りたいというのが監査を選んだ理由です。

あと、どの領域をやるかにもよりますが、アドバイザリー業務での付加価値は、自分の重ねてきた経験に基づくものが大きいのではないかと考えていました。自分としては経理4年の経験しかなかったので、一旦監査をやることでまんべんなく自分の能力のベースを高めたいというのも、監査を選んだ理由の1つです。

また個人的に、アドバイザリー部門であれば法人としての今までのノウハウも蓄積されていますし、業界のベストプラクティスを知る機会もあると思いますが、提供するソリューションには流行り廃りがあると考えていて、それをやるよりもまずは自分の会計士としての基礎を作るということを優先しました。

お幾つのときに転職されたのですか。

27になる年ですね。経理部だったので、USCPAの知識を使う機会はありましたが、もっと会社の全体的なプロセスについて知りたい、自分の付加価値を早く上げたいという思いが強くなったため、4年程の経理経験しかなかったですが転職しました。

ただ当時はあまり自分の強みと思っていなかったですが、転職してから経理の仕事をして良かったというところは結構ありました。どこが良かったかというと、先ほど冒頭に話した承認の流れなどもあるのですが、監査はもちろん、アドバイザリーをやるにしても会社のシステムや会計につながるデータの流れを理解できたという点です。

例えば監査の計画を立てるときに会計システムは何を使っているか、それがパッケージ、つまり販売されているものをそのまま使用しているか、独自にカスタムして使用しているかによってリスクの度合いが変わってきますので、手続もかなり変わってきます。実際にシステムの検証をするのはITの監査チームですが、計画を立てる側もその辺りを理解していないと、チーム全体の進捗にも関わってきます。

アドバイザリー部門にしても、会計システム入れ替えのアドバイザリーをしますとなったときに、そういった理解があると活きると思いますし、監査上のリスクなども考慮してアドバイスできるとよりスムーズにプロジェクトが進むかと思います。

なので、働きながら自分の会社の会計システムや業務システムは何を使っているか、データの流れなどはどうなっているかというのは、特に経理はそれを分かり得るポジションにいるかと思うので、情報収集という意味でそのあたりを意識しながら勉強するとすごくいいと思いますね。

日本の会計士さんの割合は何パーセントぐらいですか。

私の法人だと半数以上が日本の会計士です。あとは資格を持っていない監査補助者も採用していますし、ITの監査をする情報システム監査人という資格を持っている人も結構います。

日本とアメリカの両方を持っている人も結構いるのですか。

私が一緒に働いたことがある方で両方持っているのは1名のみです。

短いキャリアの中でいろいろな業界をご経験されていますが、いわゆる事業会社と監査法人とでは当然仕事のアサインされている業務の数というのも違ってきていると思います。どれぐらいの頻度で業務の見直しやクライアントの見直しはあるのですか。

大体年に1回ですね。クライアントの決算期が12月、3月に偏っていて、それが落ち着く5月後半から6月ぐらいにかけて見直しがかかり、どこに誰をアサインしようかというところが決まります。ほかの法人の監査部門も大体そういう感じだと思います。

それはキャリア面談などでこういう業界を見てみたいですということを話して決まっていくのか、それともここをやりなさいというような感じですか。

個人の希望もあるし、あとは各チームの現場責任者の希望で決まることもありますね。

新卒の日本の会計士よりは転職組のUSCPAのほうが重宝されたりしますか?

一般的な仕事の進め方が分かっているだろうという期待はされていると思いますので、そういうところでスムーズに入っていければ評価されやすい気はします。

あとはその方の経験や仕事内容にもよりますが、一般的な事業会社の業務の流れだったり、会計につながるデータの流れだったりという理解が何となく頭に入っていれば、クライアントの方と話すときもスムーズにコミュニケーションが取れるので、新卒の日本の会計士と比べて有利なところという感じはしますね。

あと、USCPAはAUDでもBECでも内部統制の勉強をしますし、TBSの問題でもより実務に近い問題が出るため、日本基準の知識というと少し差はありますが、監査業務で必要な知識という面では、USCPAの方が有利かもしれないと最近感じています。

監査系の経験をすると、管理会計系の肌感覚なども身に付いたりするのですか。

ある程度経験を積むと全体の数字をみて、整合性が取れていない、何かおかしいという異常点を発見する力は身に付いてくるかとは思います。

ただし、そこは完全にマニュアル化されているものではないと思うので、スタッフのうちから前期のやり方を踏襲するだけでなく、自分の頭で考えていろいろやっていって身に付けるものかと思います。

本人の努力にもよるかもしれませんが、大体3年ぐらいいると監査を通じてどれぐらいのレベルになるものでしょうか?

専門的なところだと、一般的な事業会社の主要なプロセスの内部統制や会計基準の知識及び財務諸表の表示や開示に関する大まかな知識は身につくと思います。

ソフトスキル的なところだと、監査調書や気づき事項や留意点について記載した文書を作成する機会が多いため文章を使ったコミュニケーションはある程度身につくと思います。

また意外と感じられるかもしれませんが、リスク評価の一環でクライアントの経理部だけでなく、営業や購買、製造のプロセスの担当者やその承認をする管理職にもヒアリングする機会はありますので、人の話を聴く力というのは身につくと思います。

あと、初めて監査を受けるクライアントにアサインされると、前期の調書がなかったりこちらが求めている資料を会社の方が理解できていなかったりするので、その場合はいろいろな角度から質問したり、必要な情報や資料を持っているのはどの部署か特定しながら進めていく必要があるので、早いタイミングでそういったところにアサインされると、断片的な情報から大局的に物事をとらえたり、体系化する能力は身につくと思います。

ただ、人前でプレゼンをするだとか研修講師をするのは、ある程度職位が上がらないと機会はあまりないかもしれません。あと、もう少し高いレベルでクライアントと関係を築いて継続していくようなことや部下のマネジメントというのは、現場責任者にならないとあまり経験できないかもしれないです。

普段は案件としてはどのくらい持っていますか?

今アサインされているクライアントは6社です。上場企業もありますし、会社法監査や法定ではないけれど任意で監査をお願いされている会社も担当しています。

入社試験のときに面接などで印象に残った質問などはありますか。

「どういう会計士になりたいか」という質問が印象に残っています。

監査を受ける側の立場だった頃は、監査の仕事は淡々と所定の手続きを踏んで監査調書を作成するのが仕事と思っていましたが、転職活動をし始めてセミナーやアビタスとのキャリアセンターでの面談で、クライアントのために付加価値を与えるという考え方も大事にしている法人もあることを知り、自分もそういう会計士になりたいと考えるようになりました。

そういったことを面接で話したらすごく分かり合えたと感じたので、印象に残っていますね。

昨今、AIが何だという話が結構あって、外から見ていたら会計士の先生の皆さんの仕事がなくなるとは全く思っていないのですけれども、会計士の方たちはそれをどう考えていますか。

すぐに監査の仕事がなくなるとは思っていないですが、活用はしないといけないなとは考えています。効率的かつ効果的に監査業務をするために、AIなどを活用していくのを、大手の監査法人は先進的に取り組んでいると聞いています。

個人的なレベルだとエクセルやアクセスなどは多用して、なるべく無駄な作業はしないようにしています。

事業会社に勤められているときと、今の監査法人と、お給料の違いなどはどういう感じになっていますか。

だいぶ上がりましたね。前の会社は寮があったのですが、自分で家賃を払ってもおつりがくるぐらいには上がりました。そこも転職の決め手の一つではありました。

監査法人だと人によって全然年収が変わってくるものなのですか。

最初に入ったときは大体基本給が決まっているので、そんなに変わらないと思います。そこから昇格するスピードによって差はだんだん付いてくるようになると思いますが、基本給は同じ職階ならそこまで変わらないです。

スタッフは基本的に手を動かす仕事が多いかと思っていて、PCスキルは具体的にどこまで求められますか。

監査法人だからといってより高度なエクセルスキルが求められるかというとそうでもないですね。エクセルであればピボットデーブルやVLOOKUP、SUM・IF関数くらいのレベルがあれば支障はないですね。アクセスなども求められることはないですが、使えたらすごく得かもしれないという感じです。

税務のほうの知識などは求められたりするのですか。

監査法人で監査をやるなら税務に関してはそこまで必要ないですね。税効果や法人税の計算などは監査手続としてやりますし、結構論点になるので、ベースの考え方は知っておいたほうがいいですが、かなり高い税務知識が求められるということはないと思います。

今後のキャリアなどで監査法人に残るか事業会社に行くかと先ほどあったと思いますが、USCPAのキャリアパスでCFOになるというのもあると思うのですけれども。

CFOを目指すというのも選択肢としてはありますね。ただ現在はこのまま監査法人に残るというのもありと考えていて、今はそういったところにエネルギーを使いたくないのでしっかりとは決めていないです。

目の前の仕事で自分のスキルや能力を上げるところにすごく注力している感じです。

転職活動などは結構苦労されましたか。

私の場合はあまり苦労しませんでした。当時は市場も良かったので、大体どの監査法人も書類は受かっていたような感じです。

ただ、準備はかなり時間をかけてやっていました。今までの経験を棚卸しして、監査業務やアドバイザリー業務でどのように活かせるかというのを相手に伝わるように当て込むという作業はやっていました。そこは時間をかけてやったほうが、自分のためにもなると思いますね。

前の会社で、これは別に大したことではない仕事だと自分で思っていても、ほかの業界から見るとかなり大事な仕事であるとか、なかなかできない経験であるとか、この経験は他社や違う業界だとこのように活かせるとかというのは結構あるので、そういうところはしっかり考えてやっていました。

そういった見せ方ができれば、今の市場は分かりませんが、そこまで苦労しないのではという感じはします。

当て込みが必要だというお話をされていたのですけれども、当て込みをするためには監査業界で働いたときのイメージというのが具体的に見えていないとなかなかそれができないような感じだと思うのですが、そこの情報収集はどのようにしていらっしゃったのでしょうか。

私の場合は前職で監査対応をしていたので、そこがかなり大きいと思います。前職の監査チームの会計士の人からもいろいろ情報収集をしていました。

経理の仕事以外となると、アビタスの転職のエージェントの方はかなり情報を持っていますし、今の仕事の棚卸しなどもサポートしてくださると思うので、そこは素直に頼ってしまっていいという気はします。

あとこれは個人的な考えですが、監査法人での監査業務はチーム単位で一年かけて一つのプロジェクトをやるイメージなので、現職でプロジェクト単位での仕事をやったことのある方であれば、そういった経験、特にプロマネや他人を巻き込んで仕事をするような経験は活きる気はします。

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