USCPAというのは運転免許みたいなもの。より良いキャリア構築にはその後の経験や訓練が重要。


第124回 USCPA CMレポート
実施日: 2016年3月26日(土)

ゲスト紹介

テルモさん USCPA

大学卒業後、外資系の医療機器メーカーで経理を担当。主な担当は買掛金。P/L作成、月次決算等を行なった。

簿記2級は持っていたものの専門性の不足を痛感し、会計の専門性を高めるためにUSCPAの勉強を開始。2年半かかりUSCPA合格後、2014年にBig 4監査法人へ転職。内部監査のコソーシング業務に携わる。

その後、同じグループ内のコンサルティングファームへ異動。
現在は企業価値評価、PPA(無形資産の取得原価配分)業務に従事している。


USCPAを取得しBig4で活躍するテルモさん

— 参加者) 転職の準備をするにあたり、どの職種に進むか悩んでいます。事業会社、監査法人、コンサルタントの働き方の違いと同時に、人材、社風、労働環境・労働条件についても教えて頂けますか。
事業会社から言うと良い面としてはワーク・ライフ・バランスが取りやすいのかなと思います。

タフにやるところもあるとは思いますが、私のいたところでは、支障のない形で、仕事が終わったら、早く帰りましょうと言う流れでしたし、世間的な流れとしてもそうですよね。

ですので、監査法人とかに較べるとワーク・ライフ・バランスは取りやすいです。それと経理でしたので、仕事の波が読みやすいですね。月次決算なので、月のこの日周辺は忙しいと言うのがあって、予定が立てやすいです。

勉強している時もそれに合わせて進められました。それはメリットですね。

あと社風は、私がいたところは外資でしたが、それほど外資という感じはしなくて、国内企業と外資系の中間くらいでしたね。サバサバしていなかったですし、国内企業みたいな感じもしなかったです。

人材に関しては良い人が多かったのですが、監査法人やコンサルに較べるとずっと社内の業務をやっているので気持ちが緩んでしまっている方が多かったのかなと、勉強して上を目指そうとか、より良い仕事をして会社を発展させようという方がいなくは無かったのですが、それほど多くはなくて、仕事の面で見倣いたいなと思う方は殆どいなかったというのが正直なところです。

ただその中でもUSCPAを持っていた人が2名いて、その方たちは仕事の考え方とかは立派だったので、そういう人たちを見て、USCPAを目指していきたいと思ったのも確かです。

 

それと事業会社は上司って一人だけですけども、その上司と合わないとその会社で居場所がなくなってしまうリスクがありますよね。

次に話す監査法人とか今のコンサルティング会社は直属の一人の上司にベッタリ付いて仕事をするわけではなくて、色々なマネージャーがいて、案件によって色々なマネージャーと仕事をしていく機会があるので、直属の上司とうまく行かなくても、他のマネージャーと仕事をすることが出来るので、そうしたリスクは少ないのかなと思います。

監査法人については、同僚はほぼ有資格者でした。USCPA、日本の公認会計士、それと私の部署は内部監査をやっていたので、CIAですね。そういう意味では皆、しっかりしていて、勉強への意識も高かったので、より刺激はあったのかなと思います。転職してガラッと周りのレベル感が上がった気はします。

社風はわりとおっとりしていますね。他だともっと体育会系だったりもするようですけどもね。

残業もそれほど多くなくて、最大でも月に40時間位でした。アサインと呼ぶのですが、色々なマネージャーとの仕事があるので、来週から2週間はAマネージャーの仕事をして、その次はBマネージャーの仕事を1ヶ月するという形でスタッフごとにアサインが割り当てられ、一期間でひとつのアサインをやっていく事になります。ですので、それほど仕事が重なるということも無く、ワーク・ライフ・バランスもそれほど悪くはなかったですね。

働き方という意味では、色々なマネージャーと仕事が出来るので、学ぶことも多かったなと思います。内部監査、内部統制という縛りはあるのですが、付くマネージャーによってクライアントも仕事の仕方も様々で、一緒に仕事をするメンバーも様々ですから、良かったですね。

事業会社では蜜に仕事をするのって自分の席の回りにいる5-6人とかですよね。クライアントとの接触も増え、クライアントの前では恥ずかしい話は出来ないので、勉強もするようになりましたし、そういった意味でも刺激のある職場だったと思います。

監査法人はこんな感じですね。

 

そして、今のコンサルティング会社は前の監査法人と同じグループのコンサルティング会社なのですが、全然雰囲気は違くて、若干、体育会系な気がします。

残業を厭わず、仕事があれば夜まで、朝まで、土日も出るという感じですね。

人材としては、監査法人と違って、殆ど有資格者はいなくて、私の部署は25名いるのですが、USCPAが2-3名、他に証券アナリストとかが5名くらいいるのですが、他は無資格です。ただとても優秀ですね。

監査法人との比較ですけど、自分のスキルを上げていかないと食べていけないというのがやっぱりあるんだろうと思います。皆、勉強熱心なのでとても刺激を受けていますね。労働環境というところでは、残業は多くなったのですが、他はもっと大変だという話を結構、聞くので、そこまで激務ではないですし、ある程度はコントロールが出来ます。

監査法人からコンサルへ転職した理由

— 参加者) どうして監査法人へ行って、その後、コンサルに入ったのか、その動機を教えてもらえますか。

最初の事業会社から監査法人へ行った時ですが、色々ありますが、ひとつは会計の専門性を高めたかったということですね。

事業会社にいた時の先ほど話したUSCPAの方はPwC出身で、経理関係で仕事をしていて、元Big4というのは一目置かれるんだなという印象があり、私もその経歴が欲しかったというのが正直ありました。

それとスキルとして事業会社の経理だけではなくて、Big4で色々と経験をして、スキルを高めたかったという2点ですね。

そして、その監査法人からコンサルへ移ったのですが、その監査法人を辞めたいと思った特別な理由は無かったのですが、たまたま今の事業部の事業部長と知り合うことが出来て、同じビルなのでランチとかを一緒にしていたら、気に入ってもらえたみたいで、声を掛けて貰えたんですね。

正直、移った後の業務に関する知識は全く無かったので不安だったのですが、オファーを貰えて嬉しかったのと30歳で未経験で新しいことをやるのも年齢的にラストチャンスなのかなと思ったんですね。そうした理由でやってみようと決心しました。

 

— 司会) そういうことってよくあることなのですか?

そんなに多くは無いと思いますね。

同じグループ会社ですが、法律的には全く別の会社ですので、異動ではなくて、転職扱いですよね。新しいところへ行きたいと言った時にすんなり送り出してくれることはなくて、引き留められますよね。

仕事レベルでは協力し合うことは結構ありますが、人の異動となると活発ではないですね。それが叶うとしたら2通りで、ひとつは私はラッキーだったのですが、異動先に知り合いを作って引っ張ってもらうって形ですね。

もうひとつは、異動してその業務を経験することで、元にいる部署にプラスになると言う事をアピールできれば、納得して送り出してくれる可能性があるのかなと思います。

 

— 参加者) FASで企業価値評価とPPAに携わられているとのことですが、今後のキャリアについてはどのようにお考えですか?FASのM&Aやコーポレートファイナンスチームへの転籍、或いは投資銀行やM&Aブティックへ転職される方は多いと伺っているのですが。

今の部署からの転職先として一般的に多いのは、投資銀行やメガバンクなどの銀行ですね。

それとBig4系で同じようなコーポレイトファイナンスをやっているところとか、事業会社の経営企画ですね。

私自身は今のところ、何処に移りたいというのは考えていなくて、今のところは大きくて扱う案件が物凄く大きいんですね。これはなかなかBig4系以外の他の会社では扱うチャンスが無いのかなと思っています。

それと先ほど話したようにそれほど激務ではないのと人も体育会系のノリはあるにしても悪い人はいないので、今いるところでしっかり仕事をして、上を目指すというキャリアを考えています。

 

— 参加者) 先ほどお話いただいた以外で、事業会社、監査法人、コンサルで働くメリット・デメリットはありますか?

出張の多さで言うと事業会社はほぼ無かったです。監査法人では半分以上は出張というか、自分のオフィス以外での仕事です。

内部監査という仕事柄、クライアント先の事務所へ行って、資料をお借りして作業をするという形だったので、都内も含め、半分以上出張でしたね。一年半くらいで結構色々と行きました。大阪、福岡、宇都宮、神戸、都内は10箇所くらいでした。

そして、今の会社では出張はほぼ無いですね。仕事柄、お客さんからデータをもらって、事務所で主にエクセルに向かいながら作業をしています。最初のキックオフミーティングでどういう作業をやりますという話の時と最後の結果の報告会のところではクライアント先に行きますが、それ以外の95%以上は事務所で仕事をしている感じですね。

コンサルのところで、メリットかデメリットかわかりませんけど、監査法人では一期間、一アサインだったのですが、今は複数の案件をアサインされていくので、今現在、7つの仕事を回している感じです。

勿論、全ての案件がアクティブに動いるわけではなくて、Aという仕事で資料依頼をして待っている時にBの仕事を進めて、Bが終わったら、優先度の低かったCをやって、Aから返信があったら、それを進めて、という形でタフではあるんですけども、複数の仕事を優先度を考えながら進めていく能力は高まるので、それはひとつのメリットかなと思いますね。

ただその分、複数の仕事でDueが重なってしまうと遅くなったり、徹夜になるという可能性はありますけども、ずっと同じ仕事をするよりはいろんな仕事、クライアント、マネージャーと仕事するのは楽しいです。

 

— 参加者) Big4系コンサル(特にバリュエーション含むM&A絡み)にはどのような経歴の方が多いですか?

私の部署で言うとほぼ銀行系・証券会社系が多いですね。

投資案件とかを扱うので金融バックグランドをお持ちの方が多いです。監査法人系の方は、私を含めて二人くらいなので少ないです。それと新卒で、大学でガッチリ金融をやってきた人もいます。

私は金融専攻ではなくて、USCPAで初歩的なところを少しは学びましたが、知識的には大学で勉強してきた新卒の子たちの方があるので、それに追いつくために必死に勉強をしているところです。

会社全体で言うと色々なサービスラインがありますが、デューデリジェンスのところは監査法人出身で監査をしていた方が殆どで、監査経験が無いとなかなかデューデリジェンスは厳しいかなと思います。あとM&A全般のアドバイザリーとか、統合後のPMIというところはいろんな経歴の人が多いですね。

勿論、金融系の方もいますし、事業会社の営業だった方もいるし、経歴によってはじかれるってことは無いと思います。私がいる企業価値をやる部署も30歳前後までは未経験でもやる気があれば、チャンスが有ると思います。

ただUSCPAが無いと未経験で、というのはちょっと厳しいのかなとは思いますね。

 

— 参加者) 一般的なM&Aの流れを考えた時にバリエーションされて、完成した後に、クライアントには直接、結果を説明しに行ったりするのですか?

そうですね。一般的な流れだとまずどの会社を買うかの選定をFAアドバイザリーとかM&Aアドバイザリーの部署がやって、その中でどの会社を買うか決まった後に私たちの部署の仕事でいくらで買うのが適正かを決め、それを元にクライアントが判断し、金額を対象会社に提示します。交渉してOKが出れば、契約が成立するんです。

ココまでがクロージング前の部分で、その後も私たちは業務を行なっていて、私の部署ですと取引金額が決まった後に買った会社を幾らで親会社のB/Sに載せるかというのもやっていて、例えば100億円で買った時にのれんを幾らで載せるか、ということもやります。

60億円は現金とか有形固定資産として載せて、他の部分ではその対象会社が凄い技術力を持っていたり、顧客基盤を持っている時に無形資産として幾らくらい載せるかというところも仕事としてやっていて、無形資産の価値評価で顧客とか技術力がどの程度の価値があるのかを調べ、例えば20億円が適正だとされると20億円がのれんになるという判断をするのがサービスの提供となるわけですね。

取引前のものは参考にしながらも金額を決めるのはクライアントなのですが、その後はそのままB/Sに載ることになり、償却費とか、損益も変わってくるので、緊張感のある仕事ですし、より直接的にクライアントへの貢献に関わってくることになります。

 

— 参加者)例えば、二十代後半、事業会社での海外営業、USCPA + TOEIC900点台のような経歴で、Big4系コンサルに転職された方はいらっしゃいますか?また、事業会社出身者が多い部署はありますか?

いるかいないかで言うと、いますし、チャンスはあると思いますね。ただ先程も言ったように未経験だと年齢的に30歳前後までが目安かなと思います。

事業会社が多いというところでは、特徴的に言うと先程も話したように企業価値をやっているところは金融系が多く、デューデリジェンスは監査法人が多いというのはありますが、その部署の中にも事業会社の人もいますし、他の部署では殆どが事業会社出身の方ばかりという部署もあります。

経歴も含め、国籍も様々ですから、色々とチャンスはあるかと思います。

 

— 参加者)転職前の職務がどれくらい現在の業務に関わっていますか?

2回転職をしていますので、それぞれで話をすると事業会社から監査法人へ移った時は結構、役に立ちました。

というのは、経理部として、SOXとか内部監査を受ける側で、そういう対応をしていて、監査法人が何を要求してくるかをわかっていたんですね。転職してそのサービスをする側に回ったので、その経験は役に立ちましたね。

決まった通りの仕訳が切れなかったりするという例外があることもわかっていますし、他部署との絡みでなかなか作業が進まなかったり、承認が漏れやすいところも何となくわかっていたので、そういうところで役に立ちました。

そして、監査法人からコンサルへ移った時の話ですが、これは残念ながら完全に未経験で、新しいところへ行って、ゼロから学んでいく感じでした。20歳過ぎの金融バリバリやってきた子に教えてもらいながら日々やっているところです。

ただUSCPAをやっていたので初歩的なところは何となくわかっていたので、会計周りだと、どの仕事でもだいたいわかるので、それはUSCPAを取ってよかったところですね。勿論、その分野のプロになるにはそれから勉強とか経験が必要だとは思いますが、最初のステップとして広く学べるのはUSCPAの良い所だと思います。

 

— 参加者)USCPAの知識が現在の業務で活かされている部分って科目ごとにどうですか?

今の仕事だとBECのコーポレイト・ガバナンスのところです。WACCですね。

企業が資金調達するのに負債調達と株式調達とあるんですけども、それぞれコストが幾らかかるのか、そして、それを平均すると幾らです、というのはコーポレイトファイナンスの部門ですが、そこをかなり使ってやっている仕事なので、まずUSCPAで勉強できたのは良かったですね。USCPAをやってなかったら、WACCが何かわからなかったので、勉強して本当に良かったです。

それと前の仕事で役に立ったのは、財務会計のところとか、AUDITのところの知識とか考え方が役に立ちました。内部監査の仕事だったので、本当の監査とは違うんですが、考え方は一緒で、まず最初にテスト・オブ・コントロールで、統制の仕組みを理解して、それが有効に機能しているか判断をし、その後、実際にその統制通りに作業が行われているかの確認を行なっていくという仕事だったので、そういう考え方をUSCPAで勉強出来たのでとても役に立ちました。

それと会計用語を英語で勉強できたのも良かったですね。クライアント先は外資系も多いので、そういうところは英語で帳簿を作っているんです。それをいちいちGoogleとかネットで調べないといけないとなると大変だったと思うので、そういう会計英語全般に強くなれたのは良かったなと思います。

USCPA自体の事で言うとUSCPAを取ったからといって、ある分野に対して、十分知識を持ったなと感じたことは無いんですね。誰かが言っていましたけど、USCPAというのは運転免許みたいなもので、それがあるからといって、うまく運転が出来るわけではなくて、その後の経験や訓練ですよね。

USCPAにしても同じで、幅広い分野で使えますから、それぞれその後の仕事とか、自分の興味があるところを深掘りして専門性を高めていくための入り口なのかなと思います。ただ同時に運転免許がないと公道を走れないのと同じようにUSCPAが無いと得られないチャンスも私の場合にはあったので、監査法人にしても、コンサルにしても、USCPAがあったから採用してもらえたんだと思います。USCPAを持っているから安泰という資格ではないですが、取る価値のある資格だと思います。

 

— 司会) ライセンスは取りましたか?

グアムで取りました。名刺に書けるというのが大きいですよね。

それがクライアントとの名刺交換の際に話のきっかけになったり、それがあることで信頼を持ってもらえる事に繋がるので、それほど負担でなければ取ることをオススメします。

 

— 参加者) 一日の仕事もスケジュールはどのような感じですか?

先ほど話した通り、複数の仕事を抱えて回しているので、マネージャーとコミュニケーションを取って、期日がいつなのか、作業量がどのくらいなのかというのを確認しながら、優先順位の高いもの、重要度の高いものから進めて、一段落してマネージャーに確認してもらっている時に他の仕事をやって、という感じなので、毎日、決まったサイクルというのは無いんですよね。

 

 

— 司会) 毎週、毎月、決まったことをやっていくということではないですもんね。

そうですね。定例業務というのは無いですね。

午前中にAの仕事をして、Bの仕事のマネージャーから声を掛けられて、こういう仕事があるからということで打合せをして、落ち着いたら、またAに戻って、そして合間合間にクライアント訪問も入ってきて、という感じなので、本当に毎日決まった業務というのは無いですね。

 

— 参加者) コンサルでの案件の規模感はどのような感じですか?やりがい等についてもお聞きしたいのですが。

規模感は海外絡みも多いですね。日本企業が海外企業を買ったり、逆の場合もありますので、クロスボーダーの方が多いです。大きさ的には新聞に載るようなものにも関わるのでそういった意味でのやりがいはありますかね。

今の仕事で言うと企業価値評価ってイメージが湧きづらいかと思いますし、私も転職する前は全然イメージが付かなかったのですが、企業価値ということで計算をするので数学とか算数みたいに答えがあるのかと思っていたんですが、全然そうではなくて、どう計算しても完璧な答えは無くて、それが逆に面白いところですね。

同じ案件でもクライアントと売り手の力関係とか状況によっても変わってきますし、その取引に何を求めているかによっても評価額というのは変わってくるので、答えは無いんですけども、それを突き詰めて、より良い方向で価値評価をしてより良いM&Aをしてもらうというところにやりがいを感じています。

 

— 参加者) 他のサービスラインとの連携というのはどのような感じなのですか?

今はM&Aの流れに関しては最初から最後までやっているので、他部署との関わりは多いですし、うちの部署だけで仕事をする機会はほとんど無いです。コンサル内部だけに留まらず、監査法人の監査部とのやりとりも出てきます。

監査クライアントがM&Aをした後に正しい価値で買ったのかとか、会計目的で処理したものが正しいのかなどを確認したり、いろいろとやりとりはあります。

 

— 参加者) 先程も少し伺いましたが、コンサルのワークライフバランスの実態を知りたいのですが。

複数案件を抱えているので、どれがいきなり忙しくなるかわからないという面はあるのですが、世の中で言われるほどではないかなと思いますね。

重なってしまった場合には、やるしかないんですけども、マネージャーに話して調整してもらえることもありますし、それが原因で辞めてしまうようなレベルではないですね。その分、仕事での充実感はありますよ。

コンサルをやるとしたら、ある程度、クライアントの都合によって、仕事の波が左右されるということは覚悟しておいたほうが良いとは思いますが。

 

— 参加者) 前の監査法人の時はどうでしたか?

一期間、一プロジェクトだったのとクライアントに出向いて仕事をしていたので、それほど遅くまで残れないんですよね。

迷惑がかかってしまうので。なので、早く帰れる時もありましたし、それほど遅くなることはなかったです。

 

 

— 参加者) 仕事はチームでやっているのですか?それとも個人でですか?

ひとつの案件に対して、パートナーがいて、マネージャーがいて、私のようなコンサルスタッフがいて、というパターンが多いので、同じ職階の人と仕事するということはそれほど多くないです。

規模が大きければ、分担をしてやることもありますが、基本的には個人での仕事になります。

 

 

— 参加者) 転職の際にBig4というのは意識されましたか?

そうですね。

どうせ監査法人で働くのであれば、Big4で経験してみたいなと思っていました。箔がつくというのが正直あったのと入ってみてわかったことではありますが、大きいだけあって監査のメソッドとかツールなども海外と共有されていますし、海外案件も多いですしね。

そうしたところで大きいだけではないというメリットが有るのかなと思います。

 

— 司会) 2014年からということなので、市況としては良くなってきた頃ですか?

そうですね。採用を活発に行っていた時になります。

 

— 参加者) 他の監査法人には回らなかったのですか?

ほかも行きました。ただ結果的に私が採用してもらったところから最初に話を頂いたので、そこに決めました。

 

— 参加者) 監査法人の仕事のやりがい、事業会社の経理のやりがい、そして、2つを経験されてどちらが自分により合っていると思われますか?またそれは何故なのか教えて頂けますか。

監査法人とかコンサルのやりがいは、社外のクライアントに直接、貢献できるところで、事業会社の中の経理だと経験できなかったことですので、そこにやりがいを感じます。

前職でアドバイザリーだった時はクライアントの内部監査の不備を見つけて、大きなミスに繋がらないように指摘してあげたりとか、内部統制上で不備があるところ、不正に繋がるようなところを事前に見つけあげて、より良い会社運営をサポートできるというところにやりがいを感じていました。

事業会社では、社内の他の部署に対して、スムーズに、負担が少ないように経理処理をしてあげることにやりがいを感じていましたね。

 

— 参加者) クライアント先の業種というのはある程度決まっているのですか?それともバラバラですか?

マネージャーレベルですとある程度、そうしたものも出てくるのですが、私はそうではなくて、付くマネージャーによってなので、今はまだいろいろなクライアントを経験できています。

今の部署ですと食品加工会社、金融、自動車、製薬会社など、本当に様々ですね。ただその分、そのたびに業界のことを本読んだり、新聞を読んだりする必要があるので、情報感度は高くなります。

特に今の部署ですと日経新聞に載っているような情報をこちらが知らないということはありえないことなので、きちんとチェックしないと、という意識が高くなりました。

 

— 参加者) そのクライアント規模も大きいところが多いですか?

大きいところばかりではないですね。小さいところもあるので、バラバラです。

 

— 参加者) 海外のオフィスとの連携もあるのですか?

ありますね。例えば、日系の企業がタイにある会社を買った場合に2通りあって、自分たちがそのタイの対象会社を調べて自分たちで評価する場合もありますし、タイのオフィスに依頼して買った企業を評価してもらうということもあります。

その場合にはタイのオフィスとやりとりをして作業依頼や必要があれば電話会議をします。前職よりもそういったことは多いですね。

監査法人か事業会社かどちらが自分に合っているかについては、私は今のほうが合っているかなと思っています。

プロフィットセンターとコストセンターというのがあると思うんですけども、今まで経験してみてプロフィットセンターで会社の最前線にいたいなと思いました。

会社が何か動く時に中心になるのはやはりお金を持ってくるプロフィットセンター側なので、そういう意味で会社を引っ張っていく立場だという意識が芽生えますし、経理にいた時は方針がありますという時も営業とかそちら側の人の話でそれをサポートする形でしたので、私は売上を持ってくる側の仕事をしたいなという感じです。

コストセンターですと会社に貢献するのはコストを抑える事でしか出来ないですよね。それに対して、プロフィットセンターであれば、売上と費用、両方に責任をもっているので、例えば月にいつもより50万円多くかかってしまったとしてもそれよりも100万円多く売上を持ってくれば会社に貢献できますよね。そちらのほうがより工夫のしがいもありますし、やりがいも感じられると私は思います。

 

— 参加者) 転職の活動期間とその方法について伺えますか。

ひとつ目の事業会社からの転職の際には、人材紹介会社を利用しました。

監査法人から今のコンサルの際には先ほど話したとおりで人材会社を通さずに個人で応募して、選考を受けましたが、ひとつアドバイスとして、人材会社を通したほうが良いのかなと思いますね。個人での応募だと給与面とかで交渉しにくいですよね。

引っ張ってもらったのに給与を上げて貰えませんかとは言いづらいんですよ。一回目の時は活動期間については2ヶ月弱くらいでした。

二回目の時はお話を頂いて、ちょっと悩んだ後にお願いをして決まるまでだいたい1ヶ月半くらいでした。

 

— 参加者) 監査法人の時にクライアント先に出張することが多かったということでしたが、無茶な要求みたいな事はありましたか?

基本的には内部監査室から依頼をされてやっているので、協力的なところが殆どですね。

たまに内部監査室と依頼先の事業部が仲悪くて、その板挟みになることがありました。帳簿を見せてもらえなかったり、閲覧制限をされている時もありました。

そういう時は丁寧に対応をしますけども、仕事が進まないような時には強くお願いすることもありましたね。

 

— 参加者) 前職と現職での女性の割合はどのくらいですか?

監査法人の時は半分くらい女性でした。女性のマネージャーも結構いたので、女性が活躍できる職場ですね。そして、今のコンサルは少なくて、私の部署には25名いて、女性が3名、マネージャーは全員男性ですね。

会社全体だと2-3割かなという感じですが、そんなに多くはないですね。

 

 

— 参加者) 今のコンサルで、ひとつのプロジェクトの長さはどのような感じですか?

今はだいたい1ヶ月以内の仕事が多いです。伸びてしまうことももちろんありますが、だいたい1ヶ月以内で終わります。前後の仕事もあるので、それほど伸ばせないですし。

前の監査法人の時は内部監査って習慣として3週間で終わらせるというのが通常でしたので、アサインされたら3週間、同じクライアントに行って、作業をして3週間目に報告をして帰ってくるというサイクルが多かったですね。

ひとつだけ大きい会社で2ヶ月間やるというところがありましたけども、それ以外ではほぼ無かったですね。

 

— 参加者) その3週間というのは決算後の何月とか決まっているんですか?

内部監査の場合には、決算とか負担の少ない月ということになりますね。日本の企業だと3月決算が多いので、その3月決算前にやっておこうということが多くて、10月くらいに行くケースが多かったです。

それと監査法人の時は定例というか、年間で決まっているんですね。どの月に何処へ行くというのが決まっていて、このクライアントには何月に行く、という形です。ただ今の仕事は月とかは関係なくて、来年は今年と同じ仕事はないと思います。

 

— 参加者) 人材の流動性が高いと思うのですが、その辺りはどうですか?

私の今いるところだと2極化していて、マネージャー以上だと割と長いですね。10年位いる方が多くて、逆に非管理職は流動性が高いです。2年いたらベテラン扱いですよ。

 

—参加者) 監査法人はどうでしたか?

前の監査法人の時はそうでもなかったですね。長い人が多かったです。会計士に受かってずっといるという人も多いですし、転職組もいて、辞めてしまう人もいますけども、全体で見ると2割位が回っている感じですかね。

監査法人からの転職先で多かったのは事業会社の経理とか、内部監査室という方が多かったです。

 

 

—司会) 業務の中で英語を使う機会はどの程度ありますか?

メールは結構、多いですね。海外のオフィスへ作業を依頼するときとか、買った会社が海外だったりすると価値評価するのに英語でやりとりをするんですね。

半分までは行かないですけど、4割位は英語ですね。

 

 

—参加者) 話せる方が多いですか?

多いですね。私は大学の時に半年間、アメリカへ留学しただけで、比較的、国内で頑張ったほうだと思うのですが、全然レベルが違いますね。

TOEICでいうと900点位はあるんですが、英語が得意だとは言い出せないです(笑)周りの英語レベルは相当高いですね。

 

 

—参加者) 今後についてはどうでしょうか?

私はまだ入ったばかりで、今も勉強中という感じで次にどうこうということは考えていなくて、しっかりと知識を高めてより適切な価値評価をクライアントに提供できるようになることが一番だと思います。数年後とかにチャンスがあれば、他の会社とかも考えるかもしれませんが、具体的なイメージは今は持っていません。

もし動くとしたら、海外で働く経験が持てればと思っていて、海外のBig4とかで働くチャンスが有ればと思っているので、コーポレートファイナンスのスキルをしっかり持って、それで海外に行ければと思っています。

皆さんも頑張って合格して下さいね。

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