10年単位の人生設計。一番ダメなのは、ゴールを決めずにダラダラ生きること。


第74回 USCPA CMレポート

実施日: 2012年10月13日(土)
【Guest】 あだ名 渡り猫さん USCPA

自己紹介

 

大学3年生の時に韓国から半年間、日本語の留学で来日。
その時にまた仕事で日本に来たいと思っていた。

大学4年生の時にロンドンで半年弱、語学留学した後、大学を卒業し、韓国で話題になっていたオンラインゲームのITベンチャー企業に入社。

面接時に入社したら、日本に行かせてくれるという話だったが、仕事をやりすぎて、外に出してくれないような雰囲気に…。

その仕事はやりがいがあって、管理職として色々と楽しくやっていたが、海外に行けなくなった時点で希望を失い2年で退職。

もともと「30歳までに5ヶ国語を覚える」という目標があり、今度は8ヶ月弱の間、中国に語学留学へ。その中国滞在中に元いた韓国の会社から連絡があり、日本支社にて現地採用で働かないかとオファーを受け、新大阪支社の立ち上げに再び来日。

立ち上げの仕事は好きだったが、日本でのオンラインゲームのウケがいまいちで、物足りない日々を送り、転職を決意。しかし、外国人として今まで経験してきた韓国系オンラインゲーム会社を離れ、新たな道を開くことはとても難しく、エージェントに登録をするも、紹介される案件はどれもわけあり、くせものばかり…。

結局、次が見つからないまま2年半で退職。またも渡欧し、スペインに3ヶ月、イギリスのケンブリッジで3ヶ月間の語学留学をした。それで念願の5ヶ国語は一応マスター。
日本に帰国した後、知り合いの会計士からUSCPAを勧められ、2010年11月試験で全科目合格。
USCPAに合格して、大阪で就職活動をしたが、年齢のわりに未経験と言うこともあって、またもや難航。それでも希望勤務地を東京に出したら、早速複数の案件を紹介され、ある監査法人に内定を貰った。

5月に入所後、最初の1ヶ月は、日本国内の監査をやり、そこで初めて日本語の財務諸表を見た。とても新鮮だった…。

6月中旬に香港上場の案件で英語や中国語が出来る人材が必要という事でアサインされることに。この案件は海外IPOで何しろ早く上場をしたいというクライアント側の意向があり、土日休み無しで、毎日長時間の労働となった。

過酷ながらも仕事は楽しく、キャリアチェンジが実感できる充実した日々を送った。

Q&A

  • ゲスト
  • 参加者
  • 司会

勉強をはじめる前から監査法人での仕事を考えていたのでしょうか?

会計士になったら、監査法人に行くもんだと思っていたんですね。監査法人にずっといるとは考えていなかったのですが、その後、事業会社に行こうと思っていました。実際、監査法人って2-3年で多くの人が辞めていきますよね。監査法人にいることで次にどこに進みたいのかが見えてくることもあるんです。

例えば、私が海外IPOをやっている時には、クライアントの他にもIFRSのコンサル、海外の監査法人、弁護士、上場をサポートする証券会社、証券会社側の弁護士、IFRSコンバージョンに際して時価評価を行う会社等々、軽く10社以上が絡んでいて、彼らと同じプロジェクトに参加するだけでも異なる立場からの様々な役割を見る事が出来ました。

他にも監査法人での仕事の中で、M&Dのコンサルや株価算定などもあるので、そういうことにも触れたら、より広い選択肢から自分の次のステップを見る事ができると思います。

事業会社に入ってから監査法人という流れは難しいのでしょうか?まず監査法人に入るという方は選択肢が広がるという意味で良いのでは無いかと思うのですが。

今、話したように、監査法人は回転率が高くて、2-3年で辞める人が多いですよね。雇っている側も雇われている側も、明日どうなるかわからないね、という感じなんです。
でも、事業会社だとそうコロコロと人の入れ替えってないですよね。なので、若いうちは変化を求めるかもしれないので、監査法人という選択肢があると思いますし、自分の落ち着くタイミングがあると思うので、そのタイミングで事業会社に行くという考え方もあると思います。
でも、縁とかタイミングとかがあるので、年齢に関係なく、一概には言えませんよね。

ただ監査法人に入って、色々な会社を見られると思ったら、ずっと IFRSコンバージョンをやっています、なんて方も以前のゲストで来てもらったりしたんですよね。
なので、本当にどうなるかわからないし、転職とかっていうのは、縁とかタイミングですからね。

そうですね。私も香港IPOの時は13ヶ月間、一日も欠かさず同じ業務にアサインされていました。普通は2-3週間、長くても2-3ヵ月で担当クライアントが変わるんですけどね。
どこかの銀行のアドバイザリーとして、机を設けてもらって、出向のように一つのクライアント先に付きっきりで毎日通うっていうのは、大手の監査法人さんが多いみたいですね。

監査法人での業務というのは、長いのと短いのと色々とあるとのことですが、掛け持ちという場合もあるのでしょうか?

基本的には掛け持ちですね。ポジションが上がれば上がるほど掛け持ちが当たり前になりますし、件数も多くなります。マネージャーだと同時に少なくとも3-5つの掛け持ちで、そこを回りながら、チェックしていくんです。
でも、ジュニアスタッフとかは掛け持ちとかは難しい場合もあるので、ひとつが終わったら、次に行くということもあります。本人の技量にもよりますし、法人が抱えている案件にもよってくると思います。

USCPAを持っていても、日本のドメスティックな監査案件とかIPOの案件に割り当てられる場合もあるって事ですよね?

そうですね、優先順位があるので、国際業務がたくさんあれば、まずそこに割り当てられますけども、それが無ければドメスティックなというか、国際業務ではない仕事をやる場合もあります。でも、逆に私はドメスティックな方にも行きたいんですよね。
日本の監査に行くと監査人として仕事をする事ができるのですが、海外の業務に行ってしまうと一緒に行く周りの人が必ずしも英語が出来るわけではないので、仕事をしていく中で通訳係になっていく場合が多いんです。しかし私はそもそも自己主張が強いため、通訳・翻訳にはあまり興味がないんです。

逆に日本の監査に行ったほうが、日本にいるからこそ勉強できることもあるので、行きたいのですが、英語が出来る人は優先的に国際業務となっていますね。

USCPAで会計の概念をきちんと理解していれば、日本の基準にも対応していけるのでしょうか?

人によると思いますが、私は監査をしていて、見るたびにわからないことが多いですけれども、3年くらい経験すれば、全て見られるくらいになるんだと思います。USCPAを受かったから、ひと通り対応できるということはないけれども、ベースはあるので、周りに聞くなり、自分で勉強するなりしてやっていけば問題無いと思います。

逆に先ほど言ったように国際業務だと聞かれることも多いですしね。
あと今だとIFRSが入ってきているので、JICPAの人がこちらに聞いてくることもあります。

私も今後、海外で働いてみたいと思っているんですが、海外で働く上で困っている事はありますか?

韓国で働いていたら、きっと楽ですよね。でも、私は楽をしたいとは思ってません。
2007年に仕事で大阪に来て、東京に来たのは去年の4月末だったので、知り合いは殆どいません。なのに、文化の差もあって…韓国ではあまり一人行動をしないので、プライベートがちょっと困ったくらいですかね。(笑)

将来的に上海に行きたいという話がありましたが、仕事としてはどのような仕事でお考えですか?やはり監査をやりたいと考えていますか?

コンサルで行きたいなと思っています。M&Aとか。コンサルも色々あると思うんですが、監査以外で考えています。私の中で人生のプランのようなのがあって、30歳までに5ヶ国語を話したいというのがありました。
そして、40歳までは、香港か上海でコンサルの経験をしてからヨーロッパに行ってMBAを取り、最終的にはアラフォーで経営者になりたいと思っています。
夢のような話かもしれないですし、実現できるかどうかわかりませんが、こんな風に自分の中で考えています。

それは随分前から考えていたんですか?

いいえ、40代のプランはUSCPAに合格して30歳になる前に考えました。一生の分を考えているわけではなくて、10年単位でプランを作っていますね。
前もってプランを立てることは重要だと思います。
一番ダメなパターンは、いつがゴールか、何をやりたいか、自分は何の為にこれをやっているのか、を考えないでダラダラやっていく事だと思います。

そうやって生きてきた中で、何か今までで失敗したことはありましたか?

たぶん、失敗したことはたくさんあると思うんですが、最初の事業会社を辞めようとした時、周りがとても止めたんですね。その会社は社会的に認知度が高いし、毎年自然と昇給していくし、辞めるなんて考えられないと言われたんです。でも、その時に中国に行かなかったら、今でも中国語を話せなかっただろうし、日本で働くという希望も叶えられなかったと思うし。

会社を辞める時には、それ以上、自分が成長できる自信があったので、辞めたんですね。
USCPAも前に会社を辞めたから、挑戦できて、合格して、もう少し広い世界が見れて、もっと激しい人生が歩めていると思っています。

USCPAの勉強をする前は会計の知識が無かったということですが、勉強をしていて楽しかったですか?

楽しかったですね。全然、知らないことだったので、逆に楽しかったんだと思います。

USCPAのニーズという意味で、今後、あまり日本に外資系が来ない中で、今後の価値としてはどうなのでしょうか?

まず、日本企業が海外に小会社を持つようになっていますよね。
その子会社からのレポートはほぼ英語で来ますし、会計基準もIFRSであったりするわけなので、そうしたところには英語で会計が出来る人材が必要になるわけです。
そして、企業はどんどんグローバル化していく傾向にあるので、日本企業であっても、需要は上がっていくのではないかと思いますね。

日本企業の海外の小会社や工場というのは、中国であったり、東南アジアだったりとアジア圏が多かったりすると思うのですが、そういった英語圏じゃない場合にも英語での財務諸表になるのでしょうか?

基本的には英語になりますね。例えば、中国語くらいメジャーな言語になると中国語でやる場合もあります。うちの会社だと中国語でのサポートが出来ますと売りにしている面もあるので、そういった事もしますし、韓国語も同様ですよね。

そうやって出来る範囲を広げている面もありますが、基本的には英語ですね。
そうした時には、USCPAに仕事が回ってくることになります。

では、やはりUSCPAと英語、さらに何かプラスの言語が必要ということでしょうか?

勿論、さらに何かプラスであれば良いのですが、先ほど話したように今はまだ英語が出来ない会計士が多いので、英語が出来てCPAを持っていれば、それだけで重宝されると思います。

以上です。
「30歳までに5ヶ国語を話せるようになる!」という目標を掲げ、見事にそれを実現させた渡り猫さんの話に参加者の皆さんは本当に釘付けになっていました。
もっと色々とお話を聞けたのですが、、、今回はここまでです。
ゲストの渡り猫さん、有難うございました!

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