第149回 USCPA CMレポート ~メーカー経理特集!
実施日: 2018年9月9日(日)
【Guest】 H.K.さん
USCPAゲスト紹介
H.K.さん (男性) USCPA
大学卒業後、総合化学メーカーに就職し、経理部に配属。
最初の3年間は工場地区にて、原価計算、棚卸資産・固定資産管理、税務調査・会計監査対応等、工場経理業務全般に携わり、また、他社も巻き込んだ大規模な工場再編業務も経験。
東京本社へ異動後、予算策定、実績分析、中期計画策定等、事業部の管理会計(FP&A)業務を行ない、事業環境(為替、市況等)や関係部署(営業部、研究部、製造部等)の計数情報を取りまとめるとともに、新製品の立ち上げ、工場リストラクチャリング検討等の特殊業務にも携わる。
社会人3年目の終わりごろにUSCPAを取得し、現在社会人6年目。
複数の教育系ボランティア団体に所属し、会計サポート、アドバイザリー業務を行う等、仕事以外でもUSCPAの知識を活用していらっしゃいます。
- USCPAゲスト
- 参加者
- 司会
Q&A
経理の仕事に関して、一日のタイムスケジュールとか、どんなことをやっているのかちょっとイメージがつかないもので、差し支えない範囲で教えて頂けますか。
一日というより、大体どういう仕事があるのかお話したほうがいいのかなと思います。月次で、「どれぐらい今月儲かっている」という報告を上の人にするというのが、1つ目の大事な仕事です。
例えば今だったら、もう8月は締まったので、9月の頭のところで8月の状況、例えば売値でこれだけ持っていかれて、為替でこれだけ持っていかれて、原料でこれだけ持っていかれてというような今の足元の状況を把握するのが大きな役割です。
あと1つは、見通しですね。
例えば今月はこれぐらいだったけれども、経営者にとってはこの先どうなんだという感じなんですね。今だったら、7、8、9月、うちの会社で言う2クオーターの見通し、着地は大体どれぐらいなのかとか、そういう仕事が大体メインになります。
ですので、ルーティンとしては、月次の分析をする、分析するというのは、数字が会計システムから出てくるので、その数字プラスアルファで営業からトピックを、例えば今月は輸出のこれが多めに出たよとか、あとは製造でこういうところでしくじったからちょっと原価悪くなっちゃったよとかいう情報収集を一通りバーッと、ルーティンでやります。
研究費とかもそうですね。今月はすごい大きな試作をやったので結構研究費かかっちゃいましたというような話をいろいろまとめて、サマリーにして偉い人にプレゼンをします。それが大体ルーティンという感じです。
あと、少し長いスパンの仕事は、中期計画、3年スパンとか5年スパンの仕事もあります。
メーカーの場合、何かを投資して芽が出てキャッシュを生むまでの期間って凄く長いんですよね。だから、来年度、再来年度よりも、3年、5年先にどういう状況をあなたの事業は目指すんですかというのを社長は気にするし、社長は株主からそういう期待なり要望があるからそういうのを発表するわけですね。
特にうちの会社は多岐にわたっていろんな事業をやっているので、株主からすると何やってんだと思われているところも結構あって、そういう5年先とか10年先の絵を描くというニーズがあるので、それが事業部レベルに落とし込まれてやったりはしていますね。
あとは、さっきも言いましたが、その事業部全体の、格好よく言うとCFO的なポジションになるので、その事業部についての会計士対応だとか、その事業部についての税務調査の対応だとか、外部との接触もやらないといけないというのもあります。
管理会計の面白いところってどんなところだと思いますか?
事業を運営していると、様々な場面で意思決定をしていかないといけないんですよね。今月は見通しこうなりそうです、じゃ、ココをこうしたらこうなるんじゃないか、とか。経営者が言うことに、いや、僕はこう思いますとか。
たとえば、工場が2つあって、こっちの稼働を上げたほうが儲かるのか、こっちの稼働を上げたほうが儲かるのか、それぞれの工場の原価が違ったりするので。メーカーの会計は1つの単位が大きいので、億円単位の決定がいろいろなところであります。
そういうところは、ダイナミックさもあって面白いなと思いますね。この中にも管理会計に携わっている方がいらっしゃると思いますが、僕自身は結構好きだなと思ってやっています。
岡山にいたときと大きく変わったのは、スケールももちろん変わったと思いますが、何かほかに変わった点はありますか。
本社にいると経営層に近いですよね、物理的にも。偉い人とのミーティングとか、偉い人に対する報告、レポートというのはすごく増えたので、その辺は緊張感というか、そういうやりがいは大きくなったのかなと思います。
かといって、別に工場の仕事がこうで本社の仕事はこうと上下の優劣をつけたいわけじゃなくて、どっちも大切だと思います。私自身も工場での経験があったので今こういう仕事ができるとも思っています。やはり先ほど言ったように経営層に近いとか、そういう意思決定に積極的に参画する機会が増えたというのが一番大きな違いかなと思いますね。
USCPAを取って、業務において、勉強しておいてよかったなと思えるシチュエーションはありましたか?
監査対応?
監査対応とかで、何のためにこれ聞かれているのかとか、自分が提出する前に文句つけられないように、ここはちゃんと確認しておかないといけないよねとか。
というのは、監査というのは簿記では出てこないんですよ。監査の大きな概念、コンセプト、ああいうのはすごい役に立ったなと思いますね。
あとは、全体を体系的に学ぶことができたのはとても良かったと思いますね。USCPAを学ぶことで、自分の仕事の位置付けはこうなんだなとか、そういうのが分かると、自分がこの分野についてはだいぶやれてきたけれども、この分野はまだ足りないなとか、自分の位置が何となく分かるのかなと思いますね。
実務だけやっていても、スペシャリティは高まりますけれども、そこから自分がどうやりたいかというのは、そこだけやっていると分からないと思うんです。
だから、そこが全体のどの位置にあって、自分はもうちょっとここをやりたいのか、それともほかに会計の分野たくさんあるから、他のところへ行ってみたいのか、そういう立ち位置というのは、USCPAを通して体系的に学んでいたから分かるのかなというのはたくさんありますね。
それを学んで、経理なり会計なり全体像が分かって、自分が実務していく上でこの部分が足りないなとか、今後こういう勉強していこうみたいな、そういうのを知れたきっかけになった、そういう感じですかね。
そうですね。正直、大学の勉強でも、運転免許の勉強でも何でも、やったことがダイレクトに役に立ちますというのは、あんまりないと思っているんですよ。
でも、それが無駄かというとそうじゃないなと思っていて、何にしても僕は全体を知りたいというのが結構あるんですよね。現場一筋、何十年経理の重鎮みたいな人がいますけれども、その人はそのスペシャリティってとても高いんですよ。
そういう分野を目指すというのもあるし、色々ある中で自分は今ここにいて、そこそこ経験を積んでから幅を広げたいなというのもあると思うので、経理に配属された時に、全体としてどういう分野があるのだろう、どういうことが仕事で、価値を生んでいるんだろうというのがすごく気になりました。
学問的にも整理整頓されている分野だと思うので、USCPAを学ぶ中で、それを全体図として知れたというのは良かったのかなと思いますね。
あとは、はったりが効くじゃないですか(笑)。こういうのは案外自分の意識しないところで役に立っているなと思います。
自分からアピールするということはないでしょうけれども、人事部の履歴には絶対ついていますよね。TOEIC何点とかと一緒に絶対入っているだろうし、それは上の人は皆、知っていると思います。それが前提で私と接しているんだろうなというのはあるので、そういうのは見えないところでとても役に立っているのではないかと思います。
学習している人からすれば、この程度か、というイメージがあるかもしれませんが、全く知らない人からすると、「USCPA」という名前が厳かじゃないですか(笑)、ちょっとはったりも含めて言っているんですが。そういうのはたぶんあるんじゃないかなと思いますよね。それがよくも悪くも、自分としてはプラスになっているんじゃないかなと思います。
御社は日本企業ですけれども、ここで日本の公認会計士を選ばずにUSCPAを選んだ理由は何だったのでしょうか?
日本の公認会計士は長い旅になりそうだなと思って(笑)、この会計の道で一生という気持ちは全くなくて、どっちかというと、経営者というか、全体を統括するようなところに行きたいと思っていて、そのステップとして学びたいというのがありました。なるべくシンプルに、なるべく短い期間で学んで、終わったら事業の勉強をたくさんしたいなとか、そういうふうに考えていました。
例えば簿記1級取った段階で、すごく選択肢が限られますよね。公認会計士か、税理士か、中小企業診断士か、もしくは、USCPAか、これぐらいになってくるんですね。そうすると、日本の公認会計士は、今風な言葉で言うと、あまりコスパが良くないなと。それはその道に行きたいという人にとっての資格だと思うんですね。片手間で取る資格じゃないと思っていて。
でも、その道に行きたいという人には必須な資格だと思うので、そのモチベーションの差ですね。
私の周りでも、経理じゃなくてもUSCPAとか中小企業診断士を持っている人がいますけれども、それは自分がその全体を見渡せるようになりたいなというモチベーションで取っている人が多いのかなと思うし。僕もその中でたまたま自分が今、学びたいというか、自分は今これぐらいだったら時間使えるのかなというのと、USCPA取得に必要な学習時間を考えながら。
学習時間の目安というのはネットで調べれば何百時間とか出てくるので。そういうのを調べながらやっぱり公認会計士はすごいなと思いましたね、ただ、あれは学生時代にやるものなのかなと思ったりもしました。そんなことを考える中で、USCPAと中小企業診断士は結構いいなと思いました。証券アナリストとかもその辺のレベルにあって、その中でUSCPAを選びましたね。
学習環境は結構大事だと思っていて、例えば簿記はものすごく市販の教材が優秀ですよね。たくさんの方が受けるので、異常なくらいの競争が働いていて、学習環境がとてもいいんですよ。そう考えたときに、どれが1番とか2番というのはないですけれども、社会人になったら、基本的には一人で勉強しないといけないことが多いと思うんですね。そうしたら学習環境が揃っているところ、変なところでストレスを感じない、というのが優先されて。
アビタスを選んだ理由は、すごく手厚くサポートしてくれるわけですよね。それこそ受験に対するサポートとか、いろいろな勉強以外のところですね。取った後のライセンスの取得とかも含めて、そういうところをきちんとやってくれるところが良いなと。もちろん対価は払わないといけないですけど、そういうところも踏まえて、私のメインはストレスフルなく知識を得ることだったわけです。
やはり、学びやすさというのは大事なのかなと思って、USCPAにした部分もあります。ネットで学べますというのもあるし、単位を取るときもネットで取れるとか、私はそれを利用させてもらったのですが、そういう学びやすさというのはすごく大事なのかなと思います。
私にとって資格を取ること自体が目的ではあまりなくて、もちろん取って、それではったりをかますというのも非常に大事だと思いますが、そこは後付け的なものという気分でした。そういうふうに考えた結果、簿記の後はこの資格に進んでいったという感じですね。
勉強に対するモチベーション自体、もともと高いですよね。
いや、入社してすぐ簿記2級の勉強始められたんだなと思うと。
それよく勘違いされるんですが、すごく負けず嫌いなんですよ。私が配属されたところは、大卒総合職として入って、工場に何年というのはトレーニング期間みたいなイメージなんですよね。
研修とまではいかないまでも、工場で現場を学ばせて本社というのが大体見えているのですが、現場の工場に行くと、専門卒で簿記系の勉強をして、会計の人材として入社して経理をやっているという人が結構いるんですね。
その人たちは簿記をちゃんと学んでいるわけです。どの程度というのは別にして、ちゃんと授業を受けて、それ相応の資格を取って、その専門性を持って入社してきている。そういう人が周りにいて、私は大卒で、それほど真面目ではない大学生活を4年間送って入社して(笑)、、、悔しいんですよね。
学卒とか大卒とかそういう差を言いたいわけじゃなくて、彼らは専門的な知識をもっていて、私はそこに追いついて本社に行かないといけないんだなというのがあって、だから、そこは早くこの先輩方に追いつきたいという気持ちが強かったんです。ですので、学業に熱心だったわけではないということですかね(笑)
そういう環境も大事なんじゃないですかね。周りが自分より知識を持っていたり、専門性を持って働いていて、というとその人と対等に議論したり、その人を場合によっては言い負かしたりしないといけない場面が出てくるので、そのときに、例えば税法にしても、監査六法とか何でもいいですが、そういうのをしっかり学んでいる人たちと同じ土俵に立ちたいなというのが一番強かったということですかね。
勉強というよりか、志も高かったんですね(笑)
優先度がいろいろあると思うんですよ。自分の環境とか、家庭もそうだし、仕事もそうだと思います。仕事に集中したい時期とか絶対あるし、そうしたらその勉強はちょっと置いておけばいいなと思います。そこはモチベーションだけというわけじゃなくて、環境とか状況とか、皆さん大人なのでセルフマネジメントしながらということになると思いますが、それはすごく難しくもあるのですが、それができる人は世の中一定水準いると思います。忙しいというのは主観的なものだなと思っていて、例えば経営者というのは凄く朝早く起きていたりして、運動したりするんですよね。これって異常だと思いませんか?絶対忙しいんですよ、私より(笑)。でも、よく分からない時間に朝2時間ぐらい走ってきましたみたいな人が結構いて、だから、たぶんできないことはないんですよ。私より全然忙しい、それこそテレビに出るような経営者って、別にすごく無理しているというわけじゃなくて、習慣化していたりするんだろうなと思います。みんながそういうふうになる必要はないと思いますが、そういう人もいる。きっと彼らはそれを特別なことだと思ってやってないんですよね。きっと歯磨きするみたいな感じでやっていて、いろいろあると思いますが、そこは勉強だけじゃなくて、仕事に対する意欲とかもそうだと思います。
だから、勉強を続ける、続けないというのも、それを勉強だと思うんじゃなくて、机に向かってやることだけが勉強だとは思わないし、今日のこういう機会ってすごい勉強だと思うんです。凄く楽しくないですか?こういう意見交換とか、いろいろな仕事の人がいて集まって話をするという。
そういうことですよね。いつも「忙しい」を理由にしないでくださいと言っています。暇で勉強している人なんて1人もいませんよって。みんな仕事しながら勉強しているわけで、合格者の方で、「私、暇だったので勉強したんです」という人、1人もいませんよと。
さっきUSCPAを選んだというところで、英語力というのはもともとあったのですか?
私は国際系の学部で留学もしていたので、英語のアドバンテージはあったかなと思いますが、会計の言葉は9割ぐらい知らない言葉ですよね。
アカウンティングという科目を取っていたわけではないので。英語力は、日本人は文法力は優れているので専門用語だけ覚えちゃえば良いですよね。英語力があったから受かったとか、英語力がないから合格できないとかそういうことはないんじゃないんですかね。
もちろんゼロだったらかなり厳しいでしょうけれども、ある程度学校で学んだ文法力があればそんなに抵抗ないんじゃないかなと思いますけれど。ただ他の人よりも英語に接する機会は多かったと思うので、アドバンテージがあったのは間違いないかなと考えますね。
普段の仕事の中では、海外とのやりとりもありますか?
今はIFRSですか?
これから変える予定というのはありますか。
そのときに何か携わることはありそうですか?USCPA取っている人が携わるという傾向が、ちょっとうちの会社だと多かったので。
そういうタスクフォース的なのができると思うんですね。で、携わりたいかと言われると、携わりたくないんですよ(笑)。それは時々周りにも絶対やらないですよと言っているんですが、候補にはなるでしょうね。
それは制度会計側のところでいろいろあるので、勉強というか、すごく特殊な仕事なので楽しいとは思いますけれども、今、自分の中でやりたいかと言われたら、事業系のほうに行くほうが楽しいなという感じはしているので。ただ、目を付けられるんだろうなというドキドキ感はちょっとあります(笑)
ちなみに、御社の中でUSCPAとかCPAのホルダー率というか、経理担当の中でどれくらいになるものですかね。
数値は分からないですけれども、日本の公認会計士というのは中途で結構最近入ってきているイメージがあります。監査法人で働いていたけれども中途でうちに来たという人は、決算とか、いわゆる制度会計側のほうには結構いると思います。
日本の公認会計士を働きながら取るという人は、あまり聞いたことがないですね。あとUSCPAはちらほらいる気がします。多いとは言わないんですけれども、それなりにいるんじゃないかなと思います。10人に1人とか、20人に1人か分からないですが、私が座っているテーブルに経理が10人くらいいて、そこに2人います。
経理以外のほかの部でもいたりしますか。
財務とかですか。
そういう方々、例えば海外の会社を買収するときとかにUSCPAの方が・・?
それもあるかもしれないですが、そのためにとったとかではないと思います。
海外の会社を買収するとなると、そういう人もいるし、日本の会計士の人もいないといけないし、ただどちらかというとアドバイザリー契約をして、投資銀行とかとやるので、本当の専門性を持った人というのは、資格も持って実務もやっている投資銀行などにやってもらうことが多いと思うので、その投資銀行の言っていることを理解できるレベルの人たちがそういうところに就く、その中に米国公認会計士の人もいるし、日本の公認会計士の人もいるし、国際税務の専門家もいるみたいな感じですかね。
転職というのは考えられていらっしゃいますか?
率直に言うと、すごくオープンに考えています。転職もありだと思うし、エージェントの友達も何人かいて、話とかよく聞いて情報収集もしています。その中で、うちの魅力もあるし、他社の魅力もあると思っていて、以前うちのオフィスの上に人材会社があって、外資とかに強いエージェントさんがいたんですよ。
昼休みとかに話して、何人か知り合いをつくって情報収集もしていて、そういう中で自分自身が今の仕事以外でいろいろ見ていったときにすごく魅力的だなと思ったのは、外資の日本法人の管理会計ですね。これはやってみたいなと率直に思いました。
とにかくスピード感が全然違いますよね。2~3人で日本法人を回していて、本国かアジアパシフィックのシンガポールとか香港にあるヘッドクオーターみたいなところへレポーティングしたりというのは、楽しそうだなと率直に思って、そういうところに行きたいなという気持ちはあって、何社か話を聞いたりしたりしました。
外資系の会社でちょっとピカピカなところも含めて話を聞いたり。そういうところはすごく魅力的に感じつつ、でも、転職に踏み切らなかった理由は、経理として管理会計の分野に行ってマネジャーからCFOみたいになるパターンに今、決め切れなかったというのが1つあります。
今の会社だったら社内転職みたいなのが結構あるんですよ。例えば、今、経理やっているというところから経営企画に行くとか、海外の取りまとめをやるとかという魅力を捨て切れなかったというのはあります。
ただ、どっちもすごく魅力的だと思っているので、もしかしたら当時いろいろ話を聞いている時にとんとん拍子にいっていたら、今の会社にいなかったかなと思うし、そこは凄くフレキシブルですし、この会社で一生、みたいなことはないですね。
でも、今の会社でガッツリ仕事していくのは楽しいですね。その当時も思ったんですが、例えば海外の日本法人でヒルズに本社があるようなピカピカな会社でも規模というのはそんなに大きくなかったりするんです。だったら、私が今の事業部で扱っている規模のほうが大きかったりするんですよね。僕が今この事業部のCFO的な全体を見ていまして、これって案外、規模が大きいんですよ。それをパッパッ自分で右左やっていけるのは、なかなか悪い経験じゃないなと、そのときは思いましたね。
ただ、私はコンサルには惹かれないです。コンサルとか監査法人系は惹かれない。というのと、それは最終地点じゃないなと思っています。それだったら実務をちゃんと積んでいったほうがいいんじゃないかなと思って、管理会計系のポジションは結構魅力的だなと思いつつ見ていましたね。
管理会計というと結構幅があると思うので、意思決定にどれぐらい入っていっていますか?
そういう意味だと、基本的に経理として意思決定に参画していますというのは、凄く聞こえが良くて、でも、私のイメージだと、財務とか決算とか制度会計があって、ほぼ関与してないと思っています、事業に関しては。
私は事業部付きになっているので、全ての数字は私が出したものに基づいて判断されています。私が出したものがベースに、数字だけじゃなくていろんな事業環境も考慮して決定はされますけれども、数字のベースは私が出したもの以外にないので、そういう意味だと、全ての意思決定の数字の面においては私の数字がもとになっています。
では、サジェスチョンがどれだけあって、サジェスチョンのうち何割、通りますかというのは、これは文化の問題だと思います。うちはあんまり上下関係とかもないので、私も若手の部類に入りますけれども、言いたいこと言えるし、この事業やめちゃったほうがいいですよというのも言いたければ言えるし、どっちかというと文化の問題かなという気はします。
作業するだけにならざるを得ない環境もあると思うんですね。口出すなというような。経理の立ち位置がほかの会社に比べて高いとは思わないですけれども、単純に社風がフラットだと思いますね。
事業部からの反発というのはないですか?
それはあります。それはコンサルと同じポジションになります。教科書的にはこうなので、ファイナンス的にはこっちが正しいですけれども、皆さんの感覚はこうなんですねと。でも、それはファイナンス的な観点からすると間違っているという判断の上にやってくださいと言っています。だって、それ以外に大事なことたくさんありますよね、このお客さんは切れないとか。それは経営者の判断なんですよね。数字だけで決めるんだったら、みんな答えは一緒になるんです。
だけど、そうじゃないんですよね、世の中って。だから、コンサルの人がいろいろ提言してくれるけど、まともに実行されているかどうか分からないと思いますね。コンサルの回答ってきっと100点満点の回答なんですよ。教科書どおりじゃないですか、きちんと整理してロジックに沿って。
でも、そこだけじゃない感覚というのが経営者にはあるのですが、私は経理の人間なので、すごくロジカルで合理的に仕事をやらないといけないと思っていて、そっちサイドから言わないといけないと思っています。
ガンガン言う環境もあるとさっき言いましたけれども、でも、ふとしたときにウッと言われる言葉が響いたりして、飲み会の場で偉い人に冗談で言われたんですけど、「そんなに儲けたいならばAmazonとかに行けばいいじゃないか」と、それって確かにそうだなと思います。
Amazonじゃなくてうちにできることがあるはずなんですよ。お金をすごく儲けている事業に関わりたいのであれば、そういう会社は世の中にたくさんあるんだから、って。そういう感覚というのは経営者の感覚だと思うんです。おまえはこの会社だからできることを考えているのかと。
自分の会社で自分のコアな技術があって、それをこうするためにこうしないといけないとか、それは感覚とか長年の経験とか総合的な判断のもとに言っていると思っていて、「お金だけ儲けたいんだったら今すぐ投資銀行に行けよ、おまえだったら行けるだろう」とか言うんですが、確かにそれもそうだなという気がして。
だから、そういうのってすごく大切なんだろうなと、いろんな会社にいろんなユニークなところがあって、という意味で、私は正しいと思うことを言うんですけども、そうじゃないんだよねという部分もすごく勉強になります。
そこなのかもしれないです、実務が知りたいというのは。その会社の感覚といったらいいんですかね。私がコンサルにいて、100%の回答というのはあるようでなくて、最適解だと思って出すんですが、それがその会社にとって良いかよくないかというのはこっちは分からないんですよ。
最終的にどうなったかというのは私たちは分からないから、それがすごく私の中で不満があって、見えないと。それがオーケーとなっても、じゃ、何でオーケーだったのかというのがあんまり腹落ち感がないから、それを知りたくて、その会社側に行きたいのかなというのが、最近あります。
それはすごく勉強になります。そうじゃないんだなと。経営者思考というのはそこが必要だと思いますね。
私は、ファイナンスとか経営の観点からこう言っているんだけれども、それはたぶんある程度経理的な知識があるんだったら答えは一緒になって、みんな同じ方向に事業を持っていくわけですが、そうなってない理由がたくさんあって、例えば5年後のことは誰も分からないですよね。
為替が130円になっているかもしれないし、100円になっているかもしれない。そこをどう考えるのかというのは我々では計り知れないところだし、この技術はどのぐらい花が咲くのかというのはわからないですよね。
そういうところをどのように自分として数字で表現できるのか。感度がこれぐらいありますとか、マックスこれぐらいで、最悪リスクはこのぐらいですとか、それはコンサル的な仕事なんですよね。3本ぐらいケースを引いてやったりして。
でも、どこに行くかは誰も分からないから、そのタイミングでそこのポジションにいる人が決めてくれるわけで、それが正しいかどうかはその時は誰も分からないし、場合によっては将来振り返ってもそれが正しいかどうか分からない。でも、そういうところに僕の数字を使って、僕の考えを一通り聞いてやってくれているというのはすごく楽しいです。
私みたいな、まだ5~6年目で、東京に来たときは3~4年目でしたけれども、そういうところで入っていけるというのは、どれぐらい参画していっているかというさっきの質問がありましたけど、大体そういうイメージです。もちろん小さな意思決定から、何億円とか何十億円というところもあります。
ちょっと少し踏み込むというか、もちろんファイナンスとしてはロジカルな、コンサルもそうですが、ロジカル面で話して、例えば事業部側の暴走だったりを止める役割というのも絶対あると思っていて、とはいえ、事業部側は、さっきおっしゃったようにエモーショナルなところ、この顧客は切れないとか絶対あると思うんです。
そこでの折り合いはどこかでつけなきゃいけなくて、それは社長がある意味期待していることだったりすると思いますが、その折り合いの中でここは絶対譲れないよねみたいな、法的なものはもちろんあると思いますが、それ以外にどういったところがあったりするのかなと。
まず、コンプライアンスは絶対あって、これは場合によってはすごく曖昧なんですよ。何とでもとれるというか、今つくる資料をどう作ったかで後の人はその資料を見るわけで。どっちでもとれるというのは案外あるんですね。
例えばこの期に費用を計上するのか、次の期に計上するのか、ぎりぎりのラインだったら黒字にしたいからちょっと先送りさせてくれとか。でも、絶対にこうしちゃいけないラインというのはあると思うし、それについては、USCAPという資格持っていて、不正に関する宣誓もしているわけですよね。
ファイナンスの観点から見て合理的な判断だと思うことをどの辺で折り合いつけますかというのは、味方を増やそうとします。例えばこの取引先は全然儲かっていないですと。営業部長の立場からすると、今までの関係があるからそんなこと言っても売らないといけないわけなので、ひとつ上の人に聞くんですね。「これ、実は全然儲かってないですよ」という感じで、だんだん味方を増やしながら、自分の方向にできるだけ持っていこうとすることがあります。
それは別に悪いことだとは思わなくて、数字は誰が見ても同じなので、どういう表現の仕方をするかとか。その人にそれでも売らないといけないと思ってもらえるんだったら、それもそうだと思うんです。自分が正しいと思っているとか、自分がこっちのほうに行かないといけないと思っているときは、その人との折り合いというのはある程度つくんですよね、この2人の関係上は。
だから、そこをどうこうしても嫌われるだけなので、じんわりといろんな人を巻き込んで。例えば会議の時に今まで作っていなかった資料をしれっと1枚別添みたいな感じで入れておいて、もっと偉い人が「これ何?」と言うタイミングで話しちゃうとか。そういう場はいろいろあって、みんな同じフロアなので、偉い人にしれっとその話をしたりというのはあって、別にそれは自分として正しいと思った方向に行けば、会社にとってプラスになるなと思ってやっているし、それでもなお、その営業部長が、ここは売らないといけないんですというのであれば、その判断は尊重すべきだと思うんです。
ただ、何もせずにそれは売らないといけないんですというのと次元が変わってくると思うんですね。もう1回この人がしっかり上の人に叩かれて考えないといけないかもしれないし、でも、そこで思い直して、「まあ、そうだな、昔からのしがらみだけなんだよな」というのであれば切ってもらうしかないかもしれないし。
私の答えとしては、ある特定の関係だけだとそれまでかもしれませんが、これもうちが凄くオープンだからかもしれないですが、問題意識を持っているのであれば、そういう会、ミーティングを設けたりしてじわじわと外堀を埋めていくわけです。
根回しってやつですね。
意思決定とかそういった決断を円滑にするために、すごくそれって大事ですよね。
飲み会では根回しできないです(笑)
例えばキーパーソンみたいな人が何人かいるわけですよ。ある人をガッツリ、プッシュしても動かないんだったら、ちょっとフックを変えてみるというのはあると思うし。全部にそこまで労力をかけるかといったらそうじゃないと思いますし、そうする価値がある課題と、そうしてもあんまりコスパがよくないというのもあると思うので。
全部そんなことやったら身体が回らないので、どうしても譲れないとか、ここは絶対こうだなと思うことについては、とことんやっていきたいなという部分で。折り合いつくかつかないか分かんないけれども、そういうみんなの判断のもとで「そうですね」となれば、私も何となく納得するし。根回しというやつですね。いい言葉です(笑)
かなり意思決定に携わっているような印象を受けますけれども、それで社内転職というと、社内転職先というのは事業企画とか経営企画とか、そういう事業部の中の経営戦略つくる部門ということですか?
そのときにUSCPAの資格というのは、社内転職をしようとしたときにどういう評価をされますか、プラスですか、マイナスですか?
うちの会社だと、USCPAを取ってしまうと社内転職は逆にできなくなるんですよ。
管理会計の仕事にも就きにくくなりますし、コーポレートのほうに行くようになるので、管理会計の仕事をしたい人はUSCPAの資格を取っても隠しています。
来期、経営企画のほうに行こうとして失敗したんですけど。。。
何となく都市伝説のように言われている感じです。
取ったほうがいいのか、取らないほうがいいのかって思いながら勉強してて。。
それは、「その会社にいたいですか?」というのもあるかもしれないですね。自分が思うキャリアと、自分が求めている知識とか経験、機会というのがそんなことで阻害されて、不満があるのであれば、今は転職市場の環境もいいわけですし。あと直談判しても良いと思うんですよね。失うものはたぶん何もないと思うので、本当にそれが理由で、そう明確に言われるのであれば、それはおかしいなと感じていると思うんですよ。
それはとことん話したほうがいいと思いますし、それを言って無駄だ、というのであれば、他のところにもいろんな無駄、不合理なこと、納得いかないことがあるんじゃないのって思います。それで縛られるような会社であれば、他にも大切なものを失っていたり、他の力学で決められていることがあったりすると、その仕事とかその会社をすごく好きというのであれば我慢できるかもしれないですけど、そうじゃなくて、もっと自分はこうしたいんだとか、この先にこう考えているんだというのであれば、その選択が阻まれることで失うもののほうが大きいはずですよね。そこは私だったらむかっと来て、ガス抜きに転職エージェントに連絡とりますね(笑)。
今回、ボランティアの話を聞きたくて申し込んだのですが、プロフィールに複数のボランティアをされているとあって、ボランティアを始めたきっかけと、活動内容と、活動の頻度とか、あとやっていてやりがいを感じる、そういうところをお聞かせいただけますか。
これは私の結構ユニークなポイントだと思っていたのですが、私はもともと岡山に3年間いて、岡山の3年間はあんまり社外の友達ができなかったんです。
もともと岡山出身とかでなくて、総合職という感じで採られて、ポーンと地方に送られる、いわゆる一般的なサラリーマンの典型ですが、社内の交友関係は広がりますけれども、いかんせん社外のハードルはすごく高いなと。
そう感じる中で東京へ転勤になって、転勤が決まった次の日に、もう何個かどういうのをやりたいかというのを調べたりして、教育系にすごい興味があって、それはビジネスとしてじゃなくて、これからの将来をつくっていく子どもたちに何かできればいいなというささやかな気持ちです。自分ができることは限られていますが、自分の好きなことで、かつ自分の交友関係が広がるという点で、ボランティアは結構悪くないなと。
東京は日本の中心なので、とてもたくさん選択肢があるんですね。その中で選んだのは、今、中野で活動している団体で無料塾という、最近、都内でも10はないかもしれないけれどもそこそこ増えてきて、経済的に苦しくて有料の塾に通えない人に学習を教えるという団体です。
私は地方出身ですが、東京のような都会はすごく特殊だと思っていて、塾に行くのがスタンダードになっていますよね。塾へ行って当然だから、学校の授業はほぼほぼ回転していませんみたいなところがあったり、全部が全部じゃないですけれども、そういうことを聞いたりして、そういう問題意識を持った立ち上げの方がいらっしゃって、やり始めたという感じです。
塾に通えないというのは、経済的に苦しくて有料の塾に通えなかったり、学校のフォローも行き届かなかったりするパターンで。私の田舎だったら、1人不登校が出たら毎日誰か行ってあげたり、学校の先生が日々連絡とってあげたり、結構ケアがあったんですが。学校ではなかなか手が届きにくい人たち、でも、学ぶ意欲があるという人たちに来てもらう塾を週1でやっています。
対象は中学生です。今日もこの後、行くのですが、大体週1回3時間、6時から9時ぐらいまで公共の施設を借りてやっています。
そこでは、今言ったように、少し経済的に苦しくて塾に行けない子どもが来て、社会人や大学生が、最近は高校生も来たりしてくれて、そういう人たちが中学生に勉強を教えます。
そのレベル感もすごいバラバラで、できる子とできない子の差が激しいですね。できない子は九九も怪しいという子もいます。大体1対1で、20人くらいの子どもたちがいて、20人教える側がいるみたいなイメージです。
ただ、この20人の生徒がすごく暗いかと言われると、全然元気ですね。家庭的に苦しいとかでしょんぼりしているのかと、そういうイメージを持っていたのですが、スマホを持って、僕よりオシャレだし、みたいな(笑)。一見、日本の貧困は分かりにくいと言われていて、相対的貧困という言葉がありますが、7人に1人がそういう状況というOECDのデータがあったりして、見えにくいんですね。
スマホを持ってマックにいて時間つぶしているような子、そんなスマホ解約してやればもっと生活ぶりがよくなって有料の塾へ通えるだろうとか言う人は一部にいますが、スマホを持ってないと完全に友達の輪がなくなったりするんです。その辺が曖昧になってなかなか見えづらいのですが、そういうところに行くとシングルマザーの家庭でなかなか生活が苦しいというような人がいる。それがメインでやっているボランティア活動になります。
ただ、お金のやりとりというのは絶対発生するので、2つやっているうちの1つは、法人格を取っていなくて、完全に人格がないというか、自主的なサークル活動みたいなもので家計簿レベルの話です。そういう団体には寄付してくれる人がいて、そういったお金でいろんなイベントをやったり、そんなに高くないですが、教室料金を払わせてもらったりしているわけです。
そういう人たちに対しての責任、これがUSCPAで言う政府会計とかNGOの会計ですが、その知識が活きています。利益を上げることが目的ではないわけですよ。たぶんやっていったらどこかで利益は出てくると思いますが、その期に得られた寄付金をどれだけ効率よくその期に消費できましたかと。そのお金が余っているようだったら、その寄付者に対して失礼なので、だったら、その寄付者はうちの団体じゃなくてほかの団体に寄付できたんですよ、っていう考えがあるんですね。
FARの中にたしかあると思いますが、そういうのをやっているから私は塾長にそういう話ができるわけです。ちょっとコレ、もらい過ぎですよとか。これだったらほかの団体に回してあげないと、この寄付者の気持ちは社会に還元されないので、うちにこうやって剰余金みたいに溜まっていくのであれば、それはちょっと違うという話とか、その勉強をしていたからできる話だなと思うし、会計の実作業も多少はあるので、それはすごくやっていてよかったなと思いますね。
もう1つやっているのは、同じような教育系の団体なんですけども、今度は高卒認定の試験、ちょっとドロップアウトした人で高卒の資格を取りたいという人たちに勉強を教えるというのがあって、これが事後的にちょっと人足りないので会計とか手伝ってと言われて手伝っている仕事です。
こっちはあまり活動としては関わっていないのですが、会計面からサポートしています。NPOかNGOかどっちか忘れましたけど、法人格を持っていて自治体から補助金をもらっているので、報告を年に何回かしないといけませんとなっていて、なかなかこれが難しいんですね。NPOの会計とか勉強されていくと分かりますが、BSっぽくてBSじゃない計算書みたいのが出てきたりするわけですよ。そういう少し特殊な計算書類を自治体に提出して、補助金を受け取るんですね。もらい過ぎはよくないし、もらわな過ぎだったら持続的な活動ができないんです。その辺の折り合いを代表の方と話しながら進めていますね。
この2つ目の高認の団体のところは、その会計面のサポートがメインで、あまりフェース・トゥ・フェースで会うことはなくて、グーグルのクラウドとかでいろいろファイル共有できるので、編集して、ココこうですよとやったり、証票としてこれ用意しておいてねと言ったり。代表がやるよりも正確だし、代表の負担も減るので。というようなことをやっていて、結構楽しいし、本来私が求めていた色々なつながりもできるので、面白いです。
今日もこのあと、行きますが、東大生が見学に来るとか、研究のフィールドワークの一貫として来てくれる学生もいるんです。普段あんまり関わらないような職種、業種の方や学生さんたちと関わりながら、一緒にやったりというのは楽しいですね。会計で多少自分のスキルも活かしつつ、そういうコネクションも持ちつつというのは、すごくプラスかなと思うし、もともと教育というのが好きというのもあったので、すごく満足しながら無理ない範囲でやっているという感じですかね。
プロボノという言葉が、今ありますけど、ボランティアとして自分のスキルを活かして社会に貢献したいと思う人が増えてきていると一般的に言われていて、そういう自分のスキルを登録するようなサイトがあったりしますよね。普段コンサルやっていて企画書を書くのがうまいという人が自分のスキルを登録しておいて、ある団体からアポが来たり、オファーが来たりというサイトも今いろいろあります。
そういうサイトってうまくできているようでできていなかったりして、やはりゼロからジョインするというのは少し難しいと思いますが、東京だからこそというのがたくさんあると思います。同様のものは無数にあって、その中には怪しそうなやつがあったり、継続性に疑問がつくようなものもあったりして、なかなか選別は難しいかもしれませんが、機会があればうちでも来てもらえればウェルカムですよ。うちは横のつながりもあるので、教育系、大体都内だったらある程度代表同士がコネクションとっていたりするので、何か聞きたいことが、あとでぜひ。
ありがとうございます。
来ている子たちというのは、意欲は高いというか、勉強したいという感じですか?
一概には言えないですね。そこはどっちかというと、勉強を教えて点数が伸びるというのは一義的な目的でもありますけれども、家庭環境が難しかったりすると、外部と接点があるということがすごく大事だったりするんですよ。
今まで学校にも行けていなくて、普段接する大人はお母さんだけという子どもは、すごく難しい精神状況に陥ったりもするので、「そこに来てくれて、友達ができる」というところをまず目指していますね。その中で受験も迎えないといけないし、はっきり言って受験がないような学校、チャレンジスクールとか都内にあると思いますが、場合によってはそういうところの進学を勧めたりしますね。
勿論、学習意欲が高い子もたくさんいますけれども、一方で、なかなかそういう学力とか、難しい境目ですけど、障害みたいなところも若干あるんですね。一般的に言う注意力がなかなか続かない人、有名人でも時々カミングアウトしたりしていますけれども、そういう人もいるので、その線引きは医者でもないし分からないですけれども、やはりここに来て、大人含めて友達ができて、3時間ここにいれば、知っている人がいて楽しい会話ができて、お菓子が食べれます、というのが、まず一番ですね。その中で彼らにとってプラスになればいいなと思うし、うちの団体も、私が来たのは2年半前ですけれども、何回も卒業生を出して、6年目とか5年目になっています。
「ちょっとこの子受け入れてくれない?」というような区とのコネクションもあります。うちが駄目だったら、うちの代表が知っている無料塾に電話をかけて、受け入れてもらったりもします。普通に生活していると分からないですけれども、そういうのもあるんだということで、それに対して私がマザー・テレサのような気持ちを持ってやっているかというと、そうじゃなくて、生徒と接する中でこんなピュアな時代も自分にもあったんだな(笑)とか思いながら、そういう機会は大切だなと思ってます。
様々な業種の人と話す機会もたくさんあるし、そういうところの自分のメリットが大きいかなと。だからこそ、2年とか続いているのかなという気はしますね。
探すときに、会計の知識を生かせるところという観点で、というのはあったのですか?
会社の中で、経理の中で電子化というのはどんな状況ですか。
全般的にですね。
うちはシステムに強い会社だとは全く思っていなくて、基本的に大きな会社になればなるほど重たくなるんですよね。例えばこのソフトがすごく優秀だからこれに乗り換えたいというのがあったとしても、文句を言うところがたくさんあったりして、うまくいかないというのがあるので、基本的にあまり進んでいる体制になっているとは思ってないです。どっちかというと最近出てきた会社のほうが、小ぢんまりしていて、最新のソフト使ってというのは絶対あると思いますね。
一応、社内の標準システムというのは整備されていて、大体の基本はSAP社のシステムを使っています。それで会計のデータは誰でも権限さえあれば取れる状態です。物流データ、購買データ、原材料、全てのデータをそのSAPから引っ張り出せるので、その点は一元的に表面上は管理されているかなと思いますが、アウトプットしたデータは必ず誰かが加工しているんですよね。
見やすいようにとか、自分の事業の実態に合うようにとか。若干いろいろな人が作業的なところをやっているのかなと思います。これが基本的なシステムのところで、あとは経理で電子化というと、今、流行りなのは、証票とかを全部PDFにしてタイムスタンプ押しましょうというのがありますが、今、進めているかなという感じです。今までは原始的ですけれども、紙で偉い人のサインがある、ないとかでやっています。もちろんそれは紙ベースで、データはシステムにつながるのですが、えらく紙が多い会社と言われていますね。
それもコンサル入れて、いろいろ他社に比べてどうなの?とかやってもらっていますけれども、紙は物凄く多いと言われます。最近、オフィスが移転したんですけど、そうしたらオフィスが狭くなって、捨てないといけませんねと(笑)。動機はどっちが強いか分かりませんが、そこで一切合切いろんな人が捨てようと、ペーパーレスにしようと言って、例えばうちの経営層の会議とかもタブレット端末を使おうという流れになっています。
ペーパーレスとか電子化を進めると、セキュリティ面でなかなか難しいところがありますね。あと偉い人のマインドセットと言うとあれですが、その会社の文化というか、紙は多ければ多いほどいいみたいな、会議とか行くと本編と資料編、資料編がものすごい量であったり、「絶対コレ、会議中使わないでしょ」みたいな。でも、これに意味があると思う人が時々いたり、全ての問いにその場で答えられる、偉い人が言う質問はここを見れば分かりますとか。
そういったことが今でもあるので、古い会社だなと思いますが、それを無駄だと言える文化が結構うちにはあるので、そういうのもくみ取って提言したり、資料の枚数を減らすとか、会議の回数を減らすとか、あとは社内スカイプとかがあるので、わざわざ会わないでいいでしょ、出張行かないでいいでしょ、というのもあります。
我々若手世代は全く抵抗なくて、私は6年目なのですが、プラスマイナス5年ぐらいの年代は抵抗なくやっているので、これが進んでいくとそれなりにスマートな働き方は増えてくるのかなと思いますね。
それと最近は、仕事のリモートワークとかも結構やっていたりして、会社じゃなくてもできるよねというのもあるので、比較的柔軟、だけど母体が大きくてスピード感は微妙って感じです。でも、それはやむを得ないと思いますね。
人が要らなくなっていくなという感覚ありますか。
偉い人は、紙でハンコを押すのが仕事だと思っている人も中にはいらっしゃるんですよ。
内部統制上そう言われますね。
外資も結構ありますよ。ハンコというか、サインですね、どっちかというと(笑)
そういったこともあるけど、うちの会社結構RPAとか入れてます。人をいなくするというのは難しいので、再教育してその人の適性に合わせた仕事を振るという、簡単な仕事は基本的にロボティクス使ってどんどん自動化していくという傾向にありますね。
あれは近い将来すごい力になると思っていて、導入している企業は結構あるんですね。
コンサルでもプロジェクトがいっぱいありますよ。
そうですね。ただ、あれも基本的に人が作るものなので、IT化とか、情報システムの例えばSAP入れるというのと変わらないんですね。ただ簡単に、経理担当者でも簡単につくることができるという感じですね。
そうです。投資額も低いし。
そうですね。
今、何か勉強されていることはありますか?
全然話が変わりますけれども、心理学の勉強を最近しています。理由はいろいろありますが、単純に興味があったというのと、意思決定というのはとても心理的な要素が強いんです。数字じゃなくてそれまでのシチュエーションとか、別にマインドコントロールとかいうのは全くないですけれども、そういうのは意外と感覚的には分かっていて、例えば人間は損のほうを多く見がちだとか、いろいろな考え方が心理学にはありますが、そういうところを学びたいなと思って、心理学の勉強をちょっとやっています。
それも勉強のしやすさという環境が大事なんですね。何がよかったかというと、放送大学で勉強をしていて、あれって安くて、ちゃんとした教材が届いて、ちゃんとした講義をしてくれるんですよ、ネットで。時によっては実験とかも開催されていて、その実験に参加したり。
実験?
心理学実験みたいなやつです。例えばパーソナリティ検査というひたすら数字を書くやつとか、自分の傾向、どういう傾向がある、ストレス耐性が強いとか、ああいう検査をやっていたり。そういう意味で、その放送大学、これも資格みたいなターゲットがあって自分にとっても学びやすい、体系的に学べるかなと思って。
一番有名なものは臨床心理士という資格があるのですが、臨床だから、患者さんと対面になってカウンセリングとか、それが心理学系では一番権威のある資格で、私はそこまで必要ないので、入門編のような資格を目指してます、認定心理士というまた厳かな名前の、すごく格好いいやつ(笑)、そういう資格があって、それは取りやすくて、受講期間とか何もなくて、単純に授業を受けて、何単位以上取るとその資格がもらえます。
その何単位以上という中には、すごくバランスがよく、臨床の分野から何単位、社会心理学の分野から何単位とか分かれていて、一通り心理学を学んだという証しになるような、それも資格が欲しいわけじゃなくて、バランス的にいろんな心理学の分野から学べるようにカリキュラムが組まれているので、それにのっとる形で勉強をしている感じです。
放送大学は公立で、安いんですよね、国がやっているから。最近の日経の社説にも、「もっと放送大学を活用したらどうか」と書いてあったりしましたけれども、やっている身からすると、コスパはいいなと。その中で、心理学に限らず、いろいろな科目があるんですよ。1単位から取れて、何と学割も適用できるんです。学生証もらえるんですよね。美術館でも安くとか。一番いいのは、Amazonスチューデントに登録できて、えらい安くて(笑)
裏技的な。
ネットにまとめサイト的なやつがあって、読んでみると楽しいかもしれないです。コスパはそういう意味でもよくて、あと心理学をやっている中で、例えば危機心理学という分野があって、うちは製造業なので、危機のときに人間はどういう判断をしやすい、どういう癖があるかとか、何だかんだ知っておくのは悪くないかなと。資格というよりは、バランスよく学べるカリキュラムにのっとって学習しているので勉強を進めやすいですね。
今は会計系の勉強はあんまりしてないかもしれないですね。でも、持続的にというと、会社でとっている経営財務とか税務通信とか、そういう業界紙みたいなものはもちろん真剣に読みますし、あとは化学系の業界紙とかも読みます。日経も業界紙かもしれないですが、日経もしっかり読むとか、それは普通にやっていることなのかなという気はします。皆さんはまず、USCPAですね。ぜひ、頑張って合格して下さい!