経験がなくても、勉強しているというのはひとつのアドバンテージ


第135回 USCPA CMレポート ~外資系企業経理/FP&A特集!~

実施日: 2017年6月18日(日)
【Guest】 あだ名 コバヤシさん (女性)  USCPA

USCPA合格者紹介

大学卒業までは全く英語がダメだった自分だったが、卒業目前に急遽海外に対する憧れが湧き、就職をせず1年間カナダでワーキングホリデーに行ってしまった。帰国後も経理担当として外資系企業を中心に複数社にて勤務、その中で海外勤務を経験したり、アメリカでインターンシップをしたりと、転々とした。

自分の中では一社に留まるよりも色々な会社での経理を見る方がスキルが広がると感じていたが、日本では転職回数が多いと印象が悪い事を痛感。せめて資格を取ってレジュメの見栄えをよくしようとUSCPAを取得。

資格取得後は管理会計への興味が湧き、現在外資系エンタメ会社にて1セクションのファイナンシャル・ディレクターとして予算達成の為の数値面で現場へのサポート、指示を行なっている。

Q&A

  • ゲスト
  • 参加者
  • 司会

USCPAを持っていることで何か評価が上がったり資格手当があったりしますか?

評価が上がるかというとそういうことはないですね。今の仕事では何も変わっていません。一般企業はそういうところが多いようです。

監査法人の場合、絶対条件ですので、持っていないとダメですよね。よく言われるのが、同じレベルの人が応募してきたときにやはり資格を持っている人が選ばれると思います。転職市場とかだとそうなりますよね。

ずっと外資系企業で働いているとのことですが、何か理由はありますか?

最初に外資系企業に入ったので、なかなか戻るきっかけもなかったというのがありました。外資系は転職回数を気にされたりとか、長く勤務しているからどうということもなくて、わりと何度も転職回数をしている人が多いんですね。

それに対して、日系だと応募の段階で転職回数が少ない人とか、そういったことがあって受けてもダメかなというので応募自体していないです。アビタスで勉強していた時の勉強仲間で日系企業に働いている人がたくさんいましたが、やはり話を聞いているとカルチャーが違うなというのを感じていて、私自身はやはり外資の自由さが気に入っています。

一般的に言われるのは日系企業は堅いとか、上司と部下の関係の話とか、、言われますけども、私がいた会社だと立場に関わらず意見ができたり、ポジションによってどうこうというのがなかったので、今後も外資系しかないなと思っています。

会計の資格を取るとメーカーで働いていた人だと視野が広がるというか、今まで考えていなかった業種とか、監査法人なにかも検討したりしなかったのかなと思うのですが。

もう少し若ければ監査法人へトライしたんですけども、通常、監査法人を経験してから事業会社に出る方が多いと思うんです。

監査法人って教えてくれる環境もあって、育ててもらえる環境なので、入り口として監査法人って良いかなと思ったんですが、私の場合、USCPAに合格した時点で何社か経験していて、ここでわざわざ監査法人に行かなくても良いかなと。説明会に行ったりもしたのですが、ここでもう一度、ジュニアからやる意味ってあるのかな、と感じてしまって、監査法人は選択肢からなくなりました。

私は今、育児中で、まもなく産休明け転職先の選び方ってどのようにするのが良いのかなと思うのですが。

人によって優先順位が違うと思うんですね。キャリア優先か、家事・子育て優先か、その時の状況によっても違うと思うんです。そこで自分にとってどちらかというのが決まれば、その後についてくると思うんですね。

私の場合は夫が家にほとんどいないので、育児はやらなければならない状況なので、育児優先という見られ方になるかな、とは思います。ただ育っていったら、もっとキャリアを深めたいと思うので、方向転換するのであれば、今のうちかなと思っています。

私も今、人を採用する立場だったりもするのですが、女性の場合、時間の制約がある方がいらっしゃるのですが、経理の仕事って人員が足りない会社だと残業が増えるとか、難しいところがあるかもしれませんが、そのときによって働き方って変えられると思うんですね。

一般経理で言うと経理の中でも部署がいくつかあって、その中で担当が分かれていて、経理の一部分だけを担当するようなところで、お子さんが大きくなるまでそこで経験をして、お子さんが手を離れたらもっと全体を見る立場になるとか、働き方を変えることが出来る仕事なのかなと思っています。

それに対して、どちらかと言うと私がやっているFP&Aの仕事は事業部全体を見るので、時間的に融通が効かないというところはあります。そういうところは今の環境では難しいかなというのはあるんですが、何もずっと同じ仕事を一生しなきゃならないわけじゃないですし、限られた時間の中でも経理というところにタッチして、経歴を積んでおくというのは、次に繋がると思うので、全く違う仕事をされているのであれば、入口として、派遣とか契約社員でもやっておくというのは良いのかなと思います。

入口としては、資格を取る前からでも、求人でよく出ている会計事務所の時短での仕事からが良いのかな、と思うのですが。

そうですね。早い段階で携わるのは良いかなと思います。勉強と実務は全然違うので、そこの環境に入るのは大事かなと思います。

経理とFP&Aの違いがよくわからないのですが、FP&Aという仕事そのものについても教えてもらえますか。

BECを勉強すると出てくるんですが、会計は大きく分けて、財務会計と管理会計とあって、財務会計は一般的に経理と言われるところで、仕訳をして、最後に決算書を作るという仕事ですが、FP&Aは、Financial Planning & Analysisの略で管理会計をやっています。

ざっくりいうと管理会計は将来の数字を作る仕事で、財務会計は過去の数字を作る仕事だと思います。経理はどんな規模の会社にもあって、経理の人数は違っても、会社というのは決算書を作らないといけないので、必ず仕事としてはありますよね。

それに対して、FP&Aというのはそもそも部署が無いですというところが結構多いと思います。
事業企画とか経営企画、経営戦略という名前の部署かと思いますが、具体的には、経理は起きた事象を数字に落とし込む仕事で、FP&Aはその事象もしくは数字になっていない事象を元に将来の予測を立てて、現場にアドバイスをして、意思決定に関わっていきます。

もっというと予算の策定とか、5年、3年などの計画を数字に落とし込んで本社にレポートをしたり、予算が決まると当然、会社としてはそれを達成するために日々、事業をするわけなのですが、その予算に足りていない時、数字を元にアドバイスをするのが仕事です。

メインの仕事相手というのは、上のほうの方ですか?

両方になりますね。数字を作る現場の人に対しては、会社の下した意思決定に対して、「こうしたメッセージがあって、こういう予算を作っています。

だから会社の方針はこういうことです」ということを伝えますし、逆に現場がこの数字を達成する為にどうすればよいかという話をするので、一番密なコミュニケーションをとるのは、現場の営業だったり、ディレクターだったりするのですが、当然、予算を作るフェーズでは、本国がイギリスなのでそちらとのやりとりですね。

現場からボトムアップした予算と本国からトップラインで落ちてくる予算があるので、そのすり合わせを間に入ってやりとりをします。本国もしくは事業部ごとにファイナンシャルディレクターがいるので、その人達とか日本の経営陣と数字のすり合わせもしていきます。

私が経理をやっていたときよりはだいぶ関わる人が増えましたし、経営に近い人と関わることが凄く増えました。

本国とテレビ電話はしますか?

今はメールで済ませることが多いですね。

英語を使う割合はどのくらいありますか?

会社によりますね。今いるところは使わないほうだと思います。
外資と言っても、日本のオフィスは日本人がほとんどですので、社内のコミュニケーションは日本語になりますし。システムとかメールなど、読み書きについては英語が多いですけど、話すとか聞く機会は少ないですね。
前にいた会社の時は上司が外国人だったので、日常会話が英語というときもありましたね。

USCPAを学習開始する時点ではあまり英語が好きではなかったと言う話がありましたけども、ある程度の英語力はあったんですよね?

あまりできなかったと思います。今もそれほど得意ではないですけど、ヘタでもわかってくれるんですね。
ですので、あまり気にはしません。それほどキレイに英語を整えなくても仕事は回ります。

外資系というとランチに行っている間にクビになっているという極端な話も聞いたりもしますけど、その厳しさとか、評価はどのように感じていますか?

業界によって違うとは思いますね。

私の知り合いがいる金融とかだといきなりクビにされたりとかは聞いたりしますけども、私がいた業界はそこまででもなかったので、びっくりするような人事はなかったです。

合併があるときに人がごそっといなくなるとか、事情はわからないけども、いきなりレイオフとかはありましたけど、それは外資だからかどうかはわかりませんね。
クビにはしないけど、全然関係のない部署にいきなり行かせるというのはありますかね。

ただ仕事ができる人を理不尽に辞めさせたり、異動させたりすることは100%無いですね。
程度の差はあれ、自分がきちんとできていれば、そこの心配は無いと思います。

外資だとバックグラウンドが無い人の採用はあまり無いんじゃないかと思うのですが、経理からFP&Aへの異動というのはFP&Aの実務経験が無くても可能なのでしょうか?

可能かどうかという意味では可能だと思いますね。そうした経験があるに越したことは無いのですが、全体を見て、人をマネージメントするような立場であれば、経験を求められますけども、最初は誰だって未経験だったわけですから、ジュニアのポジションが必ずありますし、会社の中でもそういう人が欲しいというときがあるので、未経験だからNGということは無いと思います。

それと経理とFP&Aというのは仕事自体が繋がっているので、経理のバックグラウンドがある人だと評価してもらえると思いますね。
それと経理って大きな企業で細分化されていて、その中のひとりだと会社全体のP/Lってある程度のポジションの人じゃないと見れないと思うのですが、FP&AというのはP/Lの上から下まで見る感じなので、どちらかというと経理のポジションでも一人ですべてを見ている人のほうが入りやすいかなと思います。

本社がUKということですが、USCPAとのギャップを感じたことはありますか?

ほぼ無いですね。

UKだとIFRS基準ですか?

そうですね。おそらく経理部の方だとそれなりにはあると思うのですが、FP&Aをする部分ではUSとかIFRSとかって関係は無いですね。

勉強した知識を使えているな、というときはどんな時ですか?

勿論、仕事の経験がなかった人がこういう勉強をして、仕事をするとすごく役に立ったと思うのですが、私は勉強する前からこの仕事をしていて、知識があったので、正直なところ、新しく役に立っているということは無いのですが、アビタスで一緒に勉強していた友達が同じタイミングで合格をして、経理をやっていなかった人が外資の経理に行ったんですね。そうするとその知り合いは、「勉強していたことがそのまま活かせて凄く楽しい」って言ってたんですよね。

だから、私としては「そういうものか」って感じで(笑)あまり新鮮な部分はなかったですが、BECのところで、在庫の最適なオーダーのポイントというのを勉強するんですが、実務とはかけ離れてはいますけども、試算するときにちょっと思い出して使ったりもします。あとは、リスクの分散を勉強したときにポートフォリオ・マネジメントをBECで勉強したんですね。それをうちのビジネスにそのまま適用は出来ないんですが、無理やり当てはめて試算をしたことはありました。そんな風にちらほらあったりはします。

FP&Aというのは、会社の評価の基準はどのようになっているのでしょうか?

会社によって評価基準が違うというのがわかったのですが、うちの場合には、その事業部のサポートをしていて、予算が決まったら、そこに対して何%かなので、基本的にはEBITDAが100%なんですね。年間の私の見ている部署のEBITDAの予算が幾らって決まったら、そこに対してどのくらい達成したのか、しなかったのか、ということが評価対象になります。

UKの本社からのトップダウンできたものとボトムアップで積み上げたもののバランスを見て、達成できる予算を作らないと自分で自分の首を絞めることになるわけですね。

そういうことですね。私の会社は数値評価という部分ではそこの評価が一番重くて、勿論、KPIの指標がいくつかあって、事業部の予算以外にも何個かあるんですけども、とにかくそこの数字の比重が重いです。自分の事業部の評価を良くする為には予算を低くく作るというのは良いんですが、一方で会社としてこうあるべきというのがあって、流石に右肩下がりの予算を作って良いってことはないですから、成長するという線を描かないとダメですよね。

周りに聞くとわりと緩いプランが本国からOK出ることもあるって聞く事もありますし、絶対達成できない数字が毎年来て、毎年未達成で終わる、というところもあるみたいですね。本当にそこは会社によってですし、うちの場合は無理難題を言ってくる会社だと思います。ですので、現場からは「とにかく低くしてくれ」と言われてしまうところがありますね。現場はやっぱり数字はわからないので、経理の人と話すわけではない難しさがあって、言語が違うって感覚があります。

忙しさ的には繁忙期とかありますか?

これは会社によって違うと思いますが、うちの場合、社長に報告するのは毎月あって、海外へのレポートは3ヶ月おきで、専門のフォーマットで送って、送ったら質問がくるので、そのレポート月は忙しくなります。毎月のフォーキャストはそういう形でやるんですが、7月からは来年度の予算の話が加わってくるので、予算が決まる9-10月までの4ヶ月間くらいは凄く忙しくなります。

プラン会議を現場とやって数値に落として、社長に報告したら、色々と言われて、また現場に戻し、何度もP/Lを作り変えて、社長からOKが出たら、海外へ投げて、そうするとまた海外から指摘が来る、という事のやりとりを3ヶ月間やっていく感じです。このように来年度の予算をやりつつ、毎月のフォーキャストと今年度の予算達成のための施策を考える時期が一番忙しいですね。いわゆる経理みたいな月次、年次の時期が忙しいというのとはまたちょっと違うと思います。

働き方改革というのが今、ブームみたいになっていますが、そのあたりはどうですか?

私が外資で良いなと思っているところは時間が凄く緩いというところで、わりと時間管理は本人任せで、皆、10時位には来るんですが、何時間抜けても誰も見ていないですし、昼も何時に行っても大丈夫ですね。

ただ仕事が終わらなければ、家に持って帰ろうが、深夜までやろうがお好きにどうぞ、って感じです。私は忙しいときは物凄く仕事をするけど、そうじゃないときは休みたい、という感じなので、こうした働き方が良いな、と思いますね。

与えられた仕事をこなせれば良いという感じですかね。

そうですね。一時期、仕事が多すぎて、土日も仕事をしていたときがあったんですが、自分の能力が足りなくて、出来ないのであれば仕方ないのですが、そもそも分量が多すぎて、そうしたときは上司に話して、適切な割り振りに変えてもらいました。そういうことも言い易い環境で働きやすいですね。

うちの会社だと他の担当の人のサポートとか、溢れてそうなときにもらったりするのですが、そういったことはないのでしょうか?

あまりないですね。責任という意味で人に転嫁できなくて、事業部が別ですので、人にやってもらっても責任を持てないので。
単純に時間管理が今の分量と自分の仕事内容がおかしいなと思うと自分から上司に話す、ということ以外には方法が無いです。

上司が吸い上げて、また振り分ける感じですか。

そうですね。具体的にはアシスタントを一人雇って、別の事業部の誰かに仕事を振るというより、単純にヘッドカウントを増やすという形にしました。なかなかそれは縛りがあるので、会社によっては難しいところだとは思うのですが、わりとそういうことが通る会社ですね。

ただ単に忙しいとは言わないで、全部、業務の棚卸しをして、それぞれの業務に時間を書いて、一日あたりにしたら、どう考えてもひとりじゃ無理ですよね、というのを上司に出しました。

経理部のときも同様でしたか?

経理にいたときのほうがまだ上司が時間の管理をしていましたかね。今はひとりで自分の事業部を見ているので、そうしたところは経理よりも難しいところがあるかと思います。

外資とか、外国人って仕事の線引がはっきりしてますよね。

そうですね。ジョブディスクリプションを重視しますね。そこに書いてないことは絶対にやらないです。日本というのは、そこを曖昧にしているから、良くも悪くもありますよね。

日本人が外資系企業に採用されるときもそのような感じですか?

決まってはいますけども、サインしたときにこれしか書いていないから、やりません、という人は見たことがありませんね。

細かく書いてあるんですか?

そうですね。ただ経理だったり、FP&Aの仕事って細かく書いても、「この業務って書面にしたら、どこにあたるのか」というのが完全にマッチしない部分もあるんですよね。

そうした文化ってどう思われますか?

単純に本当にその人が結果を出して、ポジションが上がっていれば、正当に評価されているので、良いことだと思うんですね。日本で言う年功序列と違ってフェアな評価のされ方なので、良いと思います。

逆にやり方が上手い人っていて、上司に対してアピールが上手い人ですよね。上が変わると部下も変わって、人事も変わるんですけど、その人に対するアピールの仕方で変わるって、そうしたところは本当の実力とマッチしていない場合があるので、日系企業のやり方もそこがフェアかというと人が人を評価するのって限界があるので、良いところと悪いところがどちらもあるかな、とは思います。自分にとってどっちが合っているか、ですかね。

未経験のひとが入って来た場合、どのように教育をしていくのですか?

今のところ、全く未経験の方は採用していなくて、経理の経験があるとか、CPAの勉強をしているとか言う人をポテンシャルで採用しているのですが、教え方はいろいろですけども、一から十まで教えるということはしていなくて、自分で考えさせるというのと考えた結果を説明させるということをやっています。

それが仮説に基づいて、論理的思考力を養うという事をやっています。したがって、「一から十まで教えてください」というスタンスだと務まらないかもしれないですね。

FP&Aの仕事をしていて、一番楽しいと感じるところはどんなところですか?

現場に近いところにいられるというところで、私は経理部内で数値を積み上げるよりも現場の人と話すほうが楽しいので、そうしたところですね。

それと一番の醍醐味は、予算に対して、現場と一緒になって数字を良くしようとして、達成できた時とか、ひとつのプロジェクトにしても、当初立てた目標と仮説に対して、アクチュアルが良かったときとか、達成という意味で数字が上ブレることは凄く良いことなんですけども、ズレの幅が全部のラインで小さいときにうれしいですね。

逆に外すと本社から詰められて、理由を書かされるので大変なんですよ。

働いていく中で、どんな担当者の方と密に連携をされていますか?

事業部の中には制作するディレクターがいて、マーケティングの宣伝販促の担当がいて、そして、事業部の外に営業の部隊があるんですが、その営業の人ともコミュニケーションを取ります。

プロジェクトごとに各部署から人がアサインされて、部門全体を取りまとめているマネージング・ディレクターというのがいるので、その人が事業部のヘッドになりますね。

そのマネージング・ディレクターとも数字の共通言語が違うと感じる場合がありますか?

それはありますね。どうしても事業部のヘッドは現場で評価された人がなる場合が多くて、現場あがりなんですね。そうなるとやはり数字の知識はそこまで無い人が多いですね。

他の業界もそうみたいで、数字に強い人が事業部のトップになることはなかなかないですよね。大きい会社だと教育がちゃんとされていて、ある程度のポジションに就く方には必ず経理の知識を社内で教育して、知識をもたせることもあるとは思うのですが、うちはそこまで出来ていないので、一緒に仕事する相手が数字に弱い人に当たっちゃったら、ひたすらその人を教育するって感じですかね。

上がそうだとさらに下はもっとですしね。最初に売りよりも利益が大事か、ということをひたすら砕いて柔らかい言葉で説明するかですね。

FP&Aの仕事をしている中で、コンサル的な要素があれば、教えて頂けますか。

そういった要素はとてもあると思いますね。自分の担当している事業部であったり、会社の予算をいかに達成させるか、業績を上げるかが最終目的ですので、その為にどこをどうすれば良いかというのを現場とか、現場の上の統括している人に対して数字のアドバイスをするわけですね。

当然、意思決定をするのは、社長だったり、事業部のヘッドだったりするんですけども、意思決定するための情報というのはコチラからしか出ないので、数値面のアドバイスというのは100%、コチラからの情報です。

そこには勿論、信頼関係は必要ですが、そこに信頼関係があれば、「この人がこう説明したから、こうしよう」と動きますし、そういった意味でアドバイスすることで意思決定に携わるのでコンサルに近いイメージだと思いますね。

それは具体的なアクションを提案するんですか?それともある指標があって、それを元にするのですか?

それはどちらもありますね。とにかく今の現状と今までの流れでこういう状況になっている、というのを単純にP/Lに落としただけだと全然わからないので、そうなっている原因まで細かいメッシュへ落とし込んで、この数値のココが悪化している理由を挙げるんですね。

それを現場に改善させる場合もありますし、コチラで思い当たる改善点があれば、提案することもあります。でも、100%ではなくて、わかるところまで提案して、宿題にする場合もあります。

それは過去の事象に基づいて改善するというポイントですが、一方で将来的に数値のアドバイスをする場合はすべて仮説の話なので、仮説で数値を作った上で、もしくは過去3-5年の事象を見て、将来こうなるであろうという仮説を立てます。

その仮説を出したときにそうすると今やっておかなかればならない改善ポイントが出てきて、それを提案します。それも一方的なものではなくて、双方でやりとりをしていくことになります。

お互い答えが無かったりはしないんですか?

そういうときもありますね。その時はお互い、課題として持っておいて、ずっと考えている感じです。それがある日、ふとフィードバックがきたりすることもありますね。

これって必ずしも悪いときばかりじゃなくて、良い数字が出た時にも勿論、細かいところまで落とし込んで原因を探っていきます。

今の仕事は内勤ですか?社外の人と仕事をすることはありますか?

ほぼ内勤ですね。外に行くことは殆ど無いですね。

社外の人との関わりもほぼ無くて、人を採用するときにエージェントの人と打ち合わせはありますけども、FP&Aの仕事を通して、外部の人と関わることはまず無いですね。おそらく経理の人も殆ど無いと思いますね。

現場から嫌がられる立場じゃないかと思いますが如何でしょうか?

私の立場は経理ではなくて、どちらかと言うと現場の数値を達成するためにサポートしている立ち位置なので、それほど嫌がられるポジションではないですね。

嫌なことをたくさん指摘しなければならないんですけども、それはその人達の評価に繋がるし、数値を上げる為にやっていることなので、耳の痛いことだけど、理解はしてくれています。なので、その部分では煙たがられる存在ではないかなと思います。

ただやはり自分たちがどうしてもやりたいことなのに数値的にNGが出ちゃうときにコンフリクトみたいなことは起きますけどね。基本的には一緒に売上・利益を作るためにやっているという感じだと思います。
逆に経理でやっていた時のほうが事業部との壁があってお互い関与していなかったところがあります。

自分が転職をするとなると未経験からの転職になるのですが、もし未経験の人を採用するとなった場合、どのようなところが採用する際のポイントになりますか?

経験なくても、勉強しているというのはひとつのアドバンテージだと思いますね。「何もやってないけども頑張ります。」と言われても、根拠がなさすぎて判断のしようがないですが、勉強している、合格している、という事であれば、そこでベーシックなスキルがあると考えられるので、それだけでもやろうと思ったゴールに向かって達成できた人というのは評価をしますよね。

これからの取り組み方については経験がなくて、これから場を踏んでいくしか無いので、仕事に対して、自分がどれだけ積極的に入っていけるかというのとわからないことに対して、どのくらいわかろうとするのか、その意識のレベルになります。

未経験の人の評価ポイントはどのくらいのポテンシャルがあるかというところだと思うので、具体的にやる気を見せるということしか無いのかなと思いますね。

将来的なイメージはどのような感じでしょうか?

経理を辞めて、FP&Aに移ってこの仕事が出来て、本当に良かったと思っています。ずっとこちらかなとは思っていますが、より経営戦略とか、より経営陣に近いところで仕事をしていきたいなと思っています。

皆さんも頑張って合格して下さいね。

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