外資に限定するのであれば経理よりFP&Aのほうがつぶしは利く


第160回 USCPA CMレポート  ~外資系企業FP&A特集!

実施日: 2020年1月11日(土)

USCPAゲスト紹介

カカシさん(男性) USCPA


ゲスト紹介

大学時代は経営、経済系には全く関わりがなく、新卒で入社した会社で経理部に配属されたのがきっかけで簿記や会計に携わる。
その後、帰国子女というバックグラウンドと英語力を活かしてグローバルな環境で働きたいと考え、日独の合弁企業、米系食品メーカーを経て、現在は米系家電メーカーの日本法人でFinancialPlanning&Annalisis(FP&A)を担当。
USCPAの受験を決意したきっかけは以前の職場の上司に、外資系企業で働く上ではCPAの資格を持っていて損はしないと勧められたため。
現在は日本にいながらグローバル組織に所属し、アメリカ人はもちろん、ベルギー、オランダ、オーストラリアなど、各拠点のメンバーとコミュニケーションを取りながら仕事をしている。

    • USCPAゲスト
    • 参加者
    • 司会

Q&A

まずは大学卒業後から今までの経歴を伺えますか。

今働いている会社の本社はアメリカのボストンなのですが、日本支社には大手家電量販店さんに製品を卸す営業部隊がいて、そこの専属でFP&Aの仕事をしています。現職は4社目になるのですが、最初は日系の家電メーカーに入り、工場に配属され、その後、工場の経理部の固定資産管理を専任でやっていました。すごく大きい工場でしたので、固定資産担当が財務部に2人、専任でいる形で、固定資産の記帳と、決算のときは実際の物を現物チェックして、というようなことをしていました。

そこで2年くらい働いた後、1回目の転職をして、日本とドイツのジョイントベンチャーのエンジニアリング会社に入り、そこには約7年いました。最初は一般会計や経費伝票のチェックから入り、徐々に決算の主計のところをして、一通り決算のプロセスをこなせるようになった後、もう少し事業企画に近いところで予算編成や予算と実績の管理を担当しました。

その会社は日独の合弁メーカーだったのですが、どちらかというと日系企業の色が強く、あまり実践で英語力を生かす機会がありませんでした。そこで本格的に外資系の道に進もうと決めて、2014年に米系の食品メーカーでFP&Aを3年やり、その後、3年前に今の米系家電メーカーに入社しました。今は完全にFP&Aの専任で予実管理と予算編成を主にやっています。

最近多いのがビジネスケースのシミュレーションで、例えばキャンペーンの企画段階で、費用が大体いくらかかって、それに対して見込まれる売上と利益を計算して、ビジネスジャッジをするための資料を作ったり、実際のディスカッションに参加して、やるべきかやらないべきかという意見を出すこともあります。

最初の転職は、入社から割と早いタイミングで、すごく勇気が要ったのではないかと思うのですが。

正直、最初の転職はキャリアアップというよりも、もう少し英語を使う環境に行きたいというのがありました。子供の頃にドイツに住んでいたこともあり、その中で日独のジョイントベンチャーという案件を紹介されて、受けてみたら通ったという感じです。

本音を言うと当時は会社の寮に住んでいて、周りには工場しかない環境に2年いたので、もう東京に帰りたいとなって(笑)。そういう葛藤の中で転職を決めたという経緯はあります。

最初は経理というよりも、英語の面が強かったのですか。

そうです。入社した時点でTOEICは700点ぐらいあってそこそこできるという自負があったので、そこを伸ばしていきたいと思っていました。当時、大前研一さんや勝間和代さんが、今の時代は英語と会計とITだとしきりに発信されていて、経理の仕事をしていく中で、それに感化された部分もあると思います。

USCPAの学習はどのタイミングで始めたのですが?

USCPAの学習は、2015年に始めて、2017年に合格という感じです。

FP&Aというのが具体的にどんなことをしているのか、いまひとつ頭の中でイメージできなくて、その部分を教えてほしいと思ったのですが。

FP&Aは職種としてある程度確立されている分野ではあるのですが、会社によって担当分野はまちまちです。

エッセンスとしては会社の企業価値を最大化することと解釈しています、そのために自分の会計とファイナンスの専門性を使用して、財務指標を活用して予実管理や財務状況のモニタリング、ROI測定、P/Lのキャッシュフローの予測といったコンテンツを提供します。主にマネージメント層の意思決定をサポートするものと私は理解しています。

FP&Aといっても仕事の内容は会社によってまちまちですが、その会社にとって何がバリュードライバーなのかというところがキーだと思っています。例えば、売上予測がキーになる会社の場合は、その予測を担当する場合もありますし、在庫のマネジメントがキャッシュフローを最大化する上で重要だという場合は、そこに対して人的リソースを割り当てる会社もあります。また、広告宣伝費がすごく複雑で、会計処理から予算管理まで、すごくパワーが必要ということであれば、そこにフォーカスしていくような形にもなると思っています。

同じチームというか、チーム単位で動くものなのですか。結構、個人作業が多いのですか。

会社の規模にもよると思うのですが、今の私の環境だと個人作業が多いです。というのは、私は今、グローバルFP&Aというポジションなのですが、日本法人の数字を見ているのが私だけなので、必然的に1人作業が多くなります(笑)。

一方でアカウンティングと資金管理など、トレジャリーのようなところをしている人たちもいるので、グループで言うと5~6人ですね。

それで日本法人全部ですか。

そうです。ですから、そこのチームとはすごく密にコミュニケーションを取って、同じ島で仕事をしています。

モノ自体は、日本で作っていないですよね?

そうですね。もう日本では作っていません。

在庫管理や、そういうところですか?

そうです。基本的には海外の工場で作っていて日本法人はその物を関連会社から仕入れて売るというビジネスですので、要は販売会社です。ですから、そのぐらいの規模でも回せるのだと思っています。

会社の規模はどれぐらいの規模感ですか。

数字に関してはお答えできないのですが、社員数で言うと日本法人は約200~300人です。

FP&Aの仕事について、もう少しお伺いできればと思います。私も日本のメーカーで管理会計の仕事をしているのですが、FP&Aは事業サイドに寄り添って、今置かれている状況の中で、どういう選択肢を取るのが収益に貢献するかを一緒に考えていく、より事業サイドに近い仕事だとネットで調べて拝見したのですが、実際はどのように働かれているのかお伺いできればと思います。

日独エンジニアリング会社にいたときは、数字のまとめ役で、ひたすらExcelで集計して、スライドを作って「どうですか」と言って、駄目だと言われると持って帰ってという感じでした。

一般的に言って、外資のほうがより実際のビジネスに近いところで仕事をする機会も多いですし、逆にそれを求められると思います。

B to BなのかB to Cなのかという会社のビジネスによっても変わってくるとは思いますが、B to Bだと扱っている商材がまず理解できないんですよね。素材やモーターなどと言われても、そもそも何をするものですかと。製品の名前自体が覚えられなくて、現場とのコミュニケーションに困った経験もあって、そういう意味で結果論ですが、B to CのFP&Aはすごく楽しいと思います。

ただコンシューマービジネスは水物ですので、需要予測や新製品の発売のときも、売上予測が本当に分からなくて、理詰めで必死に計算したはいいものの、突然、どこかのメディアに取り上げられて、一気に在庫が切れて、取引先に怒られるという、そういうしんどさがあったりします(笑)。

会社で重要視しているところがそれぞれ違うという話だと思うのですが、その部分は入ったときにこういうスタンスでやるということを、上司から言われるのですか。

そうですね。今の会社はようやく2年経って、3年目に入ったところなのですが、その間に2回ぐらいポジションが変わっています。最初は日本法人のFP&Aという形で入って、そのときはうちの会社は事業部が3つあって、その3つを全部包括して1人で持つというのをやっていました。

その後、1年ぐらい経ってロールが変わって、その前までは日本のCFOにレポートしたのですが、そこからレポートラインが変わって、グローバル直結で営業部隊専任という感じのロールになりました。

変わることがあるのですね。

コロコロ変わります。私の後に入ってきた人で、半年で上司が3回代わったとか(笑)。さすがにその話は他の会社で聞いたことがないですが、そういうケースも世の中にはあるのだなと感じます。

海外の上司の方への報告は、日系にいると上司がすぐそばにいますから、ぱっと話して終わってしまうのですが、どういった報告をするのですか。

まず、毎週月曜日の夕方、向こうの朝にSkypeのミーティングをセットして、そこで1週間、何をするかとか、そういうコミュニケーションをしています。それは数字を作って報告するというよりも、作る過程で例えばこの経費、予算オーバーしそうですとか、そうしたら他を削れないか、事業部に投げてみてくれと。

全体でそのエクスペンスの帳尻を合わせるという感じで作り込んでいきますので、そこはもうその都度、Skypeやメールでコミュニケーションを取っています。

ルーティンとしては月次決算をして、四半期に1回、そういうフォーキャストを作ってというのが主な業務で、それに新投資などをするときには採算計算をするのが一般的な仕事という。

ええ。そうですね。

今までFP&Aの職種で業務をされていた中で、例えばこういうところは日系の普通の経理職ではできない部分だという、ビジネス面でファイナンスの専門性を生かして貢献されたご経験や体験談を伺えますか?

いろいろな意味で一番いい経験だったのは、前職にいたときにグローバルのプロジェクトで、グローバルで同じP/Lのフォーキャストをするシステムを入れるというので、アジアパシフィックの人たちがみんな集まって、シンガポールで1週間、キックオフミーティングをしました。そこからプロジェクトが走りだして。各国それぞれが自分たちのフォーキャストの仕方などを一度説明して、その後に各国のプロセスを標準化しながらシステムに落とし込んでいくというプロジェクトをしていました。

それはグローバル企業ならではですし、日本でグローバル展開している会社も、あまりそういうことはしないだろうなと。もちろん全部英語で、仕事のやり方や文化が違う中で、国をまたいだプロジェクトに参加できたのはすごくいい経験でした。

前職にいる間にUSCPAの勉強を始めたということなのですが、取ってから仕事に活きているなというのはどういうところですか。

スキルや知識という面で言うと、もうFP&Aの仕事をしていましたので、そんなに困った経験はありません。役に立ったというところまで言うと、やはり転職のときにUSCPAと書いてあるのと書いていないのでは全然違いますし、特に採用プロセスに日本人以外の方が入ってくる場合は資格とか、ある程度、品質保証されているというのはありますよね。

教育システムやキャリアステップは、国によってまちまちですから、採用する側もどうやって見極めていいか、ペーパーでは分からないのです。ですから、そういう中でMBAやUSCPAなどが入っているとプラスに働くというのは実際あると思います。

転職されたときに、その部分は結構聞かれましたか。

実際には聞く人もいれば、聞かない人もいます。どちらかというと日本人の採用担当者の場合は、今までの経験、具体的にどうやってきたのかを聞かれます。

外国人の場合は、実際にファイナンスの人が面接に出てくるだけではなくて、逆にビジネスパートナーの人が出てきたりするのです。そうすると「何か資格を持っていますか?」と聞かれて、「USCPAに合格しています」と話すと「おお、そうですか」となるわけです。ある程度、英語ができて専門知識もあるという証明には使えたのではないかと思います。

転職のときにはずっと外資を受けられたとおっしゃっていましたが、日系と外資でUSCPAの待遇は違うのですか。

どうなのでしょう。僕もずっと外資で働いている中でUSCPAを取って、今、日系でどうなのかというところは正直よく分かりません。ただ、一社目にいたとき、USCPAを持っている人は一人もいませんでした。工場経理だからそんなに必要なかったのかもしれないですが、あくまで個人の体験としてはそんな印象です。

海外の上司とコミュニケーションを取るときは英語が必要だと思うのですが、USCPAを取ると会計と英語のスキルを持っているという保証にはなると思うのですが、実際に話したりはしませんので、話すスキルは身に付かないと思っているのですが。

ええ、話すスキルは身に付きませんね(笑)。

ですから英語ができると思われて、英語で話す機会がたくさんあったらどうしようと思っているのですが。

そこは逆に英語で話す中に飛び込んでいかないと上達しません。最初は本当にきついと思いますが、それを経験しながら何とか。

ある程度、下地はありますので、そういう環境で慣れていくといいと思います。それはUSCPAに限らず、どんな仕事でもそうかもしれませんが、理論と実務の差は結構ありますし、特に英語に関して言うと、同じ英語でもインド人が話す英語とシンガポール人が話す英語とアメリカ人が話す英語と、全然違うわけです。

そこはもう実地で学ぶしかないと割り切って、もしそういう志向があるのでしたら、USCPAという資格を使ってそういう環境にダイブしてみるのも楽しいかもしれません。

最初の2社のときは主に経理で主計などをされていたと思うのですが、そういう経理の業務、いわゆるアカウンティングの業務と比べて、FP&Aのほうがもっとビジネス寄りだと思っていて、経理だとルーティン化された業務という感じになってきて、急につまらないなという気がすることがあるのですが、FP&Aの場合、もっと自分で主体的に考えることが多いですか?もう少しルーティンよりは外れたほうにいくものですか?

決定的な違いは、経理とFP&Aで言うと、経理は過去あるいは現在の数字を扱うことがほとんどです。

FP&Aは未来の数字を扱うウエイトが大きくて、そうなると未来に何が起こるかは誰も分かりませんし、例えばもし売上と原価が動いたらどうなるかというのは、あくまで全部仮定の中で動いていく仕事ですので、結局ルーティン化したくてもできない側面はあります。

ですからテンプレートも何もない中で、自分なりにロジックを考えて数字を組み立てていくという仕事は、FP&Aではすごく多いです。

今、日系のメーカーで経理をやっている中で、大きな流れとして財務会計の仕事はだんだん外に出したり自動化したりして、わざわざ中の人間でお金をかけてやるなと。外資系の会社のほうがそういう部分でもっと進んでいるのではないかと思っていて、FP&Aはその最たるものではないかと思うのですが、実際外資で働かれている中で、普通の経理とFP&Aの間で待遇や社内での見られ方は顕著に違ってきますか。

まず待遇の面で言うと、幾つかのウェブサイトで見る限り、FP&Aのほうがサラリーのレンジという意味では若干高い傾向はあるようです。ただ、結局、個別事象によりますので一概には言えないのですが、今後のニーズとしてFP&Aはあるのかなと思います。

一方で、だからといってアカウンティングの需要がないかというとそうではなくて、例えば会計に関しても会計制度はころころ変わりますし、それに寄せていくためには高度な専門性が必要になってきます。あとは税務の面でも法人税など、税務にはグローバルスタンダードはあり得ませんから、そういう面で日本、ローカルというところのタックスアカウンティングに専門化している人は、それなりに価値があると思います。

FP&Aと普通のアカウンティングとの間でローテーションが行われることもあるのですか。

あります。アカウンティングからFP&Aに移ったという人が多いのかなと。

アカウンティングからFP&Aに移るのは社内だからできることで、転職のときにできますか。FP&Aをやったことがないけれども、アカウンティングはやっていましたと言ったら転職できるものでしょうか?

できるかできないかで言ったら、できるとは思います。FP&Aといっても会社によって内容はばらばらだと思いますので。ただ、もし実際にやるとなったときは、恐らく同じ会社の中でアカウンティングからジョブローテーションのような形で希望されて、一度FP&Aの仕事を実際やってみるほうが、ミスマッチという意味ではリスクは少ないと思います。

その会社のアカウンティングでの専門性をそのままFP&Aに生かせる部分は大きいですので、どういうキャリアパスを想定されているのかにもよりますが、そちらのほうが個人的にはお勧めします。

ありがとうございます。

FP&Aの仕事に際してアカウンティングの知識は重要ですか?

重要です。レベルによるのですが、細かいところまでは要らないのかなと。主にP/Lとキャッシュフローはすごく大事です。

アカウンティングの仕事では、結構、決算プロセスを回すところが重要なのかなと個人的には思っているのですが、そういうところも生きてくるのですか。

そうですね。決算プロセスの回し方が分かっていると、どの段階でどの数字を取ればいいか分かっていますから、例えば原価が固まるのがいつで、ここからそこに必要な数字が取れるから、できるだけ前倒しでシミュレーションを進められるな、とか、そういうところのメリットはすごくあります。

決算プロセスを分かっているというのはすごく強みになりますし、実際に自分がアカウンティングをしなくても、FP&Aとアカウンティングは前衛・後衛ではないですが、そのようにすごく密に連携を取っていく必要がありますので、アカウンティングをしている人たちともコミュニケーションを取りやすくなる部分はあります。

日系から外資に転職されたということですが、外資で働くメリット、デメリットを教えてもらえますか。

外資で働くメリットは、お給料が日系より2割ぐらいは高い傾向にあることです。あとは結構早い段階で実力に合ったポジションにいけますので、待遇の面でも経験の面でもいいと思います。
特に顕著なのが女性の方ですね。女性の管理職は外資と日系だと、圧倒的に外資のほうが多いのです。ですから、女性にとっていろいろなキャリアパスを考えやすいのは外資だろうと思います。もちろん会社にもよりますので一概には言えませんが。

あとは外資のほうがワーク・ライフ・バランス、働き方が自由だというのがあって、今の会社はフレックスタイムを採用しているのですが、事実上、何時に来て何時に帰るかほぼ自分の裁量で決められます。
あとは自宅にWi-Fi環境があれば、パソコンを持って帰ってVPNで社内のLANにつないで仕事ができたり、割とITツールの活用が早くて、常に最新版のOfficeが入っているとか、最先端のテクノロジーに触れられるという点は外資のメリットだと思います。

外資のいいところばかり言ってしまうとバランスが悪いですので、日系と外資の違いというところだと、現地法人の決裁できる範囲が、外資だとかなり制限されるケースが多くなっていますね。例えば固定資産を買うとなったときに、どんな固定資産であっても日本にいる人たちは決裁できなくて、シンガポールまで決裁の承認を上げなければならないとか、それに伴っていろいろなコミュニケーションや資料を作ったり、ネゴが必要になるケースがあります。

社内のシステムもグローバルスタンダードといいつつ、大体アメリカの指標で作っていますので、それを無理やり日本に持ってきますとなったときに、「これ、駄目なんですけど」「いや、何とか使え」となって、結局オフラインでExcelで作業して、それをシステムの中に突っ込むような部分もありますね。

あと、Excelの話ですが、やはりExcelのスキルはとても大事です。実際、外資に行くと大体レポートのパッケージがExcelのテンプレートで標準化されているのですが、ワークシートが何十枚もあるファイルだったりするのです。それぞれのワークシートから別のワークシートに数字が飛んでいって、その数字のつながりが理解できないと、Excelが計算した結果をステークホルダーに説明できないことになってしまいますので、Excelの実際の知識という意味でのスキルと、Excelに入った数字を読み解く我慢強さというか、英語だとナンバークランチングというのですが、数字を詰めていくところの根気もすごく鍛えられます。

それは関数ぐらいのレベルですか。それともマクロとか。

関数で大体は大丈夫という感じです。マクロは最近はあまり使わない傾向があります。マクロをVBAで組んでしまうと、その人がいなくなったらブラックボックス化してしまいます(笑)。経理あるあるだと思うのですが、外資は転職する人が多いですので、そういうリスク管理という意味でVBAはあまり使わないと思います。

ですからExcelか、もしプラスで考えるのであればデータベース系のAccessでしょうか。データベース系に強いと仕事の範囲は広がると思います。私もこれから勉強しようかと思っています。

先ほど経理よりも事業サイド寄りの仕事で、考えたり提案したりが多いと聞いたのですが、そうなると経理などのルーティンワークだと、自分の忙しい時期が明確に分かる気がするのですけれども、FP&Aを自分でやっていて、この時期が忙しいなという予測はどう立てるのですか。

ルーティンの仕事は決算、フォーキャスト、年度の予算と、ある程度イベントは決まっていますので、週単位のワークでは、ある程度、予測はつきます。ただ一方で、FP&Aの仕事だと明日までとか、今日の3時までにこの数字が要りますというリクエストを受けることが多くて、「明日の会議に使うんです」とか、そういう意味での飛び込みの仕事はアカウンティングに比べると多いですね。

やはり事業部とのコミュニケーションが多くて、営業の人たちは大体そういう時間感覚で動いていますので、そこに引きずられるとそうならざるを得ないところがありますので、そこは最初に慣れるまでは結構ストレスでした。

では、たまたまその日がお休みだと、その日にメールをチェックしていて、やらなければという感じになりますか。

私はしません(笑)。
それはスタンスの問題です。結局、本当にクリティカルでなければ、なければないで何とかなるのです。ですから、そのときは仕方がないというか、そういうのはお互いさまだと思います。

FP&Aとしてのキャリアステップは、上司の方を見ていたらどういうキャリアを積んでいく流れになるのですか。

人によって結構まちまちです。私が前職にいたときは、FP&Aチームは3人でマネジャーが1人いて、私はその人にレポートしていて、もう一人、他にスタッフがいてという形だったのですが、そのマネージャーの場合はアカウンティングからFP&Aに移って、その後、FP&Aの仕事を一筋、20年以上やっていました。その日本法人のCFOの方の場合は、アカウンティングをやってFP&Aをやって国際税務をやって、別の会社でM&Aをしたり、日本法人のCFOというステップを積んでいらっしゃいます。

ですから、FP&A一筋という場合、それはそれでFP&Aの畑の中で生きていく形になるでしょうし、CFOまで目指したいという場合は、恐らくM&Aや、例えばリージョンの幾つかの国をまとめるような事業計画の仕事を経験しておく必要があると思います。

ご自身のキャリアとしては、今後どういう方向にと考えていますか。

実はまだ考えはあまりまとまっていなくて、今のFP&Aの仕事はすごく楽しいですし、転職してまでさらなるファイナンスのキャリアを極めたいかというとそうでもなくて、取りあえず今のところは今のままでいいと思っています。

今の会社と合っているのですね。

そうですね。商材が好きだというのがあったのですが、FP&Aでやる上で、会社がやっているビジネスに対する興味はすごく大事だと思います。

前職のときもそうだったのですが、自社の商品をたくさんの人に認知して買ってもらうということに対してパッションがあると、すごくプラスになります。楽しいですしね。アカウンティングでも好きに越したことはないのですが、FP&Aはダイレクトに仕事のモチベーションにつながっていきますので大事だと思います。

USCPAを取得されたときに、監査法人は考えられたのですか?

考えました。監査法人の中でも、どちらかというとアドバイザリーのところで幾つか、募集があったので、何回かセッションに参加したり、実際に選考に進んだこともありました。ただ、結果的に縁がなかったのか向いていなかったのか分からないですが、今は事業会社にいます。一つの会社でその会社のビジネスを見るのか、いろいろな会社のある一つの側面を見るのかという性質の違いはありますので、どちらが自分に向いているのかという観点で考えたら、どちらがいいのかなと。

ただ、一方で前職のときはコンサルから移ってきている人も多くて、その人たちが共通して言っていたのが、コンサルティングや監査というところだと担当は持つけれども、別に事業プロセスに対して主体性を持って取り組むわけではないと。

あくまでアドバイスはするけれども、どういう方針でどういうプロセスで回していくかは、その相手のクライアント次第というところがあって、そこにもどかしさというか、どうせそこまでやるなら自分も入って、自分も実際に手を動かしてやりたいと、事業会社に移ってくる人が結構多かった印象です。

そういう意味ではFP&Aはかなり内部に入ってというか、自分で手を動かしてという側面はかなり大きいですか?実際どこまで入り込んで自分でやっているなという感覚があるのかお聞きしたいです。

やっている感は嫌というほどあります(笑)。自分が作る数字次第で、この製品を出すか、出さないかが決まるところがありますので、それはやりがいでもありますし、プレッシャーでもあります。

販売予測は営業が基本は作って、それを見て、「ここは甘いんじゃないの」という話をしていくイメージですか。

実際問題、現場が作った数字に対して、結構ロジックに突っ込めるかというと、結構厳しい面もあって、ただ、一方で事前にコミュニケーションして、例えば大体これぐらいのレベルであれば通るかなとか、事前にシミュレーションしておいて、売り上げ予測がこのぐらいだったら、この製品を出すという決裁が取れますよという、そういう根回し的な話になるのですが、この数量はこう変えておいてくださいという(笑)。

正面からぶつかるというよりも、どちらかというとコラボして仕事を回していくというイメージですかね。

イメージとしては、私の会社は営業からこういうのをやりたいのだけれども、会計的にどう?という投げ掛けが多いのですが、逆のパターンでこう営業したらこう収益が上がるけれども、やってみませんかという話も結構されるのですか。

そうですね。収益というところで言うと、営業の方々は人にもよるのですが、やはり売り上げしか見ていないんですよね(笑)。

それでインセンティブが付きますから仕方ないのですが、一方である程度のマネジャークラスになってくると、利益や投資効率というところもKPIとして持たされていて、そういうところで例えばプロモーションしますとなったときに、最初の営業さんの提案としては製品A、B、Cでしたとなったときに、Cは利益率が少し低いので、これをDに変えると売り上げの数量は一緒でも、利益の額は上がりますよっていう提案はFP&Aの仕事ですし、そういう面で会社に貢献できると思います。

1日の代表的な流れを知りたいのですが、FP&Aだと事業部との打ち合わせが多くあったりするのですか?

会社の中では週に一度、営業とサプライチェーンとマーケティング、あとは事業部全般の責任者が会議をしていますので、ファイナンスもFP&Aの部隊がそこへ出ています。

そのルーティンが週一であって、その会議上で例えば各部門で合意を取りたい案件があるとなったときには、その会議に向けて資料を作ったりします。大体、朝メールボックスを開くと、アメリカやEUからメールが10-20通ぐらい来ていて、それに目を通しつつ、午前中は国内の仕事をして、夕方からEUの人たちと打ち合わせしたりします。早ければ18時、遅い時でも19時、20時ぐらいに帰ります。

平均して残業は月当たりでどれぐらいされているのですか。

平均すると月10時間ちょっとくらいですね。

それは日系にいたときよりも少なくなっていますか?

それは時代の流れもあると思うのですが、日系にいたときは早くて20時、遅くて日付が変わったり。それが外資と日系の違いなのか、あるいは時代の流れなのかというのは分解し切れないところがあるのですが、そういう意味でワーク・ライフ・バランスはどんどんよくなっていて、それはすごくいいです。

給料は裁量労働なのですか。

今の会社の場合、基本は全部実績です。しかし、この残業という考え方が国によって見解がまちまちで面白いのです。例えばヨーロッパの人たちは、いわゆる工場や現場のブルーカラーの人たちにしか残業の制度自体がなくて、同じような仕事をしていても事務職の人たちには残業手当という制度自体が存在しないのです。

同じ社内でもですか。

もちろんです。それぞれ雇用契約自体はその国の法人と結んでいますので、雇用制度もその国によります。大体この仕事ならこのぐらいという給与の大まかなレンジは決まっているのですが、そこは国によって全然違います。

最近の割とホットなトピックとしては育休ですね。国によって制度が全然違いますので、最近、アメリカ人の男性が第2子が生まれたといって1年休んで、少し話題になりました。ただ実際は休みではない、育児は労働だと本人は言っていましたけど(笑)。むしろ本業のほうが楽かもしれないと。

日本の法人からアメリカに出向というか転籍というか、そういうこともあるのですか?

そこは外資と日系では少し違うかもしれません。外資の場合、出向はあまりありません。というのは、現実問題、もともといた国から違う国に出向させるとコストがかかりますよね。出向させるぐらいなら、同じヘッドカウント1人分だったら現地で採用したほうが安いしというところもあって、出向はあまりありません。

逆にすごく組織のマネジメントに近い人を採って、日本法人のCEOクラス、マネジメント・ディレクター・クラスだと外国人が日本に赴任してきたり、日本から韓国やシンガポールに行ったりというケースはあります。

そうしたら、海外に行くのは出張ベースになるのですか。

そうです。コスト面でいってもそれが一番合理的なわけです。出張へは、去年の上期は3カ月でオランダに2回、オーストラリアに1回、シンガポールに1回行きました。

地球1周ぐらいしていますね(笑)。

3カ月で地球を1周してしまうこともありました。その後はしばらく落ち着きました。ちょうど私のアサインメントが変わったり、大きな組織変更があって、そういうことが重なりましたので、とりあえず顔を見せに行ってこいと、そういうことがあってたまたま多かったと思うのですが。

USCPAを目指されたきっかけは何だったのですか。

直接のきっかけは前職にいたときのCFOがUSCPAの資格を持っていて、やはり外資でのキャリアパスを考えたときには、持っていて損はしないですし、英語と会計の勉強にもなりますし、時間やお金の面でもコストパフォーマンスがいいというところでしょうか。

それは外国人の方ですか。

日本人です。

今は周りにUSCPAの方はどの程度いますか?

今は日本法人のCFOと、その人のさらに上の上司もUSCPAを取っています。

日本人以外の方も一緒に働いているのですか。

今、日本のオフィスで働いている人は私の部門ではいません。ただ、他の部門ですと10人中1人ぐらいはいる感じです。大体そういう人は日本採用されていましたので、日本語と英語は勿論、3カ国語、4カ国語できますという人ですね。

外資だと学歴や資格など、そういう定量的な目で評価しないと、パフォーマンスだけで周りから見えづらかったりして、そういう人がどんどん上がっていくと差別のように、周りからこの人だけ変に評価したという見られ方があるから、そういう面でUSCPAなどを持っていたほうが外資系では活きると聞いたのですが。

会社にもよりますし、個別のことはあると思うのですが、例えば自分が昇格するという決裁が、自分を直接知らない人に書類だけで上がっていくケースが結構あって、そこで決裁する際に、書類として書ける部分で評価される部分はあると思います。

基本的に判断する責任者も、直属の上司から彼を昇格させたいというレコメンは受けるので、直属の上司との関係性がすごく大事ですので、その上司が上に説明するときに、きちんとした資格を持っていると説明しやすいのではないかと。

外資の働き方についてお伺いしたいのですが、外資は同一賃金同一労働という、日本でも少しずつやろうとはしていますけれども、仕事の内容に応じて給料がもらえるというのは、結構徹底されているようなイメージがあります。例えば日系企業ですと、会社に来てネットを見ているだけのようなおじさんとか、そういう面でストレスを感じるのですが、外資系だと実際どうなのですか。

いわゆる働かないおじさん問題ですね(笑)。基本的にそういう人は外資では食べていけませんし、ほとんどいないと思います。また、これも顕著だと思うのは、上の人でも基本的に自分の資料は自分で作りますので、PowerPointやExcelを使えませんと言うと、今まで何をしてきたのですかという感じです。

ですから、そういう意味でマネージャーはマネージャーであっても自分のことは自分でするという。逆にマネージャーに上がっていくと、自分の仕事はしないといけないし、部下のマネジメントもしないといけないし、それはそれで結構大変だと思いますね。

それはやはり外資というところで共通しているのですか?

おおむね共通していると思います。前職と現職は両方ともアメリカの会社なのですが結構違いもあって、一番違うのは前職はニューヨークで上場しているけれども、現職はプライベートカンパニーです。ですからステークホルダーやSOXの対応、その他上場企業に求められるもろもろのタスクはしていません。

外資のプライベートカンパニーは意外と多いですね。例えばニューバランスとか、炭酸飲料のレッドブルなど、調べてみると結構知られている会社でも上場していない会社があります。上場しているか、していないかでファイナンスの仕事は変わってきますので、そういう意味では面白いと思いますね。

顕著な違いを感じたエピソードはありますか。

上場していると、クオーターのパフォーマンスがすごくシビアです。四半期で決算を開示していますし、CEOやCFOが投資家に対する説明責任を負っていますので、それがどんどん下までカスケードされていくわけです。

そうすると日本法人の社長でも、クオーター単位で売上を何%伸ばすのが目標となったときに、クオーターで売上が伸びていないので、次のクオーターで巻き返しますと言いたくないがために、クオーター末になると現場をつついたり、そういうことがあって、これはどうなのだろうと思うケースもありました。プライベートカンパニーになってからは、そこまで強烈なプレッシャーは感じませんね。

前職のほうが働いている人数も多かったのですか?

大体同じぐらいです。前職の場合、実は今、日本で流通している製品は、全部日本で作っていて、国内に工場もあって、そこの部門に生産、品質管理、購買、資材もありました。そういう意味で言うと今の会社には販売とマーケティング機能しかありませんので、そういう違いはありますが、大体規模的には同じぐらいですね。

FP&Aは事業部に対してどのぐらい発言力があって、どの程度まで踏み込んで事業部に接するのでしょうか?

発言力で言うと、会社にもよって、営業が強いとかいろいろあると思うのですけれども、そういう意味で言うと特にほぼ同等レベルで意見を言えるのではないかと思います。ただ、基本的な考え方として、われわれはファイナンスの専門家でアドバイザーで、事業部がクライアントという位置付けなのです。そういう意味で事業部に対してネガティブなことは言いませんし、言っても得をしませんし、言えないしという部分はありつつ、ではどう持っていったら責任者がOKと言いやすいのか、現場の人と一緒に考えたりもします。そういう意味で発言力というか、影響力はやはり相当程度あります。

日系の経理だと、経理というだけで数字関係は全部質問が飛んできて、自分の職務以外のものまで聞かれます。「この購買システム、どうやって使うの?」「いや、購買に聞いてください」ということが結構あって、そういうのは外資のほうが職務の分割は徹底されているイメージがあるのですが、実際はどうですか?

実際問題、そんなに変わりませんね(笑)。

聞きやすい人に聞くというところが?

はい(笑)。結局、人間対人間の話ですので、この人は詳しそうだなというところで聞かれるケースが多いです。実際、外資に入る前と後でギャップを感じたのは実はそこの部分で、外資はジョブディスクリプションが仕事の範囲はきっちり決まっているけれども、日系はその辺が曖昧だと聞いていたのですが、実際は外資のほうがもっと曖昧です。

ジョブディスクリプションを作っている間に組織が変わりますとか、そこの区分けはまだ誰もアサインしていないので、流動的に動いてくださいということはよくありますので、そこは思っていたのとは全然違うところです。

他にイメージとずれていたことはありましたか。

あとはディスカッションの仕方や意見の言い方です。外資でも何でも自由に発言していいかというと全然そんなことはなくて、発言する上でも場の空気や言い回しという意味で気を使う必要があります。

特にアメリカの会社はネガティブな言い方がすごく嫌います。例えば、Difficultと言っては駄目で、そこはChallenging言うというような、言い方の問題はあります。そういう単なる字面の問題は、外資のほうがかえってこだわるかもしれません。

すごく抽象的な質問なのですが、FP&Aをやっていて楽しいと思うポイントと、嫌だなと思うポイントを教えてほしいのですが。

表裏一体だと思うのですが、答えがないというのが一つです。結局、答えがありませんので、決めの問題や決裁者の判断次第になります。

良い面で言うと自分の計算次第で会社が行く方向が変わることもあるのですごくやりがいを感じますし、プレッシャーでもあります。

一方で、そのためにいろいろなシナリオでシミュレーションして、出したけれども突き返されて一からやり直しになることが多かったりします。FP&Aの場合は決まったプロセスは作りづらい面があって、やり直しを防ぐためには事前の根回しや、ドラフトでもいいから見せておくと。フォーマットはこれでいいですね、みたいな(笑)。

USCPAを取って、仕事以外の面でメリットや、これを取ってよかったなと思うことがありましたか。

すごく嬉しい質問なのですね(笑)、米国企業の株式に投資したほうがいいと思います。会計に携わる専門家としていろいろなシナジーがあるのですが、まず米国企業のアニュアルリポートを読むとCPAの勉強にもなるしというところが一つです。

あとは米国企業はものすごく株主還元を重視しますので、配当利回りも日本企業が2%ちょっとなのですが、米国では5%、6%はざらにありますし、現時点でダウやS&P500が最高値を更新しています。最高値を更新しているということは、今まで投資した人は全員儲かっているということですよね。そういう金融商品としてのパフォーマンスもすごく強いですし、勉強にもなるし実益にもなるというところで、米国企業の株式を買ってみるのはいいと思います。

アニュアルリポートはよく読みますか。

アニュアルリポートは読みます。読んで、自分で分析してブログを書いたり、といっても、まだそんなに記事を上げられていないのですが(笑)。

アカウンティングの本質の一つは、ステークホルダーに対する説明責任です。特に株主に説明するために、例えばEPSの計算プロセスや、売上の計上や認識の基準がなぜ細かく決まっているのか、アカウンティングを突き詰めていくと、シェアホルダーに対する説明というところに行き着きます。ですから株主としての視点を持っていると、この仕事の重要性や会計基準の改訂がなぜ必要なのかというのが本当に腹落ちすると思います。

例えば会計基準が変わりましたといったら、過去の数字も全部コンパラブルになるようにしないといけませんよね。。会社員としての視点しか持っていないと、何でそんなことをやらせるのだと(笑)そういうマインドセットになってしまうのですが、これはやはり株主への説明責任を果たすためには絶対必要だよねという発想ができるようになります。

ビジネス英語での作法や日本語との仕事上の慣習の違いについて伺いたいのですが。

前職へ転職するまでは、ビジネス英語という意味では実践では使っていませんでした。前職に入ってからは使う機会がすごく増えて、Skypeのオンラインでレッスンを今もしています。ビジネス英語で情報に触れるという意味ではアメリカの株式市場のニュースを読むとか、特定のメディアで言うと『ウォール・ストリート・ジャーナル』はすごくお勧めです。

あれは日本語版もあって、もともと英語で書いてある記事を日本語に訳しているのですが、ワンクリックで英語版の原文の記事も読めるのです。そうすると、英語から読むか日本語から読むか、目的に応じて日本語から読んで英語にしたり、まず英語で読んで分からないときは日本語を読んだりするとボキャブラリーも強化できますし、話のネタにもなりますし、ひょっとしたら投資のチャンスが見つかるかもしれません(笑)。

FP&Aのキャリアをお伺いしたいのですが、一般的な経理職のいいところの一つとして結構つぶしが利くというか、日系で言えば取りあえず連結を経験しておけば、大体の会社に転職できるというところがあるのですが、FP&Aだとより事業に近い分、行き先が狭まってくるのではないかというイメージがあるのですけれども、実際はどうですか。FP&Aは業種をまたいで使えるスキルですか。

外資に限定するのであれば、FP&Aのほうがつぶしは利くと思います。

一方で日系の会社だと、FP&Aという職種自体があまり一般的ではありませんので、日本の経理となると日本の本社の中で海外の子会社の連結をまとめるというところで、連結をやっていると日本の会社では強い。一方でFP&Aをやっていると、外資から見ると日本支社、少し言葉を変えると日本営業所ですから、よりビジネスに近いところでアドバイスする役割が求められますので、外資の中ではFP&Aのほうがつぶしが利くと思います。

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