USCPAライセンスをワシントン州で登録したので、シアトルに支店を出す、それが目標。


第155回 USCPA CMレポート  ~大阪開催第9弾!~

実施日: 2019年5月12日(日)

【Guest】 あだ名 ケンスケさん(男性)、たろさん(女性) 、ゆういちろうさん(男性)

  • 参加者
  • 司会

ゲスト紹介

 ケンスケさん(男性) USCPA


大学卒業後、新卒で勤めた会社を1年で退職し、地元に戻って小さな個人税理士事務所に就職。
その後いくつかの税理士法人を経て、Big4系の税理士法人に入社、国際税務に従事。
そのときBig4税理士の、税務はもちろん英語と会計のレベルの高さに驚き、キャッチアップのためUSCPAの学習を開始(Web通信)、途中税理士試験を2度受けるなど中断期間をはさみながら、全科目とも一度目の受験でパスして3年後に合格(なお、同時に税理士試験にも合格)。
その後事業会社(日系製造業)に転職し、財務部に勤務。現在に至る。

 

たろさん(女性) USCPA

大学卒業後、中小の機械メーカーにて、営業事務として勤務。
3年働いたが、これ以上働いても、学びや成長を見込めず、さらに数年後転職を考えたときにプラスとなる経験はつめないだろうと判断し、退社。
グローバルに活躍していきたいが、英語が話せるだけでは活躍できないことは明確であったため、プラスアルファの経験を積んでいけるポジションで働きたいと思っていたところ、外資系会社のFP&Aで、R&Dの費用管理をサポートする契約社員ポジションが空き、応募したところ採用が決まり入社。
5年の契約期間中に次の一手を準備しようとしていたところ、USCPAのことを知り受験を決意。
受講開始から2年半でUSCPA4科目合格し、その後正社員登用が決まり、現在に至る。
採用時の上司はタイ人女性で、彼女は日本語を話せなかったため、日々のやりとりは英語で行っていた。
20代半ばに、関西圏で、日本語を話せない上司を持つとは全く想像していなかったが、この上ない経験にめぐり合うことができ、今の会社に入社したことは本当に良かったと思っている。

ゆういちろうさん(男性) USCPA


大学卒業後、外資系機械メーカーに入社し、親会社へのレポーティング業務、一般会計業務を経験し、現在は原価計算関連業務を担当中。
より深い理解をもって業務を行っていきたい、将来のキャリアアップにつなげたいという思いからUSCPAの勉強を開始し、約1年でUSCPA試験に合格。

 

Q&A

簡単に自己紹介をお願いできますか。

ゆういちろうさん) ゆういちろうです。私は大学を卒業し、外資系のメーカーに入りまして、現在、経理にいます。自分の専門性を高めたいということでUSCPAを取りました。そして今は原価計算の関連の業務をやっています。

合格されたのはいつですか。

ゆういちろうさん) USCPAは2018年の12月に受けた試験が最後です。勉強期間はだいたい1年ぐらいでした。


たろさん)
たろです。今は外資系メーカーのFP&Aで、研究開発本部の予算と実績の管理をしています。USCPAに受かったのは2018年5月なので、ちょうど1年前の試験で全部受かりました。
トータル学習期間は2年半でしたが、試験の改定とかがあって、受けていない時期とかもあるので、ずっと2年半勉強していたわけではなく、2年ぐらいと思ってもらえたらいいかなと思います。


ケンスケさん)
ケンスケです。今は上場企業のメーカーで財務をやっています。そこに入ったのは1年前ぐらいで、それまでは10年ほど税理士法人にいました。
3社~4社ぐらい小さい会計事務所から大手の税理士法人までいたりで10年間ぐらいです。USCPAに受かったのは2017年12月で、税理士試験とUSCPAにほぼほぼ同じタイミングで合格しました。
同時並行だったので、USCPAはアビタスに申込んでから3年ぐらいかかったのですが、実質は1年半ぐらいかなという感じです。

では、ほぼ同時期に税理士の勉強もしていたのですか。

ケンスケさん) 税理士試験を4科目持っていた状態で、USCPAの試験を始めたという感じです。だから5科目目とUSCPAの4科目を同時並行していたという感じです。

もう少し具体的に現職においてどういう業務をされているか順番に伺えますか。

ゆういちろうさん) 先ほどざっくりと原価計算の業務をしていますという話をしました。原価計算の業務ということなので、USCPAの資格があるかないかというのは直接関係はしていないのですが、原価計算なので、月次の売上がどうだ、原価はどうだ、というのを全部業績でまとめて、実際の月次の結果と予定していた計画というか、そういったものとの比較をした上で差異について説明したり、そういった業務をやっています。
そのほかにUSCPAが活きている点でいえば、監査が入ったときとか、自分がやっている業務の数字に対して突っ込みが入るのですが、実際に監査は経験していないですけれども、どういう観点で監査人が見ているかというのも、ある程度は資格試験の過程で得た知識があるので、そういった面でもスムーズに業務を進めることができていると思います。
あとは社内の経理部でいうと、USCPAを持っている人がそこまでいないので、上司からいろいろなチャンスを与えてもらって、いろいろな業務をもらえますね。
直近ならリース会計の基準が変わったと思うのですが、それのトレーニングがアメリカの本社であって、それに行ってこいと言われて、実際アメリカに行ってトレーニングを受けて帰ってきたりとか、そういうことをやらせてもらえたのは資格を持っていたことも大きいかと思います。

今のところはどのぐらいの組織なのですか。

ゆういちろうさん) 外資系メーカーで、企業買収してどんどん大きくなっているという会社にいるのですが、日本の自分がいる法人は全体で600人ぐらいの人数で、経理部が15人ぐらいです。全世界だと従業員数が何千人とか、そんな感じです。

ちなみに経理部のUSCPAとJCPAの割合は?

ゆういちろうさん) JCPAはいないですね。
USCPAは経理の部長が持っていて、あとは持っていません。

報告などは全部英語ですか?

ゆういちろうさん) 法人内でいうと全部日本語で、親会社とのやりとりは全部英語です。

そうなると親会社とのやりとりは担当する人が限られてくる感じですか?

ゆういちろうさん) 親会社とのやりとり自体がそこまで今は多くないので、英語が不得意な人も例えばメールを打つのであれば、まず日本語で書いてGoogle翻訳します(笑)。そう言う人もだましだましやっているけれども、これからどんどん親会社との結び付きが強くなっていくので、英語やUSCPAが要求されるという感じです。

ケンスケさん) 会計基準はUSGAAPを使っていらっしゃるのですか。

ゆういちろうさん) USGAAPのみですね。

ケンスケさん) 日本国内でもUSGAAPで作っている感じですか。

ゆういちろうさん) そうです。

USCPA以外に何か資格は取られていますか?

ゆういちろうさん) 簿記は大学のときに1級を取りました。

同じ部署の皆さんは、現場を経験されているのですか。

ゆういちろうさん) いろいろな企業を買収して大きくなってきているところで、今働いている法人も10年か十数年前に買収されたところなのですが、まだ完全には外資になりきれていません。
昔はジョブローテーションなどが結構あったのですが、今はそういったことがないというところで、昔から働いている人で現場で働いたりしていた人が、経理部に戻ってきて仕事をしているとか、そういうこともあるので、現場経験がある人も結構いますね。
私は現場経験がないので、そこで少し苦しんでいます。そのため上司からはできるだけ現場に行って、何が起きているのかを見てこいと言われているような感じです。

経理部内には転職で入ってくる人は結構いらっしゃいますか。

ゆういちろうさん) 経理部内はあまり人の動きはありませんね。外資系ですが、安定的に根付いているという感じです。大阪に法人が1つ、東京に法人が1つありますが、大阪の法人のほうは経理部では全然動きがありません。東京の法人のほうは目まぐるしく変わっているので、法人によるところだと思います。

法人というのは別会社だけれども、同じグループということですか。

ゆういちろうさん) そうです。

外資系の中で、例えば税務が分かるなど、これを知っていたら重宝されるようなことはありますか。

ゆういちろうさん) たぶんその法人内が今どういう状況かというのが重要です。例えば人の入れ替わりがたくさんあって、税務ができる人がいないという状況になれば、その会社は税務の人を欲しています。それでも税務ができるというのは強いと思いますね。

たろさん) 私もそれには賛成です。やはり国際財務などができる人は特に関西はいないので、分かったらいいなと自分でも思います。

外資系の求人とかを見ていると「法人税の申告をしたことがある人」と書いてあるのをよく見ます。

ゆういちろうさん) そうですね。自分の会社で見ても、法人税の申告などをしているのは、経理に15人ぐらいいますが、本当にできるのは1人ぐらいなので、そこができるとなるとかなり強いと思います。

次はたろさん、お願いします。

たろさん) 私は外資系メーカーで研究開発本部の費用を管理しています。私もゆういちろうさんと同じように、予算と実績の差があったのかを報告や、監査法人への対応もします。監査法人はそこまで大きなウエートは占めないのですが、いつも予算の差異を報告することと予算の組み立てが主な業務です。FP&Aのチームのほかのメンバーではセールスやコマーシャルサイドを見ている人たちがいます。

ケンスケさん) FP&Aは人数的に結構多いのですか。

たろさん)
9人ですね。
私は研究開発担当、事業部が3つ、製造の管理、あとサポートの人が2人と部長です。チームの中にはUSCPAを持っている人が他に2人いて、そのうち1人はその後MBAに行ってからうちの会社に来ました。1人は日本の会計士で、経理としてうちの会社に入って、製造ファイナンスをやってから次に事業部を担当している人がいます。あとMBAの人も多いですね。
経歴にも書いたように私はUSCPAに合格した後に正社員にしてもらったのですが、チームとしては入れ替わりが激しい時期もあったけれども、今はだいぶ落ち着いています。
FP&Aチームとは別に経理がいて、そこは十数名います。その中にはUSCPAを持って入ってきた子も最近はいますし、大学卒業してから簿記1級を取ってきた子もいるし、もう1人ぐらいUSCPAはいるという感じですね。

ケンスケさん) FP&Aのお仕事とUSCPAで学んだことの親和性みたいなものはどんな感じですか?

たろさん) 非常に関わっているかというと正直そうではないのですが、考え方は必要なときが多くあると思います。例えば基礎的なことからいうとアクルーアルを立てる、そういうことはFP&Aも予実管理をする上で必要ですし、あとはバケーションアクルーアル、有給休暇の会計処理など、何でこれが入っているのかという質問をしたりします。あとはそれこそリースなどのインパクトは知らされるだけですが、業務上耳にしたりとか、そういうちょっとしたトピックとして出てくることはあるかなと思います。
あと直接は関わらないのですが、コーポレートガバナンスやコントロールのところというのは、研究開発の人に話すとき、プロジェクトを動かしていくときに、ガバナンスやリスクマネジメントプランなどの話をされていたので、別にそれは経理、ファイナンスだけではなくて、ビジネスを行う人として、こちらでもそういう考え方を使っているのだなというので、理解しやすかったなということもありました。

ケンスケさん) FP&Aの仕事は転職市場で非常に需要があると聞きましたが、いかがですか。

たろさん) あると思いますね。

ケンスケさん) 特に大阪では全然足りていないと聞きました。

たろさん) そうだと思います。

ゆういちろうさん) FP&Aのメインの役割とは何ですか。

たろさん) 予実管理です。費用なら100億円積んだけれども、あとどのくらい使うのかというのを確認したり、それをグローバルに報告したりなどです。セールスのほうも売上はどういう予想なのかというのを聞きに行ったりなどをレポーティングします。

ゆういちろうさん) その予実管理は月なのか週なのか何ベースで行うのですか?

たろさん) 月ベースですね。月なのですが、たぶんコンシューマープロダクトのところならデイリーかもしれないです。

ケンスケさん) 毎日予想しないといけないから、それで忙しいのですね。

たろさん) たぶんそれもプロダクトによって、化粧品と消費財なら違うかもしれないです。

FP&Aは求人が非常に多いですよね。

たろさん) そうですね。
英語は書けるだけではなくて、本当に話して、聞けないといけないので、TOEICのスコアなどではなく、面接は全部英語なので、すでにある程度は話せないといけないという感じです。ただ特にFP&Aは話せる人が来ていて、MBAの人も多いですね。

日本法人内でも話せないといけないのですか。

たろさん) 私のいる会社は、事業部のリーダーが日本人ではないことが多いので、マンスリーのミーティングなどは英語ですし、CFOも日本人ではないので、英語です。日本人同士でも話しているのは日本語でも、パワーポイントなどを作る時は英語などですね。

ゆういちろうさん) 今の話でいうと、採用面接のインタビューは全部英語です。社内の上司はどうかというと、上の方は全員日本人だけど、全員英語ペラペラで、親会社とのやりとりを英語でしているかたちです。

ちなみに入社された時点では、どれぐらいの英語のスキルだったのですか。

たろさん) 私は2回面接したのですが、2回目は全部英語で話しました。1回目は半分半分ぐらいでしたね。それまで私は交換留学に行ったことがあって、その後もずっと何かしら話す機会や、英語能力を維持しようとする機会があったので、ある程度伝えたいことは伝えられるレベルだったと思います。

今ご自身がやられている仕事で、これがすごく面白いみたいなことはありますか。

たろさん) 今はこれで4年目になってきて、興味本位であったり、仕事ではない部分になりますが、勉強も兼ねて、開発のことをもう少し理解しようとはしています。
そうしたほうが今後事業部のほうを担当することになったら、もう少し全体像を見られるかなと思ってやっています。この4年間で過去やってきたものとしては、プロセスを改善したりできたのはよかったなと思います。

そのプロセスというのは仕事の流れという意味ではなくて、数字をどう作るかなどですか。

たろさん) プロセス改善は、私のやっている業務の中ですごくファイルが大きいものを全部きれいにして使いやすくしたり。あとは値を貼り付けしていたのを、きちんと式を組んで全部貼り付けるようにしたり、そういう小さいことですが、それはかなり達成感はありました。たまに振り返って、入ったときはもっと大変だったよなと思ったりすると、やってよかったなと思います。あとはビジネスプラン、予算を作った後などは、別にみんなが納得したわけではないけれども、終わってよかったなとはすごく思いますね。

FP&Aの方が9名いらっしゃるというお話でしたけれども、MBAを取られた方や日本の会計士事務所から入られた方というのは、年齢層としてはやはり高いですか。

たろさん) 4~5年前に入った経理の人は、そのとき27~28歳ぐらいだったと思います。5~6年働いてからこちらに来られて。MBAの人は30~35歳ぐらいの人ですね。

それではケンスケさん、お願いします。

ケンスケさん) USCPAを勉強し始めたのは2015年の1月です。2014年の11月にBig4の税理士法人に入社しました。周りは税務は勿論、すごいのですが、英語もすごいなと思って、これではまずいと思いました。
英語ができる人と英語ができない人というキャラクターが分かれるのです。
「英語も両方できるよ。だから税務は許してね」みたいなほうへ行こうというのも若干あって。それと入社後すぐについたお客さんがUS-GAAPだったというのもあって、USCPAの勉強を始めました。その時は国際税務部門というところにいまして、国際税務部門と国内税務部門と、あと移転価格部門とGES(Global employee service)という主に出向者、出張者の所得税を扱う部門というふうに、私が辞めた時点では分かれていました。
その中で私は国際税務部門にいまして、国内税務と国際税務はだいたい同じ仕事をしているのですが、お客さんの規模が国際税務のほうが大きくて、海外に子会社も結構持っているから、自然に国際税務の相談も増えるというふうな、そういうすみ分けをしていました。
私はそこで本当に「この契約書に印紙税を貼るんですか」みたいないわゆるベタベタな国内税務の質問から「あの会社を買ったときに、もしくは会社の中で組織再編をしたときにフィリピンの親会社がかわるのですが、フィリピンのほうで何か課税は発生しますか」みたいないわゆる国際税務というよりは、そちらはフィリピンの税務なので、海外税務になるのですが、そういうときはフィリピンの事務所の人たちに質問をして、ここのお客さんがこういう状況だから、どうだと。まず幾らでやってくれる?という見積もりを取って、お客さんからの報酬を下請けに流すみたいな感じで、そういうことをプロジェクトでやったりしました。
あとは大きい会社さんは自分で申告書を作れるので、作ったものをレビューするということもやったり、他にはまさに監査法人から依頼を受けて、監査の時期に未払法人税等、あと英語でいうとIncome tax payableなど、その辺りの科目の金額の妥当性、その科目だけを見に行く監査というのを、監査法人から依頼されて行ないます。
その他は、日々、お客さんから質問が来るので、その対応ですね。そういうことを3年半ぐらいしていまして、税理士資格、USCPAの資格を取って転職しようと思って、今の会社に転職しました。
今の会社は面接の上司の方が優しそうだったので、基本は人で決めました。入ってみたら税務は全くなくて、税務以外のことを今はずっとやっています。
一応財務部というところにいますが、銀行への対応、利率の交渉、金額の交渉、それからキャッシュフロー計算書については責任を負っているので、その部分をBS、PLを作る人たちと連携してやってます。
一応、日系の親会社で子会社が海外にたくさんあって、そこで連結会計をやっているので、連結会計をやったのをベースに、連結のキャッシュフロー計算書を作るという仕事、あとは海外の子会社から配当を吸い上げる手続きなどです。
移転価格はBig4にいたときはやったことがなかったのですが、転職してからは移転価格がちょうど厳しくなってきた時期だったので、その文書を作ったりもしています。
税理士法人時代にやっていたことは全然やっていないのですが、それ以外のことをいろいろ経験できた1年だったかなと思っています。

税理士もUSCPAも両方取られて、会社の中でもすごくいやすくなったのではないかと思ったのですが、転職をされた理由はありますか?

ケンスケさん) 税理士に受かったのに何で税務から離れるのかということですよね。私は税理士試験を受かるのに11年かかっています。
2006年ぐらいから勉強を始めて、それとほぼほぼ同じ時期に姫路の小さな税理士事務所にいたのですが、そこから徐々に徐々に転職を複数回繰り返して大きな事務所に、給料も徐々にアップしていったのですが、徐々に税務以外の仕事もやってみたいと思うようになりました。でも税理士法人の仕事から離れてしまったら、余計に税理士試験に受からなくなるのではないかというところで、受かるまではいようという、そういうマインドになっていました。
それで受かったから、やっと辞められると。「お客さんの立場になって考えろ」などと言われるのですが、でもずっと税務の世界にいてお客さんの立場になったことがないから、そしたら一回お客さんの立場になろうと「お客さんの立場を勉強してきます」と言って辞めました。

たろさん) また税務に戻りたいという気持ちはありますか?

ケンスケさん)
いい質問ですね。事前に頂いていたご質問の中で、今後のキャリアみたいなことがあって、それを先に話してしまうことになるかもしれないですが、実は私、明後日で会社を辞めます。1年で一通り税務以外のことを経験できたので、税理士の事務所を開業するんです。以前いたBig4へ戻るということではないのですが、先輩のところを手伝いつつみたいな部分もあるので、戻るといえば戻る感覚ですね。

たろさん) その1年ぐらいでお客さんの立場は分かりましたか。

ケンスケさん)
嫌というほど(笑)。たぶん事業会社で働く皆さんにとっては当たり前のことなのかもしれないのですが、私は今の会社に来て初めて稟議書というものを見ました。
本当にはんこを押して回していくのかみたいなことを見たり。だから税務のことを知っていたら、絶対こちらのほうが合理的ではないですかということを思いながら、でもストレートには言わずにアドバイスをしていました。
それがいつまでたっても話が進まないのは何でだろうなと思っていたのですが、事業会社で働いてみたら、その理由が分かった気がしました。
人間関係やいろいろな理由があったり、なかなか説明を分かってくれない人が上のほうにいたりすると、それで止まってしまうことが本当に分かったので、非常にいい経験ができたなと思っています。

たろさん) 転職する前から税理士の開業はする予定だったのですか。

ケンスケさん)
いつかはとは思っていましたけれども、全然決めていなかったです。うまくいって今の会社でどんどん出世できたら、それもありのストーリーだなと思っていましたし。

たろさん)
でもUSCPAだけではなかなか開業まではできないから、すごいですよ。

開業されたらUSCPAも活かされるわけですか?

ケンスケさん) それもいい質問ですね。逆にどう思いますか。

私は今、税理士の勉強をしていまして、税理士2科目受かっているのですが、残りの3科目がなかなか受からないという状態でして、ずっと国際系に行けたらいいなと思っていはいるのですが、なかなか受からないので、USCPAに手を出したところなのですけれども。

ケンスケさん) いいと思います。

ですので、活かしていきたいというのが正直な本音なのですが、人生の先輩として何かご意見を頂けたら大変ありがたいです。

ケンスケさん) USCPAを活かすといったときに、たぶん2つ意味があると思います。一つはまさに肩書きを活かすという部分です。社内でのキャリアアップだったり、転職のとき履歴書に書けるというのと、あとはUSCPAの勉強を通して得た英語力を活かす。
主にリーディングの能力しか身に付かないのかなというのが、僕がやってみた上での結論でしたが、それでも契約書などで大量の英語の文章を読んだりしますので、それが読めないと話が進まなかったり、先ほどフィリピンの話を少ししましたが、フィリピンの事務所の人が非常に長文の回答メールを英語でしてきて、読めないとそれについて今度は日本の事務所の人と議論ができないので、そういう意味でリーディングの能力はそこにいたときは非常に重要だなと思っていました。
開業は別なのですが、税務の業界というのは税理士法人だけではなくて、事業会社の経理部門、税理部門というのも含めて、USCPAを持っていると少なくとも面接には呼ばれる話になってくると思います。
そこから先は自分の人間力次第だと思うので、絶対呼ばれるというよりは呼ばれやすくなるという意味では、マイナスなことは絶対ないと思います。11年かかった私が言うのもあれですが、早く受かってください(笑)。早ければ早いほどいいです。同時進行できますよ。私もずっと働きながらだったので。

仕事と税理士試験とUSCPAの3つを同時進行するのは相当だと思いますが。

ケンスケさん) 具体的なことをいうと、私は税理士は1年捨てました。1回捨てて、USCPAを2016年の10月に1科目目、12月に2科目目が合格して、そこから2017年の8月までは税理士試験の勉強に戻って、その後2017年の試験が終わった後すぐ10月に3科目目、12月に4科目目みたいな感じで合格していきました。

隙間時間を使ってという感じですか。

ケンスケさん) 隙間時間ですね。電車の中ではずっとアビタスのMC問題アプリで問題を解きまくっていました。

大きな事務所と小さな事務所を見て、税理士業界というか会計業界の全般的なものをご覧になったと思うのですが、その上で大きなところで学んだこと、小さなところで学んだことは何かありましたか。

ケンスケさん) 小さいほうから徐々に徐々に大きくという順番でしたし、小さいところが私にとって初めての税理士事務所でした。だからそこで学んだことは、それこそ消費税の申告書を作る、法人税の申告書を作る、所得税の申告書を作る、本当に税務の世界で働くに当たって超基本的なことでした。お客さんも小さいから数字もそれほど大きいわけではないですし、小さいお客さんは別に難しい会計をやっているわけでもない。というか会計が税務に寄っているので、申告調整に出てこないです。ほぼないですよね。だから本当に別表の名前や、別表の7というのは欠損金を載せるみたいな、本当に基本的なところから始まって。
大きいところで学んだというのは具体的な話になってきます。外形標準課税など、ああいうのは資本金1億円以上ですよね。あと税効果会計もそうですね。そういうのはBig4に入って初めて知ったというか、やっているのを見たというか。大企業でしか見られないもの、合併したときの取り扱いとか、そういった具体的な業務の話になってしまいます。あとはむちゃくちゃな働き方です。何時になってもタクシー代が出るので、終電関係なしに仕事をする感じで上司がやっているから、付いていくだけでした。そういう働き方も学びましたね。

USCPAを取って税理士法人に行かれるとなったときに、部門のところで移転価格コンサルに行かれる方が結構多いと聞いたのですが、逆にほかの部門とかにも日本の税理士資格を取っていなくて、USCPAだけで国内税務とか国際税務とかに行かれる方はいらっしゃったりしますか。

ケンスケさん) います。国際税務部門にUSCPAオンリーの人も、数は多くないですが、実際にいます。数でいうとTP(移転価格)のほうが多いです。USCPAだけを持っているという人は割合的には多くなってくると思いますが、国際税務部門でもUSCPAだけの方はいらっしゃいます。そういった方は主にプロジェクトの業務をやっていますね。やはり一番そこが英語を必要としていますので。

プロジェクトの業務とは?

ケンスケさん) 要は組織再編などがお客さんのほうであったときに、海外の自分の持っている子会社で親会社が変わったりするときに、各国でどういう税務リスクが発生するのか、そこで譲渡益が課税されたりする可能性があったり、あと今まで持っていた欠損金が親会社が変わることによって消えてしまう国もあったりするんです。他にも直接の親会社が変わるわけではないのに、間接譲渡だといってキャピタルゲイン課税してくる国など、いろいろな国があるんですね。
基本、海外の担当者は英語が話せるので、その人たちと英語のやりとりをして、パワーポイントにまとめてお客さんへ「こういうリスクがあります」というプレゼンする。そういうのをプロジェクトの業務と先ほど言いましたけれども、そういうところをすごくやっていた方は、USCPAのみの方でした。

移転価格のほうが人数的には多いというのは、仕事内容が圧倒的に違うし、USCPAを活かせるから、そこが多いということですか。

ケンスケさん) USCPAを活かすというのは、まさに肩書きよりは能力という意味で英語を読んだり、メールのやりとりをしているうちに、メールも書けるようになっていくと思いますが、そういった能力はやはりTPのほうが必要だと思います。私もそこで働いていたわけではないので、具体的なことはなかなか言えないのですが、事実としてTPのほうがUSCPAを持っていらっしゃる方は多いし、英語が堪能な方は国際税務部門よりもTPのほうが多かったです。

自分は全くの異業種で、経理とかについても経験が全くないので、そういう未経験の方が入社されているのかというところと、入社されている方は例えば入社前に、資格以外にどういう能力があったのかということについて伺えますか。

ケンスケさん) 私の知る限り、Big4にいた時の話ですと国際税務ではあまり聞かないのですが、USCPAを持っていて、TPなら異業種からというのはあります。あと国内税務のほうで異業種から税理士を持っていてという方はいらっしゃったのですが、どういう能力かといったら、やはり一番は英語力だと思います。それこそ英語ができるだけの新卒の人なども入ってきています。バイリンガルの方も移転価格とかGESのほうに入ってきていたりしていますね。

国際税務に入社できる方というのは、税務の経験があって英語もある程度分かる方ですか。

ケンスケさん) 私は直接、国際税務部門に入ったのですが、それは結構イレギュラーなケースだったみたいです。面接でまさに今おっしゃられたように、英語もできるし税務もできるのかなと思われて、私も強く国際税務を希望したので、そちらに入れてもらったみたいなのですが、基本、そこは国内でも国際でもないところにまず1年2年ぐらいいて、その後実際働いてみてから本人がどちらに行きたいというのと、そこの部門長が働き方を見て、話し合いが行われて決まるという形だったみたいです。
TPは全く別です。TPはいきなりTPで入社という感じでした。

ゆういちろうさん) 今の日系の上場企業に入る上で、例えば未経験+USCPAの資格で入ってきている人がいるのか、経理経験+USCPAや税理士が決め手になったとか、そういうのは何か聞かれましたか。

ケンスケさん)
まず私自身のことを話すと、私が入るときは誰かの補充などではなくて、まず上司が自分は税務に疎いということを思っている方で、誰か税務に強い人が欲しいというのを思っていたと。ただ、うちの会社はCFOが外国人なのですが、結構英語のやりとりが多い。だから税務も分かって英語もできるような人はいないかなというところに、人材紹介会社が僕を紹介したらしいです。それでこの人いいねみたいになって決まったらしいです。私以外で他の連結会計をやっている人たちが税務を求められるかというと、求められていませんね。だから会計や経理の知識だったり経験と、あとはやはりどうしても英語力、その両方を持っている人がなかなかいないという話みたいですけれども。

ゆういちろうさん) では中途採用の場合には、英語と実務経験のほうが重視されているということですか。

ケンスケさん)
そこもやっぱり先ほどおっしゃっていたことと同じかもしれないですが、今実際に会社の中にいる人が、人が足りないと思ったときにどういう人を欲しいと思うか次第で、自分と同じレベルの人がいてほしいと思うのか、自分ほどではなくてもいい、私がその人を育てると思うのか、でも分かれますよね。それでUSCPAを持っているだけでも全然いいと、仕事はどんどん振ってこれから覚えていってもらったらいいと思うのか、自分の上に欲しいなど、そういうケースもあると思います。それであれば、いろいろな経験があったほうがいいですし、その状況次第かと思いますね。

皆さん共通して英語を話す経験が、日常業務からおありだと思いますが、バックグラウンドが違うにせよ、どういうふうに英語力を維持されているのか、どのように勉強されているのかというところをお聞きしたいです。

ゆういちろうさん) 私はあまり英語は話せないです。大阪にオフィスがありますが、そこにいる人と話すときは基本は日本語です。先ほど言ったようにアメリカに行くときなどは英語を話さないといけないので、今、英語の勉強は電車の行き帰り、会社の通勤のときに、英語のアプリとかスマートフォンで聞いて口パクなどをして、そういうので維持しています。あとはネット英会話などもあるので、それで実際に自分で声に出して話すことが重要かと思います。

たろさん)
私は月1回は研究開発のミーティングで話していますし、社内ではランチのときなどにアメリカ人と話したり、研究開発の中でも人事担当がアメリカ人で、その方とやりとりするときは英語になるので、社内でできるだけ話すように機会を設けています。あと最初の上司がタイ人で今アメリカにいますが、その人とは1カ月に1回電話で話したりしています。それ以外にこの4月から会社に払ってもらえる1対1のオンライン英会話をやっています。あとはポッドキャストですね。

学生のときとかは普通に英語の勉強をしていたのですか。

たろさん) 高校が、非常に英語に力を入れている学校だったので、受験英語や書く力は付いたと思います。そのときも話す練習はしていましたけれども、高校のとき自分は話せたとは思っていません。
大学のときに交換留学に行って帰ってきてから、少し話せるようになったなと思ったことが2つあります。例えばDo you have ~?と聞きますよね、そういうふうに教科書に書いてありますよね。
それを例えばDoes she have ~?などで言うときに変換できるようになったときは、だいぶ話せるようになったなと思いました。あと文法でいうと付加疑問文です。なんとかと言ったよね、「aren’t you?」というやつ、それを「doesn’t she?」などに言い換えられるようになったら、だいぶ話せるようになったなというのは、私の中での指標でした。
別に言い換えなくてもいいのですが、やはり上の人とも話すでも書くのでもそうですが、信頼のある文章なら、やはり文法もできるだけ正しいほうがいいし、いい言い方にしないといけません。
別にだからといって、私が上手に話せるとは思っていないし、まだまだ勉強しないといけないし、もちろんネイティブになれるわけではなく発音がとてもきれいなわけでもないのです。でも言いたいことを言えるようになるというのは重要だなと思っています。

ケンスケさんはどうですか?

ケンスケさん) 英語が話せないという話で恐縮ですが、大学のとき1年だけ交換留学でアメリカに行って、人生の中でそのときがマックスですね(笑)前職のBig4を辞めてからは普段は英語を使っていません。
今も基本的にはメールでのコミュニケーションであまり話をしないので、やはり仕事で使わないとその準備をしようと思わないですよね。ただ、私もCFOとの面接だけは英語でした。英語面接だと聞いた2日間ぐらいはすごく勉強しました。
あと人材紹介の人と練習しましょうということで、1時間ぐらい時間をつくってもらって、想定される質問というので事前にメールを送ってもらって、答えをきちんと考えてきてくださいと言われて練習をしました。それで無事に受かりましたので、英語の面接は準備をすれば、それほど恐れることはないのかと思います。それで入ってしまったので、その後苦労しますが、、、そういう感じです。
あとひとつ言いたいのは、勉強の英語と仕事で使う英語は全然違いますよね。私もレアジョブで、セルビア人とかフィリピン人と2年ぐらい毎日25分やっていたのですが、そのあとプロジェクトに関わったときに、相手先がインド人で、全く何を言っているか分からなくて、「この2年間は何だったんだ」「毎月5,000円は何だったんだ」と思ってすぐやめました。やはり違いますよね。基礎は大切だと思いますが、仕事で身に付けていくしかないと思います。

USCPAを取られて広がったキャリアがあると思います。その部分が聞きたいのと、広がった先に転職があったりすると思うのですが、今の職業を選ばれている理由を教えてください。

ゆういちろうさん) 転職はしていないのですが、先ほど申し上げたように、社内でUSCPAを持っている人が少ない中で自分は持っています。
そういったところで社内でほかの人と差別化されて、より大きな仕事、いろいろなチャンスを与えられるようになったのが1ついいことです。今の仕事を転職せずに続けている理由は、職場の人間関係がいいことと、USCPAを取っていろいろな仕事を与えられて、成長する機会が多いというところですね。

たろさん)
私は4科目目を受けているときから「そのうち契約社員から正社員にするからね」と言われていたので、正社員になれなかったら転職はしていたと思います。
ですので、広がったものとしては正社員になったことですね。正社員になったからといって、前にやっていた業務に少しプラスアルファしたぐらいですが、それでFP&Aの中で研究開発本部の主担当に自分がなりました。いろいろなリーダーの人へ話に行ったときに、研究開発の人、理系の人に話に行っても、上の人とかに「USCPAに受かりました」と言ったらみんな褒めてくれました。
続けている理由は、私も会社の環境がいいのと、辞める理由もないことです。別に業績が悪いわけでもなく、人もいいです。でも3年5年でCFOが代わって、自分と合わない人が来たりしたら、辞めるかもしれないですし、FP&A業務に飽きたり、ほかのことをやりたいと思ったら辞めるかもしれません。一応まだ正社員の下のポジションで、まだまだ上に行くチャンスはありますので、今のところは全く辞めることは考えていません。

ケンスケさん)
USCPAを取って広がったというところでいくと、試験に受かってLinkedInのプロフィールを更新してメッセージをくれた人材紹介会社に会ってみて、そこで登録してという、そういう流れでした。そのほかにもメッセージは結構来ましたし、人材紹介会社なら事業会社の人から直接というのもあり、たくさん来ましたね。

これまでの応募とはまた違う、広い業務内容でということですか。

ケンスケさん) 業務内容は大きくいうと、やはり事業会社で経理とか財務、税務、その辺の話だと思います。大阪、神戸、京都辺りの大きな企業から来ました。でもホームページを見ると「現在中途採用を募集していません」と書いてあったり。
そういった会社がたくさんありましたね。ほぼ非公開求人なのだなとその時に思いました。あとはシンガポールで働きませんかというものもありましたね。シンガポールの会計事務所で今1人空いていますみたいなのもあったし、その中から選んだという感じです。そういう意味では非常に広がったなというところです。
今の会社に1年前に転職した理由は、税務以外のことがやりたかったからということになります。

LinkedInはUSCPAが取れる前からアカウントを持っていて、USCPA取得後に合格登録をしたら、すごく増えたということですか。

ケンスケさん) そうですね。前から持っていて、それこそUSCPA、FARが受かったらFARも書いていたかもしれませんが、最後に受かったときには科目合格というのではなく、単に合格と書いたら結構増えました。プロフィールを更新したらつながっている人にも、この人がプロフィールを更新しましたよと一斉に行くようで、それで見てくれた人が多かったのかもしれません。

面接されたときなどで、重要視されてた部分はありましたか。

たろさん) 私は最初の面接は契約社員としての面接で、後から上司に聞いたら「前にいた人があまり信用できなかったから」と言っていました。信用できないというか、たぶんあまり成長が見られない感じだったのかと思います。そういうことがあって、自分が信頼できる人を選びたいというのがあり選んだと、後でそういうふうに言ってくれました。

それは何かアピールした部分があったからですか。

たろさん) 別に自分から何かアピールしたわけではありませんが、話していて成長したいと思っていたことを、感じ取ってくれたのではないかと思います。

ケンスケさん) 事業会社のときは面接が2回あって、直接の上司の人と人事の人の2名というのが1回目、2回目は外国人のCFOだけでした。1回目は何を重視されて通ったかというと、フィーリングだったそうです。
面接に呼ばれる時点でスキル的な部分、要件的な部分は全部クリアされていると思います。あとは会ってみて良かったら役員に会わせようという状況になっていると思いますね。
私は結構緊張しやすいのですが、入ったときは人材紹介会社の担当の人が紹介してくれた1社目だったので、いきなり断るのも悪いかなと思って行ってみようということで、全然緊張感なく普通に話したら向こうもいい人で、「サッカー好きなんだ。俺も好きだよ」みたいな感じで面接に通りました。CFOの面接のときは英語で「この会社は何で辞めたの?」「何でうちに来たいの?」などの定型的なことを英語で聞かれて、英語で答えました。そして最終的には1次面接をしてくれた上司、CFOにとっての部下が良いと言っているから、僕は誰でもいいと思っているんだよねと言って、そういう感じで通りました。

たろさん) 確かにMBAを出て入ってきた人もみんな、何で決めたかというと、「面接してくれた人の雰囲気がものすごく良かったから」みたいなことがあるので、雰囲気やその人と合いそうかというのは大事だと思います。

冒頭のほうでも同じような質問があったのですが、経理とか財務とかの仕事の中で、ここが一番のやりがいだなとか、面白い部分だなと感じられてる部分があれば教えていただいてよろしいでしょうか。

たろさん) 私は経理とかファイナンスもそうですけれども、毎月つつがなく業務を行えていることが、やはりいいことなのではないかなと思っています。問題があるときは大変だと思いますし、トライアルバランスとか毎月の比較をしていくこととか特にそうだと思うのですが、もちろん上限とかはあるけれども、やはり毎月きちんと業務を行えていることが一番だし、やって当たり前なところは若干あると思うので、それができることは意外といいことなのかもしれないと最近思っています。

ケンスケさん) 税務というか税理士法人で働いていたというのは、やはりお客さんが困っていて、その質問をしてきたことに対して回答を一方的に与えるわけではないですけれども、まずしっかりお客さんの状況を聞いて、そうならできるだけお客さんの希望に沿うようなかたちで、こういうふうなことができるのではないですか、というのを相談できる。頼りにしてもらえるというのは、コンサルタント全般なのかもしれないですが、すごくやりがいを感じる部分でした。
あと事業会社の財務に関しては、本当にキャッシュがなくなってしまったらという部分があるので、そこを少しでも有利な条件で話をしていくという部分と、あとはやはりお客さんの立場というのはいいですね。
銀行からお金を借りて毎月利息を払っているからなのですが、すごくいろいろ丁寧に教えてくれるので、逆に物足りない部分ではあったのですが、そういったところで全く知らないことを丁寧に教えてもらえるというのは、いい部分でした。

ゆういちろうさん) 私が今楽しいというかやりがいがあると感じているのは、今、入社して6-7年ぐらいなのですが、その間に経理の中でもレポーティング業務をやったり、一般会計の経費とか税務とかをやったり、今は原価計算をやっているのですが、いろいろな業務を経験して、いろいろな知識が入って、いろいろなことができるようになって、今後もずっと使えるような知識が自分の中に積み上がっているというか、そういったところは楽しいです。

ケンスケさん)
今伺って思ったのですが、会計とか税務というのはどこの会社でも通用するというか、ベースが一緒なので、会社を出たら役に立たなくなるというわけではなくて、持っていけるスキルとか能力だと思うので、そこが自分の中での安心感になっている部分はあるかもしれないです。英語もそうです。

ゆういちろうさん)
その分、日々勉強勉強、継続という感じですね。

そういった意味でUSCPAを終えて、今勉強されていることはありますか?

ゆういちろうさん) USCPAを終えて英語と会計の関係で、今後もどんどんITとかシステム化していくので、そちらのIT系の関連の勉強をしています。

具体的にはどういうふうに何をやっていますか。

ゆういちろうさん) 会社で使っているシステムがあって、それについて勉強しているという感じです。

本を読んだりとかですか。

ゆういちろうさん) 分厚い英語の取説というか、どのタイミングで仕訳が立つとか、プログラムはどうなっていますよみたいな、そういう説明書というかそういうものがあって。仕訳とかもどんどん手で切るのではなくて、プログラム上で勝手に立つとか、エラーが出たときにはプログラムに戻ってどこをどうするとか、そういう話にもなってきて。今の経理でプログラムまで行ける人がいないので、今はそういった勉強をしているところです。

たろさん) 私はオンライン英会話は勉強とは思っていないのと、本は買ってみたものの、あまり勉強はしていないですが、決算書とかがあまり読めないので、少し読んでみたりとか、会社のものを四半期の業績説明会を、もう少し英語で分かるようにはなりたいなと思って聞くようにはしています。他には英語の記事も業界の記事ももう少し読めるようになりたいなとは思っているので、英語で記事を読むということを勉強とするなら、それは頑張っていますね。

ケンスケさん) 勉強という意味では、私は開業することになったので、社労士試験の勉強をしています。税理士と社労士はお客さんが一緒なので、両方のサービスを提供できたら報酬も上がるかなと。あとはまた資格の話で申し訳ないですけれども、税理士は行政書士登録ができます。行政書士の資格に査証、ビザの業務があるのですが、最近、入管法が改正されて新しいビザが新設されて、35万人の外国人を労働者として日本に呼び込むと言っているので、これはチャンスだなと思ってビザの勉強も始めました。

経理関係に関しては未経験なのですが、USCPAを取る前から早めに転職して経理関係の職業に就いたほうがいいのか、それとも取ってからそちらのほうに行って、そこで経験を積んでいくほうがいいのかどちらだと思いますか。

ケンスケさん) タイミングではないですかね。それこそ面接で気が合う人と会うのかも分からないですし。あとは自分が行きたい求人がなければ、応募もできないので、自分が新しい仕事をしながら勉強するのが嫌なら、それは全部受かってからのほうがいいと思います。
転職の経験はすでに結構多いのですか。

1回だけです。

ケンスケさん) まだ1科目も取っていない状態ですか。

取っていません。

ケンスケさん) 1-2年かかるかもしれないという流れなら、今すぐしてしまうのもありかもしれないです。それで受かってからもう一回する。

たろさん) 行きたい企業があれば、それもありですね。

ケンスケさん)
逆にその中でステップアップできるのであれば、そのままステップアップしてもいいと思いますし。やはり0と1の差は大きいと思います。

今、どういった業種の方に聞いても、皆さん「今は人材が足りない、人が足りない」とおっしゃいます。今、働かれていて会社の中でどういうふうに感じているのかということと、もし自分に決定権があったら、どういう人を採用したいかとか。自分でなくてもいいですけれども、会社の雰囲気を見て、こういう人が必要とされているよね、というのがあれば。

ケンスケさん) 今の会社は創業100年近い日系の企業で、古い工場があるのですが、私が働いているところはそれとは別で、海外の子会社がたくさん増えてきたので、大阪にもオフィスをつくりましょうみたいな感じで、中途採用の社員だけで構成されているオフィスです。
工場は工場でまた地方にあってという感じのところなのですが、人手不足という意味ではそれは感じますね。
やはり専門性が高い人、基本的に英語が話せる人だけがそこで働いているというのもあるのですが、市場でバリューを見てもらえるのか、出ていく人も多く、だから人事部の人が忙しそうにしています。どういう人を採りたいかといったら、僕みたいな人ではなくて(笑)、基本的な専門性がありつつ人とうまくやっていける人、新しい環境に馴染んで力を発揮できる人というところが一番かなと思います。

たろさん)
私の会社ではファイナンスの組織は一時期、経理のチームでは欠員が出ていて、やはり経理と英語が話せないといけないというので、すごく採用に時間がかかって、やっと落ち着いてきたところではあります。やはり採用するときには、英語がネックになっているみたいです。今後、人材不足とかになったときにチャンスをつかめるように、経験だったり資格だったり、英語の能力だったりを身に付けていたらいいのではないかなと思いますね。

ゆういちろうさん)
自分の会社に限っていうと、外資系ということもあって英語が堪能、帰国子女でしたとか、結構高いレベルを要求されています。あとはケンスケさんがおっしゃったように、実際に話してきちんとうまくコミュニケーションが取れてというところだと思いますね。ほかは会社のその時点のどういう人を求めているかとか、欠員状況とかそういうところなので、転職はしていないですけれども、数を打つしかないのかなということは、お二人の話を聞いて思いました。

USCPAに求められることは、皆さん合格されてこの会計の知識、経験、資格を生かして転職をしたい、仕事をしていきたいということであれば、どこの業種に行くにしても、やはりそれにプラスして英語を求められるはずです。USCPAを持っています、英語はできませんというのでは話にならなくて、日本の公認会計士との違いはそこを見られますし、USCPAに求められるところはそこだとは思います。同時並行でしっかり英語を勉強していくことは大変なことかもしれないですが、そこは頑張っていかなければいけないところなのかなと思います。

この先のことを最後に聞こうと思うのですが、5年後、10年後に関して、イメージしていることが何かあれば伺って良いでしょうか。

ゆういちろうさん) 入社して一般の会計からレポーティング、原価計算、いろいろな知識・経験を得ました。今の会社がずっと業績も良くて伸びていけば、今の会社で今の知識・経験を持って経理の部長とかそういったところまで行って、というのが今後の見通しで、今の会社がもし駄目になってしまっても、今までの知識・経験があるので、路頭に迷うことはなく生きていけるのかなと、そういったイメージです。

たろさん)
私も同じく、今の会社で昇進とかほかの事業部を担当しつつ、上がっていけたらいいかなと思っていますし、経理にいってもいいという話があれば、サポートすることからやれたらいいなと思います。
やはり私は経理のことは全然分からないので、そういうのも少し考えつつですね。私も今の会社が自分に合っているし、いられる限りはいたいですし、ずっと今の会社にいられたらいいかなと思っています。

ケンスケさん)
あさって辞めるのですが(笑)。まずは食べることです。食べていけるように頑張ってお客さんを見つけて、将来よほどうまくいけば、アビタスさんのおかげで受かった後にワシントン州で登録させてもらったので、シアトルに支店を出す、それが目標です。

合格者の皆様、今日は貴重なお話をありがとうございました。参加者の皆様は、合格目指して頑張ってください!

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