第87回 USCPA CMレポート
実施日: 2013年4月20日(土)
【Guest】M&Aさん
自己紹介
1992年大学卒業後、広告会社に入社。 媒体(メディアの仕入)担当や大手クライアントの営業担当などの業務を10年以上経験。
2002年頃、当時の広告業界では、ブランドの価値について測定しようという話がトレンドとしてあり、それを測定するのに経済産業省が財務諸表を元にブランドの価値を測るということをやっていて、そのような世界があるというのを始めて知った。
それまではひたすら営業をしていたが、入社して10年以上経っていた事もあり、自分のキャリアについて考えていたタイミングで、アビタスの広告を見て、USCPAの存在を知った。
それからしばらくして、アビタスにて学習をスタート。その頃はまだ営業にいたが、勉強をしていくうちに一度、経理や財務に籍を置いて、真剣に勉強をしたほうが自分にとってプラスになるな、と思い異動の希望を出した。ただ、1回では聞いてもらえず、1年くらい掛けて何度か話をし、上司を説得して、希望を通して貰った。
2004年に経理へ異動。ひと通り勉強を終えたくらいだったが、経理は素人だったので、決算は出来ないだろうということで、予算の仕事をやることに。 予算を作るのは、現場との折衝が多く、現場の事がわからないと予算を立てられないといった面もあり、営業にいて、現場を知っていたので、ちょうど良いだろうということになったと思われる。
予算の仕事をしながら、USCPAの試験を受験し、2006年に全科目合格。 それからも1年ほど予算の仕事をやっていたが、会社の方針転換があり、海外子会社の管理を専門にやる部を経理局内に立ち上げるという話になり、2007年にそちらへ異動。
以降、グローバル事業に携わるようになり、予算を作っているときは、それほど使っていなかったUSCPAの知識も海外子会社の管理をするようになり、始めてフルで活かせるようになった。
東京にいながら、出張ベースで韓国やロシアの海外子会社の非常勤取締役・監査役などを歴任。 2011年5月から現在のデジタル系子会社に異動。今は取締役CFOとして働いている。 子会社の経営管理や投資ファンドを持っているので、その運営管理などをしている。
Q&A
- ゲスト
- 参加者
- 司会
予算の管理というのはどういうことをされるのですか?
それらの数字を本部ごとに一覧にして、役員が見やすいように整えて、渡すという感じです。 予実の差異を分析して、その理由を付けて、という感じです。いわゆる予実の管理ですね。
10数個あるものを全部見るんですか?
数字自体はそうやってわかっても、実際にやっていることはわかるものなんですか?
今の仕事でファンドを運営しているということで、その投資判断をする時にCPAの知識はどの部分が役に立っていますか?
だいたいバラ色の事業計画を立ててくるんですが、そうしたものを精査するときの基礎知識としてUSCPAの知識が役に立っていると思います。
ファンドに投資する際に明確な基準はありますか?
人に投資をするという感じです。それでないとベンチャー投資って出来ないと思っていて、USCPAの知識をベースとして、B/SやらP/Lとかを見ますが、あれを見て分かることって本当に一部ですよね。 そこで分かる情報って限られていると思っていて、整えようと思えば、いくらでも整えられると思うんですよ。
今回のこのコネクション・ミーティングの募集コメントに「勉強したことをどう活かすかは皆さん次第です。」と書きましたが、まさにそういう事だと思っていて、ディスカウント・キャッシュフローってこうやって割引率決めて、こうやって作るんだとかってやっても、あくまでも机の上の話で、実際に会社を見たり、人を見たり、投資の判断をする時にはそれだけじゃダメなんだと思いますね。
会社の中にはUSCPAの方はいらっしゃったんですか?
そうした中で、異動の希望を出して、経理に行けたというのは稀なことだったのでしょうか?
最終的な異動を出された時のビジョンは何かありましたか?
そういう人たちと対等に話をするには、当然、会計知識くらいは無きゃいけないと思っていたんですね。 あとは、、、ちょっとヨコシマな気持ちで、海外CFOというのはおもしろそうだなぁ、とその当時、思っていたのもあります(笑)。
私はまだ勉強している事を会社には話してなくて、話したほうが良いのか迷っているんですが。
そういう形でCPAを活かせる道というのはあると思いますし、私自身も海外に行けるのであれば、行ってみたいと思っています。
やはり海外の現地法人の管理というのは難しいのでしょうか?
やはり同じ目線で仕事をしていかないといけないと思いますね。 親会社なんだからとか、とにかく内部統制上決まっているんだから、「これやれよ」って命令する感じになると反発されちゃいますよね。
これはCPAの知識とはあまり関係ないですけどね。 ただ海外に行った時に使う英語の名刺にはUSCPAと入れてあります。 やはり外国人に名刺を渡すと「おぉーお前はUSCPAか」って言われるんですよね(笑) 外国人には、ハッタリが効くようですよ(笑)。
それだけグローバルな仕事をしている中で英語力というのはどうなんでしょうか?
USCPAの学習スタート時点ではどのくらいあったんですか? 営業にいた時には英語は使わなかったですよね?
韓国に出張で行った時も英語ですか?
今の投資ファンドでは海外にも投資しているんですか?
今、10名程度で会社をやっているという事でしたが、ファンドも含めてですか?
ファンドを経験した方はいるんでしょうか?
今までの仕事の中で、USCPAの知識が一番活きたのはどの仕事でしたか?
そういう意味では管理系の道でずっとキャリアを築こうと思ったら、USCPAの資格は持っておいて損は無いですし、当然のように必要なものだと思います。 特にB/Sがちゃんと読めないとダメですよね。
監査の対応とかはやってますか?
会計基準は日本基準ですよね?それはUSCPAでも問題ないですか?
勉強している時、モチベーションの維持はどうされていましたか?
それと勉強しているときは、学校で出来た勉強仲間がいて、その仲間と情報交換したりしていました。 そういう仲間を作るのも良いと思います。
一緒に働いている若い方で優秀だなと感じる方はいますか?またどういうところが優秀だと感じますか?
そうじゃなくて、誰が聞いてもわかるように説明ができるコミュニケーション能力ってすごく重要なんですよ。 若い人たちでそれが出来る人達ってすごく増えていると思います。
難しいことを難しく話すことは誰にでも出来るし、それは大学教授とかに任せておけば良いと思うんですが、実務って仕事が回らないと困るので、回すためにはどうすれば良いかと考えると優しく教えてあげるしか無いんですね。 そのトランスレーションみたいな事が出来るとすごく良いと思います。
特にファイナンスやアカウンティングは難しくて、皆、触りたがらないんですけど、それを優しく分かりやすい言葉で教えてあげるととても感謝されると思います。
これからのキャリアのイメージはありますか?
以上です。 USCPA合格後から仕事内容がグローバルな世界に大きく変わっていった話を色々と聞かせて頂く事が出来ました。 このレポートでは書けなかった話も盛りだくさんで参加者の皆さんからの質問も多かったです。
「今、合格に向けて頑張っている人たちの為になれるなら、いつでも話に来るので、また呼んで下さいね。」と最後に仰って頂けたので、また是非、協力をして頂きたいです。 ゲストのM&Aさん、有難うございました!