『システム』『会計』『英語』の、2つを身につけたら安泰。3つ身につけたら成功すると言われて・・・。


第90回 USCPA CMレポート

実施日: 2013年6月16日(日)
【Guest】 さちさん

ゲスト紹介

外語大在学中に大学の教授が、「今後、ビジネスの世界において、『システム』『会計』『英語』のうち、どれかひとつは持っていないと生き残って行くことは出来ない。

またこのうちの2つを身に付けたら、おそらく一生安泰、そして、3つを身に付けたら、君はきっと成功する」と言われた。

その時、外語大にいながら、あまり英語は得意ではなかったが、会計は面白そうかもしれないと思い、会計と英語のハイブリッドならば、生き残れるかもしれないと考え、大学在学中にアルバイトで貯めたお金でアビタスの大阪校に入学。

当時はペーパー試験の時代で、アラスカ受験で学習をスタートしてみたが、アルバイトと大学とUSCPAの受験勉強の三足のわらじにつまづき、就職&受験浪人の道へ・・・・。

科目合格をした頃に就活をし始め、全科目合格後、専門商社の経理部門へ就職。同時に簿記2級も合格。

入った会社は小さい会社で、ひとりで全部の帳簿を付ける毎日で面白みを感じられなくなり、数年で監査法人へ転職。

その時はSOXバブルで監査法人も採用を強化している時期で4科目合格だったため、すんなりと採用された。入った部署は金融機関専門のコンサルティング部門。

入社して2年間はSOXの仕事のみ。やがてバブルが弾け、SOXの仕事がなくなるが、会計監査には携わることなく、コンサルティングチームで仕事を続けていくことに。

これから先もコンサルタントとして続けていくために会計と内部統制だけではなくて、他に何か無いかと考え、CIA(公認内部監査人)を取得。その後、さらにCISA(公認情報システム監査人)を取得し、会計面、システム面、業務面とあらゆる方向から会社を見られるようになった。

Q&A

  • ゲスト
  • 参加者
  • 司会

TAXの知識はあまり使わないですか?

それほど使わないですね。基本、税理士法人が併設されていますので、税理士法人のほうにもコンサルティング部門があるとそちらの仕事になってしまうんですね。なので、監査法人側のコンサルティングチームでやることは殆ど無いです。ただやはり監査法人だというだけで、「税法もわかっているでしょ」とお客さんが聞いてくるので、最低限のトレンドくらいは仕入れていますね。 逆に言うと税金で悩んでいない会社ってゼロなわけですよね。

だから、税法の話が出てきた時にそれに詳しいと同じ監査法人の中から引っ張りだこになるんですよ。 なので、自分のスペシャリティーとして、税法の部分を攻めて行くというのは有りだと思いますね。

それはコンサルタントの道で行く場合にも、もしくは会計監査人の道で行く場合にも税法に詳しい監査人というのは重要になってくるので、ひとつの強みになるのではないでしょうか。 USCPAだけじゃなく、プラスアルファがある人は生き残っていると思いますね。

日本だけではなく、米国や他国の話も出来るようにしているのですか?

どれもというわけにはいかないですね。私の場合、金融業界を担当しているので、金融業界に絡みそうな事とかアメリカの新聞の一面に載ったような事は仕入れるようにしています。

Webでチェックしているんですか?

私の場合、日経電子版で知りたいワードを登録していて、該当する記事がヒットすると記事が出てくるので、それをチェックしていますね。 それと公的機関のホームページを見たりしています。

今の監査法人に入って何年目ですか?

丸8年が経って、9年目です。入ってから6年くらいはずっと同じ部署にいたんですが、何年か前から法人の考えでひとつの部門の専門ばかりしていると頭が固くなって良くないであろうと言う事で別の業界だとか、別のチームと仕事をしましょうということになったんですね。

うちの場合、マネージャーからシニアマネージャーに上がる時に2年間、別部署の仕事もしくは、別部署と一緒に仕事をした経験がないとシニアマネージャーに上がれないというルールが数年前に出来たので、私もそのルールに則って、2年前にシステム関係の部署に行って、今、戻ってきた感じです。

異動はよくあることなのですか?

法人によるかもしれませんが、監査法人というのは自分から言い出さないと異動が無いんですね。最初に配属されたチームで嫌ならば、それを伝えればすんなり異動が出来るんですが、逆に一度、入ったら、出て行けとか、来月から別の部署で、と言うことは無いですね。

なので、自分のキャリアと所属している部署が合わないと思ったら、社内営業を掛けて異動するのは結構簡単にできると思います。

マネージャーになるまではどのくらいおきに昇格していくものなのですか?

今は不景気なもので、昇格が止まっていたりしているんですが、通常、ジュニアが2年、スタッフが4-5年、シニアスタッフが3-4年で、マネージャーになると売上次第ですね。それとパートナーになると席の数が決まっているので、なかなか上がれない人もいます。 ちなみに私はSOXバブルの頃に入ったというのもあったので、ジュニアスタッフを半年、スタッフを2年、シニアスタッフの時は流石に不景気になっていたので3-4年やった後に今のマネージャーになりました。

期間というのは、業界そのものに言える事なのですか?それと例えばシニアで働いていて、他の法人に移ってからも同じシニアで働けるのでしょうか?

期間については、ほぼ同じくらいですが、法人によって若干の違いはありますね。 ただそれは法人の違いと言うよりも法人の景気によって左右されるんだと思います。出世が早いと言われている法人もあれば、逆もあります。ただ出世が最初、早いところはあとが遅かったりしますね。

他の法人で働く知り合いに聞く範囲だとおそらくうちは標準的なところだと思います。 他の法人に転職した後はどうなるかという点に関しては、基本的には引き継がれます。 ちなみにお給料もシニアスタッフまではどの法人もあまり変わらないですね。

ワーク・ライフ・バランスは取れていますか?

入ってくる仕事によります。監査法人で会計監査のチームに入ると「仕事するときは仕事する」、「遊ぶときは遊ぶ」というメリハリがある程度付けられて、最近は四半期決算になったので、平準化されてきていますが、以前は決算が終わるまでは物凄く働いて、終わった途端に有給扱いで1ヶ月休むような感じでしたね。

で、コンサルの方はプロジェクト単位なので全く読めないです。 プロジェクトとプロジェクトの端境期のときは17時半にあがれますが、忙しい時だと一日19時間半、週に7日働く、という感じが半年間続く、という時もあります。

これらも担当する業界やお客さんにもよって、ファンド監査とかになると365日ずっと仕事はあるんだけど、夜中まで仕事するという日はなくて、毎日夜19時までは仕事をしているという常にそこそこ忙しいというチームもあります。

端境期などの仕事がないときには、何をするんですか?勉強をしたりするのでしょうか?

それは部署にもよりますね。 コンサルチームは、勉強は家でしてくれということになります。コンサルタントはスポットジョブなので、ひとつ仕事が終わったら、次に仕事が来るかわからないので、常に営業をしなければならないんですよね。暇になったら、次の仕事のための資料を作るということをスタッフレベルから求められます。 一方、監査チームは基本ずっと継続なので、仕事がなくなる不安感は無いんですね。

むしろ今の仕事のクオリティーを高めて行って、次の継続を確実にするほうが重要で、一人一人のスタッフの品質が上がったほうが良いので暇だったら勉強しなさいという感じです。

内部で研修はありますか?

ありますね。監査法人は、日本の公認会計士協会が日本の会計士にCPEを求めているので、それに従って、監査法人としての倫理研修だとか、会計や税法関係の研修を受けて、年間何単位受けなさいとなっています。それを日本の会計士でなくても原則全員受けなければなりません。 ただその研修はUSCPAのCPE単位には認められないものもあって、うちの法人の場合には登録制で年間40単位まではアメリカの研修コースを受けて、単位を取った分は法人が補填してくれて、それを会社側の研修に振り替える事もできます。

したがって、監査法人にいれば、CPEの事はあまり考えなくて良いと思います。ただその研修を受ける時間があるか、という問題はありますけどね。

営業はどのように仕事を取ってくるのですか?

監査法人は、全員がプレイヤーであり、営業なんですよ。 

一般的な会社だと営業がいて、企画がいて、製造ラインがあって、、という形だと思うのですが、私たちは労働力を売るという仕事なので、私自身が商品なんですね。

なので、「商品が自らお客さんのところに行って、商品をアピールしてこい」というのが会社の考え方なので、基本、営業もしますし、サービスの提供もする事になります。 したがって、営業部隊が別にいるとかって事は基本的にはないです。 ただ若干、やっていくと話がうまくて営業が得意な人と凄く能力があるんだけども営業というよりかは現場寄りの人という感じで分かれてきたりもしますね。

でも基本は自分で仕事を取りに行って、自分で仕事をするというのが原則です。 で、監査チームは飛び込み営業というのは無いですですが、コンサルチームは飛び込み営業まではいかないですが、若干、それに近いものはあります。

問題が解決しちゃえば、コンサルは要らないので次の問題を見つけて売り込みに行かないといけないんですね。 なので、ひとつは一個仕事をしたお客さんに対して、「この問題は解決したけど、見ているとこっちも問題じゃないですか?」というアプローチをしたり、あとはある会社でうまく行った例を別の会社に持って行って、「こちらの会社ではこういう問題はないですか?」というアプローチをする営業もあります。

それと講演をするというのも営業のひとつなので、私も講演をしたりするのですが、そこで名刺交換をして、その後にそのお客さんのところへサービスの紹介にあがって、「何かあれば、お金のかからない範囲でお話を聞きますよ」という事で何回か足を運んで、その後の仕事に繋げていくという感じです。

したがって、比較的コンサルの営業はいわゆる営業に近いですけども監査チームのほうは今いるお客さんと継続できるようにやっていくという感じです。

英語は使いますか?

英語は出来たほうが良いですね。 

私は英語がとても苦手なほうなのですが、今の部署は上司が全員英語を話せるので、あまり困らなかったんですね。

ただ先ほど話したように2年間別の部署に行った時に、そこの上司がまったく話せなかったんですよ。そこではUSCPAだということで任された部分がありましたね。

やはり英語ができるとお客さんのパイが変わってきますし、サービスのパイも変わってきますし、情報量に関しても日経だけじゃなくて、海外のWebサイトを読んだりできますので、英語は出来るようになっておいたほうが絶対に良いと思います。

それとUSCPAの勉強をすると英語力が付きますよね。私はUSCPAの勉強をする前はTOEICで600点くらいだったんですが、USCPAに合格した後に何も勉強せずにTOEICを受けてみたら、900点近くあったんですね。

やはりリーディングパートは力が付きますよね。あれだけMCカードをやるので、英語の感覚が付くんだと思います。なので、皆さんがUSCPAに合格して、転職をするときにはTOEICテストを受けて、履歴書に英語力を書いて、転職活動をすると良いと思いますよ。

実際、それで入って、英語を使う環境に行けば、何とかなりますし、さらに英語力はついてくると思います。 英語ができると仕事の幅がグッと広がると思います。

勉強している時のモチベーションの維持ってどうされていましたか?

ひとつは監査法人に入りたいというのはありました。それと受験仲間がいたというのが大きかったと思います。ペーパー試験の時は今と違って、受験日が年に2回しか無くて、受験生は皆で同じ日にアラスカまで行っていたんですよね。

なので、やはり仲間意識が強くなったと思います。 一緒に勉強をしていると科目合格する人が出て、「私もがんばろう!」とか、なかには諦める方もいるんですけども、諦めたと思ったら、また復活する人がいたり、そういう人たちと一緒に連絡を取り合って勉強を続けて行ったんですね。

その人たちとは10年以上経った今でも連絡を取り合っていて、集まって一緒に食事に行ったりだとか、仕事の紹介をしたりだとかしています。そういう仲間がいたというのは本当に有難かったですね。

合格した後も同じ業界で働いていくことが多いと思うので、勉強している間も、合格した後も良い仲間になるんじゃないかと思うので、皆さんも一緒に頑張って貰えると良いと思います。

以上です。 監査法人で働いていくというのは大変なイメージがありますが、その大変な事も楽しみながら、やっているように見受けられ、話を聞いていて、とてもうらやましく感じました。

ゲストのさちさん、有難うございました!

PR

USCPAの転職ならアビタス

他の人にも教えてあげる。



USCPAの事がよく分かる資料を無料でお届けします。


USCPAの資料を取寄せる



SNSでもご購読できます。