第82回 USCPA CMレポート
実施日: 2013年1月26日(土)
【Guest】MEさん(女性)
自己紹介
日本国内メガバンクの1つである銀行にて支店資金管理を経験後、渡米し米国内の大学会計学部に留学。
留学中は午前中に授業を受けて、夕方前くらいからプライベートのUSCPAファームにインターンシップで働く毎日。卒業後、すぐにUSCPAファームに入るのは難しかったので、サンフランシスコのIT系事業会社にてアカウンティングマネジャーを2年半経験。
その後、ロスのプライベートファームに転職した。 中堅どころの会計事務所で、やることは色々。2-3割は地元の企業、7-8割は日系の小会社だった。ここの仕事を3年経験した後に日本へ帰国し、Big4系の税理士法人に就職。
税務申告書用意及び給与のグロスアップ計算の仕事をやっていたが、とても忙しく、仕事自体にもあまり興味がなかった。
そんな中、日本へ帰国する1年前より受講開始していたアビタスの通信教育に集中するため半年後、グループ自体の売上もあまり良くなかった事から税理士法人を退職。
グローバルに店舗を展開する大手ファーストフードチェーン店系の会計コンサルタントとして個人契約を結び経験を積みながら1年半で合格し、現職の会計コンサルティング会社に転職し、コンサルタントとして主に内部監査、USSOX評価、クライアント企業の業務改善支援等に関わっている。
今の仕事でUSCPAの知識はどのように活かせてますか? また、具体的にどういうお仕事をされていますか?
今の仕事は、内部監査と内部統制評価ですね。両方とも共通して言えるのが、まずその業務をすすめるにあたってクライアントのところに行って、プロセスを聞くんです。例えば、私が、2週間のプロジェクトで、あるクライアントに一人で行ったんですが、「御社の内部監査ぜんぶやりますよ」ってケースと、「内部監査部があるんだけど人が足りないもしくは海外から日本の子会社を監査しに来た内部監査人が言語等の関係で、コンサルティング会社から人を雇って行なう」っていうケースがあるんですね。
その時のクライアントは後者の方で、「人手が足りないからやる」ってケースだったんです。
人手が足りないっていうのには理由が2つあって、単に人員が足りないか、できる人がいないか、もうひとつは、グローバル展開している会社で、アメリカにヘッドクウォーターがあったら、アメリカに内部監査部門があって、彼らが日本に来たり、そこの会社が持っている他の国の子会社に監査しに行くんですね。そうすると内部監査人が日本に来て内部監査しようとすると渡航費がかかりますよね。
なので、私たちみたいなのを雇って、内部監査に行かせるわけですね。 その時は、内部監査室がシンガポールにあったのでリモートで私に指示してくるんですよ。そのクライアント先のミーティングルームを1つ貸されて、私がそこを作業部屋にして、内部監査の一連の作業をしていくわけです。
気になる所があれば、人事の人を呼び出して、経理の人も呼び出し、ファイナンスの人も呼び出して、という風に作業を進めていきます。 USCPAの知識という意味では、クライアント先での会話が、英語だったりするので、やはり会計の専門用語が英語でわかっているという事と会計基準。あとAUDITのフローチャートがありましたよね。
あれを理解できている事、アメリカにいた時にUSCPAファームやITの事業会社で働いていたので、経理部門がどうなっているかとか、財務がどうなっているか、というのは知っていたのでそこも活かせましたね。
それと名刺にUSCPAと書いてあれば「お!」って思わせられますので、その部分も活きていると言えると思います。
今の会社は何人くらいのチームでやっているんですか?
30-40人います。所属しているのは、内部監査とSOX評価をやる部門です。それを中心にやるんですが、うちの場合、グループセクションに分かれてるんですね。例えば、私がひとつのところにストラクチャー上、はまっていても別の仕事に私の経験がはまるんだったら両方やるんです。 USCPAはそれほどたくさんいないと認識しています。
30~40人いるうち、実際何人くらいUSCPAがいるんですか?
マネージメントは皆、持っているのでマネージメントは抜かすと10人くらいだと思います。留学して帰って来たという英語を話せますっていう人がいるんですけど、USCPAを持っていますっていう人がそんなにいないですね。
JCPAの方はいないんですか?USほどはいない?
いますよ。ちょっと彼らとあんまりお仕事しないので…どのくらいかわからないのですが、少なくはないです。 USCPAよりかはいますね。
では、まったく会計系の資格を持っていない人の方が少ない感じですか?
そうですね。逆にBig4だとUSCPA科目合格しているか、あとは、もうすぐ受かりますみたいな人が多いように感じます。私も面接で、「あとどれくらいで受かるんですか」とか、受かってる前提、今後、受かる前提という感じでした。
その30~40人の中で常に一人で動くわけではないですよね?
その時のお仕事によります。一人で行ってくれっていうところもありますけども、5-6人のチームになって、半年間、そこの会社にかかりっきりというところもあります。コンサルティング会社というのは、お仕事が常に入ってくるじゃないですか。営業の人たちが仕事を取ってくるんですね。いろんなプロジェクトが何十本も走っている中で、新しいプロジェクト契約を取ってきましたっていうと、そのプロジェクトがある期間にスタッフが空いているかどうか、マネージャーの中でどういうソースが必要かを考えて、人事に行って、「こういうバックグラウンドがある人で、この時期に空いていませんか」っていうと、人事でパズルが始まるんです。
持たされるプロジェクトの数はどのくらいですか?
私は掛け持ちしたことないですけど他の人は掛け持ちしているのを聞きます。例えば、半年間、毎日7時間いるわけではないエンゲイジメントもありますし、後半の半年が週3日だと、そんなうまい具合にピッタリはまるお仕事ってないんですよね。掛け持ちできる範囲であれば、スタッフ、シニアスタッフの人は二つくらいは持っていると思います。 マネージャーの人もたくさんマネージしているのでいくつか持っています。
私はもともと事業会社にいたのですが、個人的にプロフェッショナルファームが好きで、今はいろいろなクライアントがいて、そのクライアント先や様々な業種のファイナンシャル・ステイトメントとか内部のことを見られるところに凄い魅力を感じています。
もちろん事業会社にいれば、凄く深く知れる部分もあると思うんですけど、どの仕事でも、プロフェッショナルとしてクライアント先に行っていて、その会社を深くまで見る機会がたくさんあるのでとても知識が増え経験にもなります。
今の会社はどのような方が多いですか?
うちの会社に中途で入ってくる人たちは大体それぞれ業界に詳しい人で、経理経験者以外を採用しているっていう感じです。いろいろなインダストリーから人を採っています。ITと金融は結構採用していますね。商社の人もいますし。 私みたいに丸々、会計バックグラウンドですっていう人はそんなに多くない感じですね。
金融やってた人、ITやってた人をわざわざ採用するメリットはあるんですか? Webで調べたりすれば十分じゃないかと思ったりもするのですが、やはり公に出ていない事とかなのでしょうか?
そうですね、まさにそこは専門知識ですよね。中にいた人、実際に業務をやっていた人のほうがよくわかっているわけですよね。webサイトとかでリサーチできる範囲が限られているので、実際に業務をやられていた人をこちらサイドに付けて、お客さんのところに話をしに行ったりすると話が早いんですよね。 そういった理由が一つあります。内部のことたくさん知っていますもんね。
人によってこの業界だって絞って仕事している方もいれば、会計のIFRSの対応だけっていうそのポジションというか、コアなスキルを中心にやっているって人がいたりするのでしょうか?
自分の希望が通る時と通らない時があるので、元々IFRSのチームにいても他のところに行って仕事をしたり、ここだけにいたいと希望してもいられるかどうかわかんないですね。IFRSの知識を持っている人が、例えば私しかいないっていう場合には、IFRSの仕事が入ってきたらIFRSばかりやって、他にやりたい仕事があっても、やれないというのがあるので、人によってというよりも、半分人事のさじ加減、あとは自分の希望と仕事の入ってき方次第ですね。金融のプロフェッショナルチームがあるのに、金融の仕事が少なければ、他の仕事をやらされたりしますし、他の凄い初心者みたいなことをやることもあります。
では、ちょうど自分の今の仕事が終わって、次の仕事が入ってきたタイミングとか他の様々な関係によってずっとやっていくこともできるし、そうでないこともできるという事ですか?
そうですね。一応人事には希望は言っておけるので、私のスケジュールとその時に入ってきたお仕事と、全部のシチュエーションが合致したらそこに行けるのではないでしょうか。大体1年先まで決まっているんですね。私は今入っている仕事が6月まで、あとはその先、来年初めくらいまでは予定が入っているので、この半年間の仕事が終わって、次、どうしようじゃなくて、結構先まで決まっているので、希望を先に言っておけば通ることもある、そんな程度です。
今のお仕事の魅力としては、色んな業界を見たりできることだと思うんですけど、他に今の仕事でどのような事があるから魅力があるとお考えですか?
うちの会社は、会計メインなのでバックグラウンドが最大に生かせるのが一点。それと何しろコンサルティングなので、事業会社を抜きにして税理士法人、監査法人、コンサルティング三つに分けるとすると、
コンサルって他の税務、監査と違って、どちらかと言うとクライアント寄りに「助けますよ」という側なんですよね。いろいろとやりとりをしながら、相談してクライアントの中の業務形態を変えて行ったりすると感謝されるんです。
会計監査は元々そういうお仕事じゃないわけですけども、コンサルの場合には、クライアントの成長を見る事が出来たりするんですよね。
アメリカの大学に留学されたという事で、私もとても留学に興味があるのですが、行ったのは大学院でしょうか?2年間ですか?
3年間です。Undergraduateでした。
確か向こうの大学を出ると、現地で一年間か二年間か働けるんですよね?
一年間ですね。 私が向こうの大学出てすぐ入ったのはITの会社です。そのあとにLAのUSCPAファーム。 で、その在学中には、違うサンフランシスコにあるUSCPAファームにインターンしてました。
海外に留学へ行くのって限度があると思うのですが、海外へ行く時期っていうか年齢的には、だいたいどれくらいまでだったら、大丈夫なのでしょうか?
アメリカの大学って、語学学校もそうなんですけど、色んな歳の人がいるんですよ。日本みたいに大学生だったら、どれくらいの年のレンジの人がいるよねっていうのがなくって、おじいちゃんもおばあちゃんもいるし、50-60歳の人もいるし、日本はクラスメイトでもだいたい同じような歳の人ばかりですけど、アメリカは全然違っていました。
アメリカ人の中でも、社会人になってから学校に戻ってくる人もたくさんいるんです。なので、すごいバラバラなんです。 そういう意味では向こうで浮くか、浮かないかって言ったら、絶対に浮かないんですけど。
日本で3年くらい働いて、向こうに行って、マスターを取るってのは、有りだと思います。
むしろ、MBAとかは実務経験が必要だったり、平均年齢が30歳以上だったりしますよ。 仕事が一回中断しちゃうっていうのも30歳前だったら全然、アリだと思います。
オススメなのが在学中にインターンは行ったほうがいいです。在学中にどっか入って、経験積んだほうが、良いと思いますね。
今後の仕事でやりたいこと、こうなっていたいとかいうイメージとかはありますか?
そうですね。もう転職はかなりしたのでする気はないんです。 私の勤務先の会社のウリである内部監査と内部統制の知識がないので、これから深めていって、マネージャーくらいになれればなって思っています。あともう一個くらい資格を取りたいんです。今、会社の中で一つは資格取りましょうって謳ってる中で、やはり2つめを取りたいので。 前に内部監査はUSCPAを持っているならば、特にいらないのではと言われたんですよ。
なので、自分で今、一番興味がありますし、会計が好きなので、多分、国際会計基準の資格を取ると思います。
じゃあ、転職する気は全くないんですね。よくコンサルは3年くらいで、、とか言われますけど。
いや、本当に転職する気は全くないですね。 みんなはそうですよ。うちの会社だけじゃなくて、ターンオーバーが高いです。Big4に行ったり、来たりと、あそこらへんだけで完結しちゃっているんじゃないかというくらいです。
事業会社に行く人もいるんですか?
いますよ。逆に事業会社の経験なしにいきなりコンサル入ってきた人は大体、事業会社に行きたがりますね。USCPAを取得すると色々な道が出てくると思いますので、皆さんも是非、合格目指して頑張ってください。
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