第94回 USCPA CMレポート – 経理担当者からの脱却特集!
実施日: 2013年9月28日(土)
【Guest】 Takaさん
USCPA ゲスト紹介 大学卒業後、印刷業界販社の経理部門にて経理の基礎を学ぶ。 大学で会計を学んでいたわけではなかったので、簿記3級から始め、固定資産の管理や、決算書の作成などを経験して、4年間勤務。
その後、一部上場の機械工業系商社に転職し、様々な業務をしていく中でマネージャーになり、3年後に米国のシカゴに行くことに。 100名ほどの子会社で、経理の責任者として会社全体を見ることが出来た。
3年後に帰国し、同じ会社のメーカー部門の管理会計の責任者として原価計算などを担当。 その後、米系エンターテイメント企業に経理マネージャーとして転職した。 USCPAは米国赴任中に取得。
USCPAのTAKAさんに質問
- ゲスト
- 参加者
- 司会
社長・CFOに必要な情報をレポートするような業務に興味があるのですが。
戦略や事業計画というのは、ビジネスセンスがある人がわかるところだと思うのですが、一方、PLやBSは会計をやっていない人にはわからないですよね。売上と利益は何となくわかると思いますが、繰り延べ税金と言われてもわからないでしょう。
ですので、社長やCFOと話ができる人の中では経理屋というのは本当にお得な役割と思います。ここがわからないと話がなかなか続かない事になってしまうので。 ですので、皆さんがUSCPAの勉強をするというのは、凄く良い方向だと思います。
ただの経理のインプットなどの業務から離れて将来的にマネージメントと近いところで仕事をする為にもとても良い知識が得られると思いますので是非、皆さん頑張って勉強して下さいね。
経理屋の責任範囲とはどのようなものなのでしょうか?
ただ、この3つ全てを理解すればよいかというとそれだけでは足りません。それに加えて、仕事のやり方を工夫することでプラスアルファの価値を提供できる人が売れる経理屋になるのだと思います。
売れる経理屋って具体的にどういった人でしょうか?
そのタイミングで先に言ってもらえれば、報告を受ける側は何らかの対応策を考えられます。期限を守れればそれが一番ですが、仮に間に合わないのであれば、前もって必ず言う事、というのが大切だと思います。
次に「オプションの用意」です。 「私はこう思います」というレポートを出すだけではやや足りないですね。 「この場合はこうですが、別の見方をするこうなります」というものを3つくらい用意しておくと、相手は「これだけ考えているんだな」と思うわけですね。
そして、3つ用意しておけば、相手の気に入るものが含まれる可能性も高いです。「可能性を高める」というのがひとつ、「こんなに考えてきたのか」という安心感を与えるというのがひとつ、さらに「そこから本人に選ばせる」というところで、オプションを用意出来る人はかなり強いと思いますね。
そして最後に「ストーリー」というのが凄く大切になります。 経理の資料には細かい数字がズラズラと並んでいるわけですが、その資料で何が言いたいのかがわからないことが多いです。数字が並んでいるだけだと忙しいマネージメントの人が見てすぐに理解するのは不可能なのです。
ですので、その資料で一番大切な事を2行程度で書くようなトレーニングをすることが大切だと思います。
その過程で大切な部分に丸を付けるなどの工夫をし、必ず説明をしたい場所に目を向けさせる表の作り方が出来るようになると「こいつの言うことはわかる」という事になって、信頼関係が築かれて、新しい仕事が振られるようになると思います。そうなればキャリアの幅も広がっていくのではないでしょうか。
ふだんの経理業務の中で楽しみってありますか?
次の会社に入ってから、凄くうまく行ったなと思ったのは「固定資産の管理」です。あまり管理が出来ていなかったため、前職での経験がある私に「やってみてくれ」と言うことで担当しました。当初の管理が出来ていなかったこともあり、ちょっとしたものを導入するだけでとても良くなって、それが評価され、「今度は、現物の管理だけではなくて予算の意思決定のプロセスも作ってみて欲しい」という事になりました。
やったことは無かったのですが、それを作るようになるとまた評価が上がっていくという具合で、固定資産には本当にお世話になりましたね(笑)
メーカーの買収もやりましたが、メーカーのバランスシートを見て、Inventoryが5億円と載っているのを倉庫に行って目で見てくるんです。
そのメーカーの材料がどれだけ価値があるのか正確にはわからないですが、「これは明らかに錆びている」というのはわかります。「バランスシートには5億円と載っているけど、実際には2億くらいでしょ」というようにフェアーバリューに直し、「今の資産の価値はこれで、将来の事業の価値はこのように考えています」という形で買収価格のラフな案を出すという業務でした。
この辺になるとやった事のない業務の連続だったので、本当に面白かったです。 幅広く業務を経験させて貰った中で共通することは、計画を立てて、誰が何をやるのかの役割を決め、一人ではなく周りを巻き込み、進捗を確認し、適宜報告し、あるべき結果が出せるように色々なことをマネージしていくということです。
どの仕事も経理をベースとして、色々なところに業務が広がっていき、信頼関係が出来て、評価されるというのが楽しみだったと思います。
同じ経理業務でも会社によってやり方が違って、転職すると一からやり直しという事になると思うのですが、その辺りはどうでしたか?
簡単だけれども効果が大きいという改善をひとつ成功させると、新しく入ってきた自分を周りが評価してくれるようになります。 一度、そういった成功体験を作ると回って行くと思います。
そのように3ヶ月間は何もしないというのは何かそういった事を経験したからだったのですか?
一番大きな失敗はどんな事でしたか?
結果として私がした相談はやり方はまずかったけど、内容は良かったというところで救われて、事無きは得たのですが、レポートのラインというのは状況によってはものすごく大切なんだなと改めて思いました。
それ以来、メールを書くにも何をするにも「この人で良いんだよな」ということを意識して仕事をしています。
私は経理未経験で、勉強をしているのですが、USCPAで学んだ知識というのは活かせていますか?
ですので、是非、未経験であってもやるべきだと思いますので頑張ってください。
アメリカに行った時にもUSCPAを取得している方というのは周りに結構いたのですか?
それは日本人の方ですか?
USCPAはわりと楽に取得が出来ましたか?
その当時、アメリカに住んでいて、すぐ近くで受験も出来て、1科目ずつ受験が出来たというアドバンテージがあったというのはありますね。
バックグラウンドを読ませて頂き、前に積み上げてきた経験を活かされて、会社に貢献されているのが素晴らしいなと思ったのですが、そういったものって自分の価値を自分でちゃんと見いだせるという事と自分が何をしたいのかというのをはっきりしないと行けないと私は思いまして、自分が出来る準備というか、自分の価値の棚卸しみたいなところとそれをうまく汲み取ってくれる相性の良い会社というところのバランスってとても大事だと思うのですが、どのようなポイントで会社を探してきたのでしょうか?
私が今の会社に転職する時には30社くらい受けたのですが、業務内容もありますが、結局は人や雰囲気が大切だなと感じたので、そういったところで選びました。
とにかく色々な会社に応募して、見て、選ぶと良いと思います。3-5社に応募するくらいですとなかなか自分に合った会社は見つけられないのではないでしょうか。
1社目から30社目までかなり時間があると思うのですが、返答を待ってくれるものなのですか?
どんなことをやるのかというのは面接の段階で話すのですか?
転職の際にはこういうことをやりたいというのを出していたのですか?
自分の下に人を採用するとしたら、どんな人を欲しいと思いますか?
私は今、IT系の企業で働いていて、金融系のシステムのサーバーメンテとか構築などをしているのですが、CPAを取得後のキャリアというとどのようなものがあると思われますか?
今の会社の事とか、やっている仕事について詳しく教えてもらえますか。
数字を集めて、「今期の業績はこうなりそうです」というのを3分くらいで説明できるようパワポの資料を作ったりしています。 それ以外では、各部門が作ってくる予算をまとめてみると、足りなかったり、逆に多すぎるなんて事があるんですね。
そうした時に各部門の人と相談しながら、会社全体としての予算を作ります。それと中期計画を年に一度作りますので、そういったもののデータ集めからプレゼンの作成などをやっています。
まさにそうした予算を作ったりとか計画を立てる仕事に興味があるんですが。
例えば100億円利益が出るという計画を立てていたとして、今の見込みだと105億円になりそうだけれども、出来れば計画通りに着地させたいというようなことがよくおきます。その時に経理屋の人はバランスシートを見て、Inventoryの評価損をここで立てるべきだというような事を提案出来るんですよね。
そういった意味で経理の勉強は凄くプラスになると思います。 それが出来ないと、105億円という数字で着地してしまいます。会社は継続的に成長することが求められますから、そうなると次の期が辛くなるんですよね。
出来る限りマネージメントが求める数字に決算を近づけるために財務諸表を見て、うまくPLをコントロールできるようになると良いと思いますね。
実際、そういう仕事に就くにはどうしたら良いのでしょうか?
簿記は出来ないけれど、管理会計は出来ますというような人が転職してきていました。 ですので、金融機関で働かれているならば、そういう方向はあるのかな、とは思います。
今の会社での目標はありますか?
そういうことは仕事しながらアピールされるんですか?
他人はそれほど見てくれていないので、言わないとなかなか難しいですし、なるべく自分から声を上げていくと良いと思いますね。
前の会社は日系だったということですが、日系と外資系でカルチャーの違いを感じることはありますか?
会社は安定していますが、トップの方は本社から物凄いプレッシャーを受けています。どこの外資もそうだと思いますね。
目標の立て方で悩んでいて、半年とか一年おきに自分のレビューをして上司と面談する機会があると思うのですが、そういう時に自分の振り返り方と次にどういう事をやっていきたいかの考え方ってどういうふうにされてきたのでしょうか?
普段の仕事ではどの程度英語は使っていますか?
前の会社は英語を使う機会が殆ど無くて、英語を使う機会を求めての転職もあったという事だったと思うのですが、報告なども英語になるのですか?
私はアメリカの監査法人で仕事の経験はあるのですが、日本で働こうと思った時に日本での会計経験がなくて、日本のGAAPの事についてあまり知らないので、そこのギャップを埋めないと行けない部分がかなりあるのかなと思っていて、どこに着地をすれば今までの経験が活かせるのだろうと思っているのですが。
ただ、取締役会に報告する為の書類は日本の会計基準で作る必要があるので、USGAAPの数字をベースに、日本との差異に関する取引を入れて、組み替えて日本の会計基準になおします。
その組み替え部分はルーティンワークになっていて、毎期、毎期金額が変わるだけなので、会社がお付き合いしている公認会計士の方に手伝って貰えば良いですね。 ですので、日本の会計基準については、それほど不安に感じなくて良いと思います。
どこの外資系企業も日本の公認会計士っていないものなのでしょうか?
ですので、日本のCPAは、勉強する量のわりに報われない資格になりつつあるなと思っていて、USCPAの方がお手頃で良いのではないかと思っています。
簿記は何級まで合格されていますか?
簿記2級に合格後にUSCPAを勉強されたんですか?
今のプランニングの仕事は管理会計の知識を使うのでしょうか?財務会計の知識はどうでしょうか?
今の会社への転職の際に採用側に最も評価して貰えたキーポイントは何だったと思いますか?
そこのコミュニケーションは好きですというのを面接の中で伝えていき、面接官との相性もとても良かったというところですかね。
その中でどういうことをやってきたかという成果を具体的に話すんですよね?
USCPAを取得する私達に何かメッセージみたいなのはありますか?
毎年、少しずつ確かに進んではいるんですが、人に話せるような成果ってなかなか出していなくて、自分では結構、やったつもりなのが、上司には全く伝わらないし、必要ともされていないことがあるんですね。
上司の仕事は業務をまわすのは勿論ですが、良いパフォーマンスを出すのに加えて、人を育てることだと思います。人を育てるということは、スタッフ皆に期待をしているはずですので、頑張ってください。