第100回 USCPA CMレポート
外資系IT企業特集!
実施日: 2013年12月21日(土)
【Guest】 ゆうじさん USCPA
ゲスト紹介
大学卒業後、外資系の大手IT企業の新卒で入社。
以降約10年間、一貫して大手金融機関を担当するセールスとして、クライアントの経営課題を解決するためのITソリューションを考え続ける毎日。
仕事内容は営業活動の基本としてのクライアントの財務状況や経営成績の分析から、具体的な提案内容の組成まで多岐に渡っている。
キャリア的に今、考えていることは、セールスとITにどう会計を組み合わせるかという点を考えているのとずっと金融向けのセールスなので、その幾つかの柱をどう次に繋げていくかを悩んでいる。
資格を取ったからには、経理・財務・ファイナンスの部門に行くか、監査法人に行くか、というところで、社内にはファイナンス部門への異動をお願いしている。
ゲストのゆうじさんに質問
- ゲスト
- 参加者
- 司会
今いる部門について詳しく教えてもらえますか。
その部門で働く上で、USCPAの知識は活きてきたりするのでしょうか?
その中でうちのシェアはどれくらいなのか、何%なのか、じゃあ次に何%まで押し上げようという事で、どういう営業活動をするかというのをディスカッションしますね。 本当は日本の会計士が良かったんですが、働きながらは無理だなと思ったんです。
それで会社も外資系ですし、当時、ファイナンスの部門にいた友人いわく、日本もUSも関係ないよって言うことだったので、USCPAを目指しました。
社内では日本、USに関わらずホルダーの方は多いんですか?
監査法人か外資系のファイナンス部門に行けたら良いなと思っているんですが、仕事でITをちょっとかじっている程度でUSCPAの合格後に外資系企業へ未経験で転職が可能だと思いますか?
売上が伸びていれば、コーポレイト部門のポストも増やすので、知識があって、英語ができれば採用してくれるかもしれませんが、ポストがない状態だと誰かを外す必要が出て来て、その外す人以上に今の時点で仕事が出来るのか、というのを問われるわけです。
それだと当然、未経験なので、出来ませんって話になりますよね。したがって、業績が伸びて、業務が拡大しないと難しいと言われています。
英語力というところでは、どの程度のものを求められるのでしょうか?会話でも交渉が出来るレベルなのか、仲間内でコミュニケーションが取れるレベルなのか。
御社の場合、日本に来て長いと思うので、社内が日系的だったりするんじゃないかと想像しているのですがどうですか?
USCPAの合格前後を較べて、営業の仕事において任される内容が変わったというのはありますか?
あとキャリアについての考え方という意味だと会社の外に出ることに対して準備をしたり、心がけるようになりましたね。
自分が転職をするとしたら、自分の強みってなんだろうって棚卸しして、それだとITと金融というキーワードが出てくるので、それらを組み合わせてどのようにするか、それを転職活動の際には、目に見えるようにしないといけなくて、出来るだけ書類に書けるようにする必要があるので、ITの資格を取ったり、FPを取ったりしています。
自分の強みに対して、「見える化」していくという事が大事ですよね。 それとうちの会社はTOEICだけは人事上、登録する欄があって、730点以上ないと部長職以上には上がれないということになっています。
全員受験しないとダメなんですか?
ふだんの業務の流れはどんな感じですか?
そういうスタイルで、会社に全く行かない日もあります。 仕事は早い時は19時に上がってしまう時もありますが、遅いと23時位ですね。タクシーで帰るなんてことは殆ど無いです。
やはりビジネスがあれば忙しくなるし、無ければ暇なんですよね。 でも、暇だとそれだけコミッションが入らないので、それは良くないことなんですけども。
会社に行かない日もあるという事ですが、普段の業務は、どのような事をされるのですか?
それが終われば、あとは事務手続きだけなので、ハンコを押してもらって、契約成立となります。 成立すればセールスの仕事としては終わりなので、また次の案件に、と言う事になります。
最初にされていた話で、会社自体の課題とか、財務分析をされるという事だったのですが、それは営業部門で全て行なっているんですか?
私の場合、保険業界が長かったので、生命保険とか損害保険とかそのものに対して詳しくなっていますね。
そういう商品自体にも知識がついてくるんですね。
でも、同時に保険なので、引当金を積まないと行けないんです。 なので、そこの計算は非常に難しくて、保険業界の財務諸表って複雑なんですけども、例えば、事故率というものに応じて一年間に10万円の自動車保険を契約したとしたら、10万円が売上で、利益が幾らなのかっていうのは凄く複雑で、そこは私もよくわからないんですが、それが生命保険になるともっと複雑になってくるんですよね。
基本的には10年、20年、30年という契約なので、最初は保険料の殆どは引当金にあてないといけなくて、利益って殆どでないんですよね。 こういった事がわかってくるとお客さんともより突っ込んだ話が出来ますし、ITの営業のくせに良く知っているな、ということになるわけですね。
そういった会社のシステムなどを見て、具体的にはどのような提案をされるのでしょうか?
また保険の例になってしまうんですが、日本は生命保険に入っている方はとても多くて飽和状態なんですね。90%くらいの加入率だし、人口は増えないし、という状態なので、パイがないんですよ。
じゃあどうするかというと子供の段階から取り込むとか、お年寄りでも入れる保険を開発しているんですね。 その場合に重要になるのが、誰だったら保険に入ってもらっても損をしなくて済むかですよね。
血液検査の結果は良くはないけど、病気にはならないという人にいかに入って貰うかというのが肝だったりするんですね。そうした時に過去、こういう状態だった人がどういう推移で病気になったのか、もしくはならなかったのかという統計情報を集める必要があるんです。
そういう部門が保険会社にはあるんですが、じゃあ、そういう統計情報をどうやって集めるのか、どういうインフラが必要なのか、どういうデータが必要なのかというのを組み合わせた時に、ハードウェア、ソフトウェア、そして、アプリケーションも含めて提案をするんですね。
そして、これを分析する人たちに使ってもらいましょうとなります。 そうした時に経営者はそれに対して、投資をしてくれるわけですね。 これが理想的なパターンです。
そのために経営分析をすることが多くて、そうした大きな施策って会社の中期経営計画に載っていることが多いんですよ。
それを企画していそうな部門に話を聞きに行ったり、そうした最初の取っ掛かりの活動は結構、重要でセールスとしてやらなければならないことですね。
営業スタイルの話で、先ほどお客さんの社内にいるスタッフの方がいると仰っていましたが・・・?
どういった営業のスタイルが多いですか?
日本の会社のITの発注の仕方って、例えば、「会議室を作りたい」から始まるんですよ。 どのくらいの広さで、何の用途で、イス・テーブルどのくらい必要でと言うことは考えていなくて、こういう会議室が作りたいというところからベンダーに相談が来るんです。
でも、アメリカの会社の場合には、だいたい設計をしてしまっているので、椅子が6つ欲しいとか、こういうサイズのテーブルが1つ欲しいというオーダーの仕方をしてくることが多いです。
だからプロダクトが売れることが多いですね。 コンサルティングサービスみたいなものは日本のほうが圧倒的に多いです。
日本にいる外資系企業だとどうですか?
日本から国外への異動はありますか?
手を挙げて行く場合が多いですか?
本当にやりたい仕事があるのであれば、新興国でポストが空く可能性もあるので、そこに応募するというのも無きにしもあらずだとは言われています。
ただ給料は現地通貨で現地のマーケットに併せられ、下がると言われているので、なかなか厳しいな、とは思いますけどもね。
日系と較べて何が良くて何が悪いのかという点と、ちょっとでも仕事が出来ないとすぐに切られるっていう不安感があるのですが、そのあたりも含めて違いを教えてもらえますか。
基本給というのがあって、それしか年間で保証されていなくて、それにプラス、売上に応じてコミッションが出るんですけども、ココが変動的なんですね。
なので、企業の投資なので、運もあるんですけども、売上が行った同期と行かなかった同期で、入社2年目にして年収に数百万の差が出たりしていました。でも、それが当たり前だと思ってやっているので。
どんどん切られるっていうのは実際、あるんですか?
なので、やっていないと思います。ただ評価が悪ければ、給料は下がるんですね。
年功序列っていう考え方がなくて、数年給料が上がらないというのは普通ですし、評価が悪いのが続くと上がらないどころか給料が下がることもあるので、辞めていきますよね。私は幸い下がったことがないですけども、そうなると生活設計が立てづらいですよね。
営業だと目に見えて売上があると思うんですが、本社のファイナンス部門とかだとどのように評価がされるのでしょうか?
日本人で外資系企業の財務部門に居る方で、評価がずっと良かった方というのは、どういうキャリアに進んでいくのでしょうか?CFOとかですかね?
おそらく経理も一緒で、自分の得意分野を伸ばして、税務とかだと特殊な能力が求められるので、専門職でやり続けるという選択肢もあると思うんですね。
だから税務のプロフェッショナルとしてやっていくというのもありますし、税務部門のマネージャーになるとか、さらに上のCFOとかいう選択肢もあります。 そういうふうに選べますね。
私のイメージだと外資系企業というのは上の方のポストは全部、他から移ってくるっていうイメージなんですね。だけど、けっしてそうではないんですかね?
今の社内にいて今のポジションを頑張りつつ、プラスアルファで知識を得ようと思ったのでしょうか?そこで別のところに移ろうという考えは無かったのですか?
IT業界の話になっちゃいますけども、転職市場においては、クライアント担当よりかはプロダクト担当の方が評価は高いんですよね。エージェント曰くですけども。
というのは、最近は、特定のプロダクトに特化しているところが多くて、そこが伸びていて採用しているっていう背景があるので、何でも幅広くやっているIT企業よりは、特化してやってきている方が有利という面はあるんだと思います。
私はどちらかと言うとマネージメントよりかはプロフェッショナルで働きたいと思っていて、それって自分の根っこの部分なので、崩せないと思うんですね。
それを変えようとしても苦しいだけになってしまうと思うので、ITにせよ、会計にせよ、深いものを持ちたいという思いはありますね。
モチベーションの維持はどうしてましたか?勉強仲間はいましたか?
ひとりはM&Aとかデューデリをやりたいとか、もう一人はコンシューマ製品の会社でファイナンスをやりたいとか、そういう思いがあって、3-4人で年に2回くらい集まって飲んでいます。
そうやっている中で、話を共有していて、それが励みになりました。 だから、もしそうした仲間が見つけられたら良いと思いますし、同じ資格を目指している仲間じゃなくてもキャリアビジョンを共有できる仲間がいると凄く良いと思います。
それが自分が諦めずに出来た大きなひとつの要因ですね。 もう一つは学生の時の憧れをあきらめないで持ち続けたというシンプルな要因でした。
これから先のキャリアイメージとかはありますか?
最後に何か皆さんにありますか?