USCPAは合格する事自体がゴールではなくて、その後のキャリアパスを描くことも大事です。


第93回 USCPA CMレポート ~大阪開催~

実施日: 2013年9月7日(土)

【Guest】 関西でUSCPAとして活躍している4名の方

ゲスト紹介

Toshiさん: 外国語大学(英米語学科)卒業後、一部上場通信機器メーカーに海外営業として入社。2年間海外販売店への営業担当を経験後、さらに英語を使った仕事をしたいとUSCPA取得を目指すが一度断念。

日本の簿記知識の必要性を感じ、自ら希望して経理部へ異動、海外子会社管理と連結決算を4年間担当。

その後、希望であった外資系企業(米国化学メーカー)に転職。売掛金管理からスタートし、決算・レポーティング全般を担当。 3年後、オーストラリアの関係会社に赴任し、約2年間決算・レポーティング全般を担当。

ドイツ本社の会社による買収に伴い帰国、Business Controller(管理会計)となる。 2010年に再度US CPAの勉強を再開し2012年に全科目合格しワシントン州のライセンスも取得。現在は日本3法人のBookを管理するFinancial Controller(財務部長)として働いている。


ジョンさん: 大学卒業後、物流業の内資系企業に就職し、輸送のオペレーションや営業等を経験した後、経理業務へ。この間にUSCPAを取得して、電機製造業の内資系企業へ転職したが、リーマン・ショックによる組織再編を受けて、後に退職へ踏み切った。現在は大学院でフィリピン経済(特にサービス業)の将来性についてリサーチしている。


きょーちゃんさん: 大学卒業後、サラ金の支店営業に従事後、日本の公認会計士試験に専念するために退職。短答合格を契機に監査法人に入所するも、論文合格はできず、現職であるメーカーに転職。英語に対する苦手意識が低かったため、USCPAに挑戦し2012年に全科目合格。今年5月にワシントン州にてライセンス取得。現職では、入社以来一貫して約5年間、内部監査・内部統制関連の業務に従事している。


たろうさん:中学から海外に移住し、英語に苦労しながら高校卒業後は、きちんとした仕事には就かず、目標のない5年間を費やして、やっと23歳で大学へ。大学では会計+ファイナンスを専攻。

27歳から米系企業でシェアードサービスの経理業務を行なった後、日本へ帰国。日本では、外資系のソフトウェア企業にて約3年間、内部監査の仕事を行なった後、USCPAの早期取得の必要性を感じて退職。11ヶ月で見事に合格。それを期に、現在の監査法人へ転職した。

現在は、金融アドバイザリー部門で、主に外資系金融機関に、ガバナンス、リスク、コンプライアンスも関連する業務に携わっている。


Q&A

  • 参加者
  • 司会

会計経験がない中で30歳でCPAに合格後、どのようなキャリアパスが考えられると思いますか?

Toshiさん
私は外語大卒で、経理とは関係ないところからスタートしています。英語を使いたいと思ってUSCPAの勉強を始めたのですが、どちらかと言うと数字が苦手で、将来的に経理の方向に進みたいかというのはその時点ではわからなくて、迷いながら始めました。

結局、仕事と勉強の両立が大変で、勉強を開始して1年くらいで中断したんです。 USCPAを勉強していて、将来的に日本で経理をしていくなら日本の簿記の知識も必要だと感じて、日本の簿記の勉強を開始しました。 その時は海外営業をしていたのですが、日本での経理キャリアを積んだ方が良いだろうと思い、上司にお願いして、経理に異動をさせて貰いました。

今、採用する側にいるのですが、履歴書を見た時にUSCPAを持っている人というのはたくさんいるんですね。勿論、持っているのに越したことはないんですが、やはり経験は見られるところで、たとえ資格を持っていても何かしらの経理経験が無いと難しいので、将来的に経理の仕事をしたいと考えているのであれば、どこかのタイミングでどんな仕事でも良いので経理に関わる仕事をとりあえず始めて、そこで年数を重ねるというのが必要だと思います。

ジョンさん
USCPAは合格する事自体がゴールではなくて、英語で勉強して、しかも会計だけに止まらずファイナンスや経済、ITまでビジネスに係る幅広い分野を勉強する試験ですので、経理の仕事に拘らないのであれば、例えば起業の準備をされている方もいますし、英語でビジネスを進めていく力を付けて、経理以外の仕事を考えてみるのも良いのではないかと思います。

きょーちゃんさん
30歳で未経験でという方が経理や内部監査のポジションで、応募をしてきて、私が書類を見たら、会おうという気にはならないかもしれないですね。

ただ未経験でも25-26歳くらいで社会人経験が3-4年ありますという方でUSCPAに合格していて、知識が備わっていれば、会ってみようかなと思うかと思います。

合格後のキャリアはどういう方向に行くかわからないにしても、学んだ知識や資格で得た知識を活かしたポジションで仕事をしていきたいということであれば、経理とか内部監査、経営管理などの数字を扱うポジションでの経験というのはあったほうが他の方も言っているように有利になるのかなと思います。

たろうさん
USCPAでゼロスタートと言うのは厳しいかなとは思うんですが、キャリアの作り方というのは今まで何をしてきて、それを資格で繋げて、さらにそれを繋いで行くということの連続なので、入社できるのであればどこでも良いと思うんです。

でも、前にやってきた事とUSCPAをプラスすると自分は何が出来るのかというところからまず仕事の取っ掛かりを見つけて、そこからまた次に繋げていくという事をやっていけば、最終的に経理というところに行けると思う。

ただやはりいきなり経理と言うのは経験的に難しいのかなと思います。 あとは英語というところでは、USCPAで英語が出来ない人というのは価値が下がってしまうので、英語とUSCPAというところで持っていけば可能性があるのではないかと思います。

追加の質問なのですが、30歳で未経験だけど、熱意がある応募者が来たら、採用して貰えますか?

Toshiさん
最終的にはフィーリングだと思います。

やっぱり人と人なので、すごい経歴を持っているCPAやMBAを持っている方であっても、私が一番見るのは「聞いたことに対してきちんと答えていますか」という点なんです。

私の聞いている事に対して全く答えていない方がたくさんいて、そういう方だと一緒に働こうというイメージが沸かないので、最終的にはフィーリングが勝つというのも実際はあります。

なので、必ずしも経験が全て勝つというわけではないですね。 転職したいとか採用してもらいたいという気持ちと、自分が本当にその会社で働きたいかというのはまた別の話になってくると思うので、どの会社でも入れれば良いというわけではないですよね。

入社しても仕事内容や周りの環境が良くないと自分も満足いかないでしょうから、職務内容や職場環境も含めて、その会社とフィーリングが合うかというところが一番大切だと思います。 これは応募する側も採用する側も一緒だと思います。

以前、このコネクション・ミーティングに来て頂いたゲストの方は、27-8歳の時に未経験で外資系企業に経理として転職をされていて、その方は、未経験だったもののダメもとで応募して、「会計を一生の仕事にしたい」という熱意をアピールしたらしいです。

https://uscpa.ne.jp/archives/875

その方が採用後に聞いた話だとその時には、その方と別に経理経験者が候補者にいたらしいですが、結果的に未経験であったその方が採用されたと言う事で、結局は採用側とフィーリングであったり、その熱意が伝わったんだと思うんですね。 それと32歳で会計未経験でBig4に入った方もいました。

http://www.usedu.com/about/voice/voice.php?id=7

市況的にも良かった時だったのですが、この方も勉強中から本当に頑張っていらっしゃいました。 当然、経験者のほうが有利に働くとは思いますが、転職というのは良く「縁」とか「タイミング」とか言うので、諦めずに頑張って下さい。

私は勉強をスタートして、しばらくして中断してしまい、今日は再スタートができればと思って参加しました。合格者の方の中でも中断された方がいたと思いますが、再開されたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

Toshiさん
私の場合、10年くらい前に勉強を開始して、1年ほどでやめてしまって、その後、日本の簿記を勉強したり、税理士試験を受けたりして色々としたのですが、その間に経理部門へ異動させてもらったり、外資系に転職できて経理でさらに経験が積めたり、オーストラリアに転勤になって現地企業での経理も経験できたりと、比較的キャリアがキレイに積めていけていたので、USCPAは別に良いかなと思っていました。

ただ、外資では、ポジションが上がっていくと昇格する時に社内にアナウンスメールが回るんですね。「この人がこのポジションになります」というのと共に簡単な経歴が書かれるんです。

そうするとやっぱり財務・ファイナンス系の人というのは間違いなくCPAを持っていて、もしくはさらにMBAの方もいますが、その時に何もないと何だか格好悪いな、と思いまして。 また、人を採用する時に最近はUSCPAを持っている方もたくさんいらっしゃって、やっぱり自分も持っていないと恥ずかしいかな、と思い一昨年くらいから再開をしました。

それがきっかけですね。 合格をして、ライセンスも取って、今は名刺にもUSCPAと書けるようになりました。

モチベーションの話としては、一番最初に勉強をしていたときは夜、勉強をしていまして、会社が終わってから20時くらいから2時3時くらいまで勉強して、というのを一年くらい続けたんですね。その時は若かったので出来たんだと思いますけど。

で、勉強再開した後は、朝に変えました。朝5時に起きて、7時まで2時間を毎日ひたすらやり続けて、最後の方は起きる時間がだんだん早くなっていって、最終的には毎朝3時に起きてましたね。 3時に起きて7時まで一日4時間ですね。 人によって朝型・夜型というのがあると思うんですけども、私は朝型でしたね。

夜だと残業をして、疲れて帰ってくると集中できないというのがあるので、朝起きてフレッシュな状態で勉強してました。 とにかく資格を取りたいというのがあったので、朝型に変えてモチベーションをキープしたのと、どの科目をいつ受験するかという詳細なプランを自分で作っていました。MCの問題数を数えて、それをプランに当てはめてやりました。

1日100問ペースといった具合に。ちょっと緩めのプランにして、常にプランよりも先に行っているのを感じながらやっていましたね。そういった事がモチベーションを維持するには良かったのかなと思います。


きょーちゃんさん

私は細かい2-3ヶ月の中断をしたりはしました。そのたびにリスケ、リスケという形でしたね。

私は日本公認会計士の勉強を最終的に諦めたのですが、その経験も踏まえて言うと、勿論、USCPAを仕事しながら、苦労して勉強されているとは思うんですが、「諦めて本当に後悔は無いですか?」ということなんですね。

勉強をやめて、資格を取らずにいた事を後悔せずにこれからの人生を生きていけますか、という事だと思うんです。勉強をしようと申込んだ時の気持ち、資格を取ってこういう風になりたいというキャリアプランを思い出してやって頂ければ良いかなと思います。

それと私の場合には、最初、グアムで受験していたんですが、日本で受験できるようになったので、これはチャンスだと思って、仕切りなおして教材も変えてやりました。

そういった何らかのきっかけがあれば、合格まで持っていけると思います。 ここにいらっしゃる方の中にはまさに今日のこのミーティングをきっかけにされている方もいると思うので、これをきっかけにもう一度、動き出してもらえれば良いのかなと思います。

日本企業と外資系企業とで仕事の進め方など異なる点はどのような事なのでしょうか?

Toshiさん
私は最初、日本企業で、その後、転職して外資系に入ったのですが、違いとしては簡単に言うと「放ったらかし」というのが外資系ですね。

仕事に対して上司から「ちゃんとやってくれ」と言われることはあまり無くて、大人なんだから与えられた仕事はしっかりやって当たり前で、クオリティーが悪くても特に何も言われないんですが、その分その人、個人に対する評価が落ちていくんです。

そして、日本の場合は部下が出来ていなかったら上司から怒られるのでそれが違いですね。経理は特にそうですが、毎月同じルーティーン作業をこなしていくなかで、自分でちゃんとモチベーションを高く持って業務改善できる人っていうのは評価が上がっていきますよね。

外資系と言って一括りに出来ないところもあって、米系と欧州系だと違うって聞いたりしますね。わりと欧州系は勤務時間とかは緩めとかって以前来ていただいたゲストの方がおっしゃっていましたが、どうですかね?

たろうさん
外資系の場合、時間は自分で管理しやすく、自由が効くイメージです、日系だと、上司が帰るまで帰りづらいとか、無駄に残業して皆でステイするという印象があります。

監査法人の仕事について教えて貰えますか?

たろうさん
まず監査法人の職位はだいたい4-5段階に分かれています。

下からスタッフ、シニア、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーという形です。

だいたい順調にいけば4年から5年で昇格していく感じです。 基本的にパートナーがクライアント先に行って、仕事を取ってきて、その仕事をシニアマネージャーとマネージャーで管理します。

仕事の難易度によって、専門的なスキルが必要なものだとシニアマネージャーが管理して、そうではないものであれば、マネージャーが管理します。 そして、一人ひとりの職員がどのようなスキルを持っていて、何を経験しているかを見ることが出来るリソースデータベースみたいなのがあって、案件ごとにそれをマネージャーが見たり、身近なチームにコンタクトしてリソースを確保して、予算との兼ね合いで何人何時間つかうかというのを計算して振り分けます。

会社の規模にもよるんですが、シニアのほうがスタッフよりも単価が高いので、普通の案件だとシニアが二人でその下でシニアの仕事をサポートするスタッフが4人くらいいるという形で進めていきます。 そうやって案件ごとにチームを組んで仕事をしていくわけですね。

そして、パートナーの持っている会社や担当が決まったりしているので、どのパートナーと仲良しになるかで自分のやる仕事が決まってきます。 うちの法人だと200名くらいパートナーがいて、金融部門とそれ以外のもので大きく分かれています。

会計監査の方だと仕事がほぼ決まっているんですが、アドバイザリーの方だと監査していないクライアント先に行って、「困っていることないですか」という営業を掛けて仕事を取ってくるんですね。 今は監査法人というと色々な不祥事などがあり、監査報酬が結構叩かれているという状況なので、最近ではアドバイザリーで会社を大きくしていこうという流れがあります。

アドバイザリーというのはいわゆるコンサルのことをおっしゃっているんですか?

たろうさん
それも複雑で、今はコンサルチックな方向に向かっています。そのほうが報酬や利益率が良いみたいなので、、

今までは?

たろうさん
今まではコンサルというよりも短期な仕事をたくさんやるイメージで、コンサルというと長期でシステムを入れ替えるとか、業務を改善するとか大きなプロジェクトをやっていく形だと思いますが、今はそういう方に流れている感じです。内部監査って2週間くらいで終わっちゃうんですよね。

事業会社だと当然、何々部というところに在籍していて、社内に自分の席があって、3年とか5年で部署異動があったりすることもありますけども、基本的にはそこに在籍しているわけですよね。 それに対して監査法人というのはそうではないんですよね?

たろうさん
毎回、プロジェクトごとに違うクライアント先に行って、違う人達と仕事をしていきます

マネージャー以上の上の人は外回りが多くて、営業だけしていたりもしますし、シニアスタッフの人が現場で業務するという感じですね。

スタッフとかだったら、上の人に選ばれて、チーフに引き上げられる感じですか?

たろうさん
そうですね。私も転職したばかりの時は、内部監査の経験はあったんですが、金融の経験がなかったので、スタッフから始まったんですけども、やっぱり気に入って貰えないとつかって貰えないので、最初は大変でしたね。選ばれないと行けないので(笑)

時間給なのですか?

たろうさん
殆どが時間でチャージされますね。

選ばれるためにどういうふうな工夫をしたんですか?

たろうさん
それはもう一回、一回の仕事でやっていくしかなくて、評価をクライアントからフィードバックで貰うんですね。

その時にKPIがあって、こういうとこはどうでしたか?という質問に対して5段階で評価してもらうんです。 なので、その評価が良ければ、その上の人と直接話さなくても、その結果を見て大丈夫だろうということで次も使って貰えたりします。

一回一回の実績とかで決まりますね。 それと自分が好きな業界とか会社があれば、そこを担当しているパートナーと話をして、自分が興味あるという事を売り込むようなことはしますね。

直接、パートナーの方とお会いして話す機会もあるんですか?

たろうさん
ありますね。日本の会計の世界だとそれはちょっとやってはいけないという人もいて、直でパートナーと話すというのは凄い上の人と話す感覚なので、あまりやってはいけないんですね。

直接メールをしてはダメでマネージャーを通さないとダメな人もいます。でも、外資系だととてもフランクなので、ストレートに行っちゃって良い環境が整っていますね。

監査法人の仕事というのは、次にどんな仕事が来るか、むしろ自分に仕事が回ってくるのか?という不安のなかで仕事をしていく部分はありますよね。

たろうさん
そうですね。私は今のところ、来年の1月まで仕事は決まっていますが、その先はどの仕事をアサインされるか決まっていない状態です。

そういう意味では、ホストクラブや、キャバクラに共通するところがあって、指名されてNO.1にならないといけないところがあります。

資格だけではなくて、英語力もないとダメだという話がありましたが、どの程度の英語力が求められるのでしょうか?

Toshiさん
私は今、外資に勤めていますが、英語は結構必要です。

ただ、メールとかで毎日英語を使いますが、話す機会はメールほど無いですね。周りを見てもスピーキングが得意ではないという方が結構いらっしゃって、電話会議とかは、だいたい日本のチームは話さないんですね。聞いているだけなんですよ。

そうなると良くないので、電話会議で積極的にやりとりが出来るくらいのレベルというのが理想です。 ただここは関西なので、経理が分かって、英語が出来る人って少ないんですね。東京だとたくさんいると思うんですが、どちらかに偏っちゃうんです。 両方が出来るとマーケットにおいては相当強みになると思います。

ジョンさん
私は日系でしか働いた事がないのですが、日系企業であれば、海外へ事業展開しているような企業であってもUSCPAに合格できるくらいのレベルがあれば問題ないかなと思います。

きょーちゃんさん
私は仕事で殆ど使う機会がないので、実際、どの程度求められるかというのはわからない部分があるんですが、転職市場の話を聞くと外資系だとTOEICでは測れないくらいのレベルが必要とかいう話も聞きますね。 電話出来て当たり前だし、ディスカッション出来て当たり前ということをいう方もいます。

たろうさん
やるポジションとか業務内容にもよりますよね。 自分の今の英語力でCPAをプラスした時に今はコレが出来るというのがあると思うんです。

最初はメールのやりとりで済む場合もあれば、英語で少し会話が出来る程度でも出来る仕事もあると思います。 それと自分の興味があれば、英語でinvolveしないといけないので、必要が増すという事はありますけども、これだけ必要という基準は無いかなと思いますね。

今の自分の範囲から始めて、その先に興味があれば掘り下げて行く事によって広がっていく感じですかね。

たろうさん
そうですね。 それと外資系だとTOEICのスコアってあまり見ていないですね。 読み書きできるけど、話せないという人が多くて、TOEICのスコアがイコール会話力にはなっていないので。

英語面接はありましたか?

たろうさん
ありましたね。でも聞かれることは専門的な事ではなくて、今まで何をしてきたのか、これから何をやりたいか、何故CPAを取得したのかという事を会話で言えれば良いくらいのレベルですね。

日本人がUSCPAを取得して、それを持って海外で仕事をする場合、どのような活かし方があると思いますか?

たろうさん
USCPAを取得するまでは、合格すれば、それだけで専門的になれると思っていたんですが、実はそこからがスタートで、そこからさらに専門性を突き詰めないといけないというのがあるんですね。

では、自分はどの専門性に進んでいくかという事になるんですが、取得したばかりのビギナーでの転職と、ある程度専門性を突き詰めての転職では、話せる内容も変わってくるんのでいろいろです。

USCPAの合格実績だけでは、ダメで、4科目の中から自分はコレだというのを探していかないと、特に外資系の仕事というのはスコープが決まっているので、それが出来るか出来ないかというのが必要条件で大きなところになっていくんじゃないですかね。海外での仕事だと特にそうだと思います。

きょーちゃんさん
資格を取ってからがスタートラインだというのは、私もまさしくそうだと思いますね。 監査法人のパートナーの方に聞いた話ですけども、日本の公認会計士の合格者を採用して、皆で集合研修をして、金融部に配属された人はまた別の金融に関する特別の研修をするらしいんですね。

試験の内容を見てもらえばわかるように経理の実務をやったことがある人にしてみれば内容が粗いというか実務上、もっと色々な事を考えながら、仕訳が切られたり、会計システムに入力がされているんですよね。

きっともっと実務的にはこういった事を考慮しないといけないという勉強をした時には書いていなかった様々な事を考慮していかないと業務は進まないわけですね。 そういった意味ではCPAの勉強で学んだことをベースにして、細かい事、専門性の高い事を学んでいく必要があるんじゃないかと思います。

外資系企業における日本人の位置づけというのはどのような感じですか?

Toshiさん
やはり人によると思いますね。 日本人は時間を守るとか、ビジネスがきちんとしているね、というのはありますし、先ほど話したようにディスカッションになると日本人はあまり誰も話さないとか、そういった両方のイメージですかね。 人によって話す日本人もいますし、時間を守らない日本人もいるので。

応募してきた時に日本人だから採用はやめようとか言うのは無いですか?

Toshiさん
そこまではないですね。

たろうさん
今の外資系の流れだとダイバシティーをすごく大事にしていて、今の時代をリードしている外資系企業は、国、障害者、出産後復帰した女性とか様々な人を採用するという方向にきているので、職務を全うできるのであればそこに差別のようなものは無いと思いますね。

では、国籍が影響を及ぼすというのはあまりないということですか?

たろうさん
無いですけども、そのロールに追加でこういうスキルを持っているよ、というところで測られてしまうので、例えば、日本語が話せる韓国人の人と日本人がいたとして、どちらも英語は話せたとした時にどちらを選ぶかと言ったら、多言語を話せるその韓国人が選ばれ易いという事はあると思いますが、国籍だけでどうこうなるということは無いと思います。

CISAの話が出たと思いますが、具体的にはどのような資格ですか?

たろうさん
システム監査ですね。内部監査というのは業務を監査するわけですけども、そのシステム版で情報セキュリティーとかシステムのコントロールがちゃんと出来ているかという事をテストしていく感じですね。

CPAの知識がベースになって出来る事なのでしょうか?

たろうさん
会計監査の中でITの方と会計士が一緒になって並行してやっていくことがあるんですね。 そうするとIT側がCISAの人とITの部署の人が一緒にやり、経理の方は会計士がやるみたいな形ですね。

きょーちゃんさん
私の会社の場合、内部統制監査って外部監査人が来ると販売とか購買とか決算財務報告プロセスは会計士が来てやりますが、IT全般統制だとCISAを持っている人が来てやるということがありますね。

私が監査を受けた中では監査法人の方でCPAとCISAどちらも持っていると言う方はいなかったのですが、監査法人内では分かれているんでしょうか?

たろうさん
結構、専門性を突き詰めるという意味では分かれているとは思うんですが、やっぱりどっちもわかっていないとダメだというところで自分は取得したんですね。 ただどっちかに重点を置くということにはなると思います。私はCPAを合格後にITがとても絡んできたので、必要だなと思って取得しました。

全然、ITの知識がないところから学習をされたんですよね?

たろうさん
そうですね。ITのことはあまり知らなくても合格できますね。

CPAの知識が今の業務にどのように役立っているのか教えてもらえますか。

Toshiさん
私の場合は、FARとBECとAUDが活きていますね。 今の会社がIFRS基準の帳簿になっているので、その関係でFARで勉強した知識が活きているというのと、管理会計の部分はBECが役に立っています。

また、一番大きいのが内部統制や会計監査の対応という面で、自分の会社のプロセスはどこにリスクがあるのかとか監査の手続きはどのように進むのかといったところで、AUDで勉強したことが最も活きていますね。

ジョンさん
今は大学院で主にフィリピンのサービス業についてリサーチをしていて、学内に何名かフィリピンからの留学生もいるのですが、この9月に修了する3名に関してはフィリピンの弁護士資格と会計士資格を両方持っていまして、彼らと会計や経済など幅広い分野について英語で意思疎通が出来るのは大きいかなと思います。

それとは別に、以前一緒に仕事をしていた人に個人で貿易とか事業をされている方がいて、英語がわからないからということで、メールや文書を英語に訳してほしいと言われることがあるのですけれども、そういったところではREGも役に立っていますね。

きょーちゃんさん
私はやっぱりAUDとFARが役に立っていると感じます。私も会社の中では内部監査ポジションで業務監査をやっているんですが、上場会社で内部統制監査を受ける立場でそれに関しては私が窓口的な立場でもあるので、その点では外部監査人とのやりとりでは自分が勉強してきたことが背景にあるので、非常にスムーズにやれていると感じますね。

ただ自分は知識がありますが、社内の人に話すときにはむしろそういった知識がない人と話すのでどうやって噛み砕いて説明したら良いのか悩ましいところではあります。 それと外部とのコミュケーションとか役員が言っていることを理解するためには役に立っています。 ただ最近思ったのは、税務とか会計とか法律とか全部がリンクしていないと会議に出ていてもこれは一体何が議論になっているのか、何が課題なのか、知識を有機的にリンクさせるというところが自分の中で課題になっていますね。

たろうさん
私もREG以外で特にAUDの知識は活きていますね。 もう一度、試験を受けたら、たぶんREGは受からないと思いますが、他の3科目はある程度の点数は取れると思うので、それ以外の3科目は活きているんだろうなと思います。 以上です。

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