本当の意味で仕事力とは?問題や課題を何とかしていくなかで身につくものだと思います。


第103回 USCPA CMレポート

メーカー経理・事業企画特集!  実施日: 2014年2月15日(土)

【Guest】 しゅんさん USCPA

本当の意味で仕事力とは?問題や課題を何とかしていくなかで身につくものだと思います。

ゲスト紹介

大学を卒業後、化学メーカーに就職し、工場の経理へ配属。

1年半ほど働いた後、上京し、IR支援会社に入社、編集に携わる。

その後、大手精密機器メーカーにて事業企画の仕事に2年半勤務。さらに外資系メーカーに転職し、半年間、経理を行なった。

2011年1・2月試験でUSCPAに合格、10月にライセンス取得。現在は国内の中小精密機器メーカーで3年ほど経理財務及び海外子会社の管理に従事している。

それでは、USCPAのしゅんさんに質問です。

  • ゲスト
  • 参加者
  • 司会

USCPAの合格後に転職をされたのでしょうか?

そうですね。2011年1・2月の結果が3月に出て、今の会社へ転職しました。

日頃の業務においてUSCPAで学んだ知識が活きているな、と感じる事はありますか?

結構あります。 一番大きいのは、FARの科目で、経理の仕事ではやはりFARがベースになると思います。。それとUSCPAだからという意味で、AUDとREGが活きています。

REGはグローバルメーカーであれば、アメリカに子会社を持つ会社も多いと思います。私はアメリカの子会社の担当をしていますが、経理がいないのでアメリカの月次決算もやりますし、申告書も現地の会計事務所のサポートを頂きながら作っています。

USCPAのREGは米国の税法ですので、そこで役に立っていますね。 それとAUDは海外の人と交渉する時に役に立っていて、内部統制の話も出てくるのですが、「こういった処理をしないでほしい」と言って、「何で?」となった時に、AUDITのInternal Controlの概念をベースに話すと受け入れてくれることが結構あります。

これら3つはよく使います。

USCPAだからこそ、交渉の際に矢面に立つということはあるのでしょうか?

USCPAだからというよりも経理担当なので、ということにはなりますね。

監査に立ち会うこともあるんですか?

今の会社は未上場なので、法定監査は無いのですが、ただ上場を目指してはいるので、監査レビューをお金出してやってもらっています。

どういうことでしょうか?

監査というのは上場企業だと当然、求められるのですが、私が現在勤務する会社は今のところ、未上場なので、監査に関しては強制ではないんです。ただ今後、上場したいと考えているので内部統制がきちんと出来ているか、帳票がきちんと揃っているか等を監査法人にお金を払って見てもらっています。

その時は監査法人の方の対応をしていますね。

アメリカの方はどのように対応していますか?

アメリカも上場はしていないので、同じように監査の義務は無いです。 監査の義務があるのは、シンガポールだけで、シンガポールは未上場でも監査を受けないといけません。

どうして今の会社に入ろうと思ったのですか?

大きい会社に入るとお金の感覚がなくなってしまう時が多かったです。例えば、今の会社に入るまで、資金繰りで苦労をした事はなかったですし、債務超過は新聞の世界の話だったのですが、いまは日々、そういうリスクを意識しながら仕事をしています。

勿論、それを望んでいたわけではないのですが、やはり自分でそういった問題や課題を何とかしていくなかで本当の意味で仕事の実力がつく気がします。

一日のスケジュールはどんな感じですか?

朝の6時位に起きて7時半頃まで子どもと遊んでから、会社に行きます。8時半頃に会社に着くとまずアメリカに連絡をします。

西海岸だと夕方の4時位ですね。なので、まずアメリカ、そして、中南米からブラジルの方まであるので、順番に電話で話をします。

向こうには経理がいないので、現地の営業に電話をして、「こないだの受注は取れた?」というような話をしています。

10時から12時までは、経理の連結決算の仕組みを改善する業務をしています。連結用のERPシステムを使っておらず、各子会社の財務状況をExcelで送ってもらって、それを併せて、連結決算として出しているので、それをExcelでやるのが結構大変なんです。

フォームもバラバラなので、そのフォーマットをどうやったら統一できるかな、とデスクに座って色々とやっています。

そして、午後になるとヨーロッパが動き出しますので15時頃になると向こうの朝の8時とか9時なので、今度はヨーロッパの人とアメリカでした同じような話をします。

夕方になってくるとシンガポールに電話をして、という感じですね。 その合間合間に、他部署からも相談が来るのでそれらの対応をしてます。

仕事をされる際の言葉は英語ですか?

そうですね。

海外子会社の人は、皆さん、ローカルの方なのですか?

シンガポールはローカルの人です。アメリカ・EUは日本人ですかね。 ただ結局、最後はローカルの人に聞かないといけないので、基本的には英語でやっています。

私の経理のイメージというのは、伝票を自分で入力をして、間違えると電話が来る、、というような感じなんですけども。

そうですね、、、言い方が悪かったら申し訳ないのですが、今、正社員でそういう仕事をやっている人はあまりいないかもしれません。言葉は悪いですけども、それを「派遣の方やパート社員の方にどれだけ考えずにやってもらうか」と言うのを、正社員が考えるという形になっていると思います。

大きい会社はわかりませんが、私が今働いている会社ではパートの方には、とにかく作業をやってもらうということなので、みなさんがUSCPAに合格して正社員で、と言う事になると違うステージの話になると思います。

「端末を正確に打つ」というところではなくて、いかにそれを「簡単にミスなく打ってもらうか」を考えるのが仕事になってくるんじゃないでしょうか。

USCPAの知識は経営企画でのお仕事では活かせますか?

会社によって経営企画の役割が違うと思うんですけども、万遍なくわかっていないと出来ないところだと思います。会社のリソース、子会社等、今働いている会社だと専門的な知識よりも広く浅くというところが求められている気がします。

そういった意味ではUSCPAの知識は使えると思いますね。

バランスシートを始め数字を見ているとやはりおかしいところはわかるようになるものなのでしょうか?

おそらく一期だけ見てもわからないんですが、月ごとに比較したり、三期くらい見るとある程度わかります。例えば、メーカーだと売掛金とキャッシュと在庫を見て、売掛金がずっと増えているのに、キャッシュが減っているとか、ちょっと調子が悪いな、と言う時には回収が出来ていないんだということがわかりますし。

そもそも売上が合っているのかって話にもなります。

引当金を幾ら見積もるかということも考えるんですか?

正直、私はそこまでスキルがないです・・・。売掛金の貸し倒れを見積もるのは本当難しいと思います。 営業サイドから聞かれることもあるのですが、そういう時には、帝国データバンクとかの与信調査に頼ることが多いですね。

ただ売掛金を回収できないのは、会社としては諦められないですから。

日本だとまだ良いんですけども、海外だと結構、大きな会社でも残念ながら払ってくれない時があります。

私はずっと営業をやってきたのですが、営業職としてUSCPAが活かせそうなところはどういったところだと思いますか?

色々とあると思います。私は管理しかやったことがなくて、お客様にモノを売った事がないですが、営業の人だとコミュニケーションスキルがありますし、自分の製品をわかっているので会社の売りがわかっていて、かつUSCPAという視点で利益を意識できるという意味ですごく良いと思います。

普通の営業やGMというのは、売ることはわかるんですけど、一般管理費をどう抑えれば良いとか、最終的に会社が儲かっている、儲かっていないというところまでの意識が薄い気がします。

それは仕方ないんですけども。 売って粗利のところまでは大丈夫なんですけども、その下の管理費とか資金繰りとかそこまで頭が回るGMって少ないので、USCPAを取って、粗利の下の項目まで関わるっていうのは良いと思います。

USCPAの資格に合格しただけだと正直、難しいかもしれません。ポテンシャルがあるな、とは思って貰えるとは思うんですけども。

ただUSCPAはあくまでも教科書なので、現実の実務でその通りには絶対行かないんですよね。 立ち返る場所ではあるんですが、それにどこまで近づけられるかというところと、近づけられないのであれば、どうやって説得するかという二つですね。

資格を取って一番良いのは、自分の中で経理としてあるべき姿がわかるというのは良いと思うんですが、例えばM&Aのことなんて、USCPAの中では勉強しないので、それを使って100%実務に活かせるかというと難しいかもしれませんね。

何時頃、家に帰っていますか?

今は18時半から19時位には帰っています。子供が居るので自分の中では19時までには帰ろうと決めていますね。

帰ると在宅で仕事をしている奥さんが疲れているので、子供をお風呂に入れて、寝かし付けて、その後は家で仕事をしています

USCPAを勉強しようと思った理由は何かあったのですか?

外資系の会社にちょっといたのが大きいですね。結構、USCPAの人がいて、言っていることが非常に論理的だったんです。

日系企業にいた時は、何の根拠も無いのに色々と言って来る人が多かったんですが、外資系のひとってロジックに基づいて話してくるんですね。

そういう人がUSCPAを持っていて、言っていることが的を得ていたんです。 そういうのを見て勉強を始めました。

英語はそれまでも得意だったんですか?

得意でした。学生の時に留学していましたし、社会人になってからは、仕事でも海外の拠点とやりとりすることが多くて、使う機会も増えました。

一日のスケジュールの中でヨーロッパとかシンガポールの方とのやりとりがあるという話があったんですが、各国の会計基準の違いというのはどうされているのですか?勉強をしたのでしょうか?

勉強をさせてもらっているという感じですね。今、ヨーロッパにはドイツに拠点があるんですが、IFRSなんです。なので、わからない時は電話で聞くとそれは「IFRSの基準だよ」って教えてくれます。

シンガポールはシンガポールで基準があって、同じように財務諸表を見てわからないと電話して聞いて、勉強するという感じです。

そういう時にUSGAAPとか日本基準のバックボーンがあるので、良いレファレンスになりますね。

減価償却の期間とかも国によって違うのでしょうか?

そうですね、違います。 台湾は早いと思います。OEMとか相手先のブランドで作っている工場が多く、技術革新が早いので、生産ラインもかなり早い期間で償却していきます。

現実的な目標になってきたら、内部統制とかの業務の知識も必要になってくる感じですか?

そうですね。必要にはなってきますけども、どちらかというと海外拠点の数字をいかに早く正確に報告が出来るかというところをやりたいですね。

一年の間で忙しい時期というのはいつになりますか?

毎月毎月忙しいんですが、月の後半は結構、自分の仕事が出来るというか、やりたいことが出来る月が多いですね。月の1週目と2週目の半分くらいまでは決算をやっているのでバタバタと忙しいんですが、それが終わった後に決算をいかにシンプルに出来るか、という事を考えられる時間が出来ます。

大きいところだと経理の中でも本当に一部の作業しか出来ないから、中小に行ったほうが色々なことを経験出来て良いって聞きますよね。

そうですね。そう思います。 大きいところはキッチリしているんだと思いますけどもね。 小さいところはイレギュラー対応ばかりなので、流れをつかみやすいと思います。

税務とか原価計算もやっているんですか?

はい、やってます。 今は海外の方に軸足を移しているので、引き継ぎましたけども。

日本も海外もどちらも見ているんですか?

そうですね。ただ日本は契約している税理士の方がいるので、殆ど任せています。大きい会社だと一人の担当がそこまでやる必要はないと思うんですが、小さい会社だと人がいないんで、アレもコレもとなります。

転職活動の時の話をお聞かせください。

厳しかったですね。基本はメーカーを受けたのですが、「何で辞めたの?」って聞かれたのとその時点で2-3回、転職をしていたので、「何でそんなに転職が多いの?」と言うことを婉曲的に聞かれました。

そんな中、今の会社では何がポイントになって転職が出来たと思いますか?

幅広くやっていたところじゃないかと思います。経理だけじゃなくて、事業企画もやっていて、海外との英語のやり取りも出来て、専門分野に特化していなかったというのが良かったかも知れないです。

日本のメーカーというところにはこだわっていたんですが、経理だけじゃなくて、事業企画、海外子会社の管理等をやっていた事とそれをやりたいと言ったところ、それとUSCPAに1年間で合格できたところは評価されたと思いますね。

どういったところを使って活動をされましたか?

アビタスさんも紹介業されているので、一度、お話を伺ったのと他にも幾つか登録をしました。ただ私は求人が出ていないところに応募しました。厳しい時期だったので、求人を出しているところに行っても他の応募者に負けると思ったんです。

離職期間があって、転職回数も多かったので。なので、募集していないところにメールを送って、「こういう事をやりたいんですけど」って伝えたら、結構、会ってくれました。

採用がHP等に出ていなくても、人事宛てに送りました。 実は「採用広告を出すお金は無いけど、人は欲しい」というところはたくさんあると思います。

では、今のところは直接応募したんですか?

今のところは、ホームページを見て応募したら、たまたまエージェントから次の日に紹介をされて、結局、エージェント経由で入社させてもらいました。一つの方法としては、応募していないところにも送ってみるっていうのは良いと思います。

管理会計というのはどのようなものでしょうか?

色々な考え方があるんですが、決算って利益、当期純利益を出すものです。では、それをエリア毎に分けたらどうなんだろうということで、例えば、アジアというエリアの中に中国とシンガポールの会社があるわけです。

じゃあ、中国とシンガポールの個々の子会社であれば利益はわかるけど、「アジアでは儲かっているの?」と言う時に管理会計という手法で、シンガポールと中国だけの数字を持ってきて、でも一般管理費の中に中国とシンガポールの費用だけじゃなくて、「本社も支援しているよね」となった場合、「本社の費用は幾ら入れるの?」という時の最後の利益を管理会計上で見るんです。

「この装置はアジアで儲かっているか?」とかいうとこまで見ていくのが管理会計です。

やはり大きな会社とか、管理会計がきちっとしている会社は良いですよね。

これからのキャリアのイメージはありますか?

目標ではないんですが、、、今の会社を存続させたいな、というのが当面のところですね。その為に出来るだけ早く連結の数字であったり、子会社の数字をいかに早くマネージメント層に報告できるか、というのをやりたいな、と思います。

正確な情報でかつ「ココこうしたほうが良いよ」とか「人件費が上がりすぎている」とか、「この拠点があるマーケットでこの売上はおかしい」とかそういった事が出来れば良いかなと思っています。

会社って資金が尽きるといくら黒字でも潰れちゃうんですよね。当然ですけども、やっぱりキャッシュ・フローが大事です。

そういうことを今の会社で図らずも本当に理解できました。今まではキャッシュが足りなくなるってどういう事かとか、会社が潰れるってどういう事か本当の意味ではわかっていなかったんだと思います。

最終的には上場を目指して、上場が出来た後に目指すところは、株式市場からのお金の取り方と銀行からのお金の取り方をバランスよく出来る人になりたいですね。

直接金融だから別に安いわけではなく、上場するとコストがかかりますから、そこから得るお金と銀行から借りるお金をどうやってコントロールするかというところまでを20年後くらいには出来ると良いなと思っています。


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