USCPAに投資した時間・費用は十分回収出来ました(笑)キャリアは合わせ技。


第106回 USCPA CMレポート

実施日: 2014年5月31日(土)
【Guest】  Yugoさん USCPA

~会計コンサルから事業会社の企画職へキャリアアップ特集!~

ゲスト紹介

第106回 USCPA CMレポート  実施日: 2014年5月31日(土)高校生の時から海外に興味を持っていて、大学3年生の時に交換留学制度を使い、一年間、アメリカへ留学。大学卒業後、2年間の重工業メーカー勤務を経て、アパレルの小売業に転職。

経理と経営計画を兼務し、急成長企業の中で店舗の予算管理、海外子会社の決算業務、有価証券報告書作成などを幅広く経験。

在職中にUSCPAの学習を始め、約2年半の試験勉強と4回の受験を経て、2005年に29歳で全科目合格。

資格取得を機に、Big4系の会計コンサルティング会社に転職。

日系製造業のUS-SOX対応ジョブにアサインされ、クライアント社内の内部統制整備、監査対応サポートを担当した。

特に海外対応チームに長く在籍し、マネージャーとして各国のグループファームと連携して、北米、東南アジア、中国、南アフリカなどの子会社の内部統制整備を進めた。あわせて、同じクライアントの関連会社のJ-SOX対応やIFRS対応にも従事。

約6年間の勤務を経て現在の非鉄金属製造業に転職。

現職では、事業戦略企画部門マネージャーとして、M&A推進を中心とした業務に関与し、現在は、M&A法務、自社の製造プロセス、製品戦略などは業務や独学で学びつつ、これまで身に着けた会計知識やコンサルスキルを強みとして、やりがいのある仕事をしている。

  • ゲスト
  • 参加者
  • 司会

Q&A

最初の会社から2社目に移った時のギャップが凄かったんじゃないかと思いますが、いかがでしたか?

そうですね。

若かったので、慣れるのは早かったですが、1社目はプラント輸出営業だったので、会計的に言うと売掛金回収期間が10年とか平気であるんですね。10年経っても返って来ないなんてことも平気であって。

そういう世界だったのが、小売業で、ほぼ現金商売で売掛金なんてものがそもそもないような感じでした。

毎週毎週、週末ごとにチラシが入ってきますが、週が経営の基本サイクルなんですね。一年間で52週ありますが、52週間ずっとそれを繰り返していくわけです。

週の最初はその前週末にチラシを撒いて、販促を掛けた結果、どうだったのかという情報を集めて、月・火で反省と来週に向けての戦略を練る会議があって、水・木で現場は休みを取り、金曜あたりからは仕込みを行なって、次の土日、、、と言う事を52週繰り返すわけですね。

転職した時に「間違えても良いから、フットワークを軽くしてくれ」って事と、どんどん決めていかないとダメだと最初に言われました。

やはりそこは前とぜんぜん違いましたね。
あの頃はプライベートでもすごくせっかちだった気がします(笑)。

最初の転職の時はいくつか選択肢があった中で選んだのでしょうか?

紹介されたのは、外資系企業の営業職の求人が多かったですね。

大学卒業して2年目くらいだったので、紹介する方としては、大学の名前とTOEICの点数くらいでしか判断のしようが無かったんだと思います。

自分は管理系の仕事に興味があって、未経験でも良いから経理や財務で求人をしていたのが2社目に入社したところでした。

色々経験が出来そうだな、面白そうだなと感じたのが動機でしたね。

会計事務所と事業会社と色々と経験されてきて、USCPAの知識自体はどちらのほうが活かせたと感じていますか?

どちらも活かせているというのが私の感想ではあるのですが、会計事務所のほうが純粋に知識を使いますね。

私がやっていたのは、内部統制の構築だったのですが、例えば、自動車メーカーだと基本的には財務諸表の売上に反映されるところを見るので、モノを売った時に設定している単価とか、車だと車式とか色々な要素で値段が決まってくるので、それが客観的な基準で決まっているのかとか、貸倒引当金をどう見積もるか、というのに基準がなくて、経験に基づいていたりすると内部統制上、良くないということになるんですね。

営業部門でも製造部門でも、企業の活動はお金の動きとして財務諸表に反映がされますよね。

そこには必ず会計がインターフェイスとして機能しているはずなんですね。

そういった目線で見ると、ある活動は会計的に見ても的確に押さえられていますね、あるいは、もう少ししっかりとしたルールを決めて仕事をするべきですね、というのが見えてきて、それがどうして見えるようになったかというとUSCPAの財務会計論や監査論で得た知識があるからだと思います。

今、皆さんがUSCPAで勉強している内容に一番直結するのは、会計監査人の仕事ですね。

ただし、会計監査の仕事って地味で細かい作業の繰り返しなので、刺激的で面白いわけではないと思うんですね。ひとによって違うかもしれませんが。。

自分みたいに経理の経験を積んでかつUSCPAの知識も持っていると、社内で経理以外の仕事をしている人に「こういうことをやっていたら、経理の数字がおかしくなりますよ」というアドバイスが出来るし、そういったことが出来る人は貴重な存在になれると思います。

私はどのような職種でもビジネスマンであれば、このような知識を持っていて、損はないと思っています。

同じ部署の若手には「USCPAを勉強しろ」と言うのはお金も時間もかかるので「しろ」とは言えないのですが、「せめて簿記検定くらいは受けたら?」ということは言っています。

ちょっと感覚的な言い方で、的確ではないかもしれませんが、そういう目線があるというのは、IT知識とか外国語が話せるといったスキルに似ていると思っています。

英語が話せれば、より多くの人々と直接話ができていろいろな気付きが得られたりもするし、ITに詳しければその目線から世の中の動向が見えてくることもあると思います。

会計も同じように視点を増やすスキルだと思うんですね。

そういう知識を持つことによって、社内で他の人が気付かないポイントに重要な問題点を見つけ、問題を解決することができるかもしれない。

別にそれはコンサルだろうが、事業会社だろうが関係がなくて、そういうことをホワイトカラーの労働者が今後、やっていかないといけない事でしょうし、そういった意味で会計というのは、ビジネスのどこでも普遍的に顔を出してくる要素なので、知っていて損はない知識だと思います。

海外の仕事をするにあたって一番難しいことは何ですか?

とりあえず、最初は英語が話せなかったですね。

会計事務所時代の話をすると、クライアントは日本に本社があって、中国とかヨーロッパとかアメリカににも子会社があって、我々が本社の立場からSOX対応に関する指示をするんですが、指示する手段はEメール、電話会議、テレビ会議等があり、他には実際に出張して説明するというのがあるんですけども、新しいプロジェクトというのは、Eメールじゃまず通じません。

言っていることがまず理解してもらえないし、資料をたくさん作成して詳しく説明すればよいかというと今度は長いメールは読んでくれません(笑)。

基本的に最初は説明会を開催して、子会社の方に説明に行くんですね。行って説明すると本社は本気だなと思って、子会社の方たちは理解しようとするんです。

多国籍企業の子会社は本社の各部署から本当にいろいろな指示がくるので、基本的には無視されると思っておいて間違いないんですね。

さらに1回の説明会で言いっ放しというのでも駄目です。

現地の同じ会計事務所に委託して貰ったりして、説明会が終わった後もクライアントの子会社をフォローしてもらうんです。そういうことを1-2年繰り返すとだんだん浸透してくという世界です。

コミュニケーションって一言でいうと簡単なのですが、全く伝わらないところから、いかに伝えていくか、伝えるのも人が行って熱意を見せるとか、現地の言葉でフォローできる人を関与させるとか、そういうことをたくさん下支えしてようやくSOX監査に対応できるレベルまで作り上げていくっていう、そういう難しさがありますね。

自分が当たり前だと思って話していたことが、後になって全く通じていなかった、なんてことが多々あるので、言葉もそうだし、言葉を超えたもっと深いところでどう伝えるのか、ということが一番苦労するところかな、と思います。

海外留学経験もあり、TOEICも900点があったということですが、それでも言葉の壁を感じたということなのでしょうか。

そうですね。コミュニケーションって語学力だけの問題だけじゃないと思うんですよね。

相手の理解度もそうだし、自分の理解度もそうだし、前提として思っていることがお互い違っていたりするとそもそも通じないので、そういうことも含めて相手をどう理解するかとかですよね。

「自分の言うことなんて他人は聞いていないんだ」というところからスタートしないといけない、というのがグローバルに仕事をするときには心得ておくべきかな、と思います。

割と短い期間のなかで転職をされていると思うのですが、USCPAという資格自体が評価されているのか、仕事自体が評価されているのか、どのように感じていますか?

USCPAは確実に評価されます。

資格を持っている事自体がマイナスになることは絶対にないです。ただUSCPAというのは看板であって、その看板が意味するところは、「会計に関する通り一遍のことを知っている」という事と、「その試験が受かるまでに努力をした、もしくは努力が出来る人である」ということ。

それと話せるかどうかはわからないけども、英語の読み書きはそれなりに出来るだろうという事ですね。

それ以外の仕事が出来るとか、先ほど話したコミュニケーションとかは資格とは直接関係してませんから、転職するのであれば、USCPAにプラスして、自分はこういった経験をしていて、例えば海外で同僚をコントロールしながら、グローバルなプロジェクトを進めた経験があるといったことは、自分ならば別途キャリアシートに書きますね。

USCPAを持っているというのはこのご時世だと流行りといえば流行りなので、そういうグローバルで経理とか、管理部門で活躍できる要素がある強烈なアピールにはなると思います。

ただし、それプラスアルファで総合的にどう評価されるかだと思います。

今までいろいろな業界で働かれていますが、コアになるものがあるので引き合いが来るのか、それとも売り込みのテクニックのようなものがあってなのでしょうか?

別に売り込んではいないですよ(笑)。

普通に皆さんと同じようにエージェントに登録をしたりしました。2社目の時の取引先の人がヘッドハンターになっていて、今の会社はその方に相談しに行ったら、紹介されましたね。

転職のときには、日本企業が海外企業と付き合うときに必要な基本的な経験は持っているということ、会計がわかるということ、そういったスキルを発揮するだけのコミュニケーション力はありますよ、というのを分かってもらうようにはしてきた気はしますけどね。

グローバルな世界で働く、経理財務の人間として必要な人材であったり、生き残っていく人材というのはどのような人だと思われますか?

経理って安定職種で、一概には言えませんが、積極的に外国語を学んだり、海外で力を試してみようという人は少ないかもしれません。

でも、例えば、IFRSを導入するとか、日本に本社がある会社で、本社主導で各国の事業所・支社に会計基準を変えるプロジェクトがあったとしたら、本社経理の人間がこれを子会社経理の人たちに理解させ、かつ本社が期待した通りに処理をさせるというのは物凄く大変なことだと思うんです。

その手のことが出来る人って日本の経理部門で育ってきた人の中だと少ないんじゃないかなと思うんですよ

そういったことをプロジェクトリーダーとなって推進出来るような人が出世していくでしょうし、生き残っていける人だと思います。

しっかりした知識があって、プラスそれをクロスボーダーに実現出来る人、リーダーシップと言っても良いのかもしれませんが、そういう人材が経営者からしたら欲しいですよね。

2社目からコンサルに行った理由はなにかあったのですか?

きっかけは2社目の会社では、なにか新しいことをする度に経理面については相談を受けるんですよね。

小さいことも含めると常に新しい事業を考えている会社だったので、立ち上げの時にこれは会計的に問題がありますか?という相談を必ず受けるんです。

そうした時に自分で会計基準など調べて、判断をして答えを返すんですが、そうやって相談を受けて助言をするという仕事は好きだし、楽しかったので、そういうことをメインにする仕事ってどうなんだろうっていうのが興味としてありました。

コンサルでも経理系のコンサルとか、人事制度を構築するものとか、色々と分野があると思うんですが。

そうですね。私がいたところは、会計系のバックグランドを持つ人は4割位で、残りはIT分野の経験が大部分でした。

ITと言ってもプログラミングや開発というよりは、ITガバナンスと言われるものです。

やっぱりコンサルというのは営業力がいるんですね。

要りますね。

それが自分にとって誤算だったというか、私はSOX絡みの仕事がたくさんあるところに放り込まれて、それを一生懸命にこなして、それはそれで楽しくて、お客さんも喜んでくれたんですけども、仕事が少なくなってきた時に営業をしなければいけない状況になって、それが思っていたよりも自分には合っていないなと感じました。

自分としては事業会社のスタッフ部門で働くほうが性に合っているなと思ったのが転職のひとつの理由ではあります。

転職で会計事務所に行くというのは何か会計ではない他の強みを持って行かないと厳しいのでしょうか?

転職組で会計士ではない人は意外にいて、会計士ではないけれど出世している人もいるんですよね。

別のところで強みを発揮して、会計事務所の中でいい場所を確保して、偉くなっているって感じです。

今後、転職はあまりしたいと思わないという話がありましたが、それは今まで培ってきたものが、今の会社でフルに発揮できているという実感があるからなのでしょうか?

そうですね。今の職場で自分ではフィットしていると思っていますし、自分の持ってきたものを発揮できているし、かつ自分の知らない事が学べる環境が気に入っています。

私のコンサルまでのキャリアだと、一番可能性が高い転職先は内部監査部門だったと思うのですが、もう少し新しい経験も身に付けつつ、同時に今まで積み上げてきたことを活かせる職場を探しました。

あとは単純に落ち着いた職場で安定的に働きたいと思ったということもあります。

コンサルの力とか、会計のスキルは今の会社でもかなり頼られていますか?

そうですね。自分ではそう思っています(笑)。

転職をするときに仕事を優先して自分に合った方を選ばれているのか、給与の方だったのか、自分の中でどちらに重きを置いて考えられましたか?

両方というのが答えになるとは思うのですが、最初の会社を2年で辞めた時は何も考えていなかったですね。

2社目に入ってからは、成果が上がれば給料が多くて。生々しい話ですが、25歳位の時に会社の業績が良かったので、年に2回の通常ボーナス以外で決算ボーナスがあり、100万円貰った事があったんです。その100万円で実はUSCPAに申し込んだんですよね(笑)。

その後、3社目ではマネージャーまでは比較的順調に昇進できたので、給料も上がっていました。現在の会社に転職したときはご想像通り、年収は下がっています。下がっていますけども、総労働時間が減り、住む場所も地方で6年間長期出張みたいな感じだったのが、転勤の可能性があるにしても東京に本社があり安定しています。

それらを総合的に見て、条件的にどのくらいの年収ダウンであれば、他の条件が良ければ受け入れられる基準というのを考えていました。

やっぱり仕事として面白いというのもそうですし、それだけじゃなくて、お金や生活のことも考えておかないと行けないと思いますね。

そういった時にUSCPAが活きたというのはありましたか?

転職しても、しなくても活きますね。

例えば今の会社で、新しいプロジェクトが立ち上がって、それをやりたいですと言った時に資格を取っていますといえば、きっとアドバンテージになりますよね。「本気なんだな」というのが見えてきますので。

さらに転職の時はUSCPAの資格があるということは、監査法人みたいに専門家ばかりいるところは別ですけども、事業会社であれば「英語と会計の素養あり」ということです。

その2つのスキルセットはここ10年、20年で需要がなくなるという事はないでしょうから、全く損はないと思いますね。

キャリアは合わせ技だと私は思っていて、ひとつのスキルが出来ますという人は、割とたくさんいるんですよね。

例えば、英語ができますっていうのは、ひとつのスキルですが、ネイティブレベルの帰国子女もたくさんいる中、英語力だけで差別化するのは大変です。

でもこれが英語ができ、さらに会計の資格もありますとか、ITについてもアドバイスできますとかという風に、スキルが3つくらい組み合わせると希少価値が格段に上がっていくと思うんです。

そのようにいかに自分の売りを増やしていくかだと思います。CPAはそのひとつとして良いものだと思いますし、それだけで結構な差別化になると思いますよ。

もう一つ知識があったら良いな、と思うのはどんな分野でしょうか?

ITか法律ですね。法律は今の仕事をやっていると契約ばかりなんです。コンサルをやっている時から、契約書に触れる機会はあったのですが、法律って、法的にこう決まっているというと、それで物事が決まるじゃないですか。

なので、法律を味方につけて、法律をうまく活かして物事の進め方を組めると強力な推進力になったり、逆に歯止めになったりすると思うんですね。ただ弁護士になるための勉強なんてしていたら、全く違う人生の時間の使い方になってしまうので、同じことは出来ないのですが。

あとはやっぱりITも専門性としては魅力に感じます。なんにせよ、いかに他人が容易に手が出せないようなブラックボックスを強みとして持っているかだと思っています。

会計におけるブラックボックスをつくろうとは思わないのですか?

それは経理の実務経験や会計事務所でのコンサル経験、さらにCPAを取ったってことである程度できていると思っています。

例えば、会社で会計絡みのプロジェクトを進めるという事になったら、担当として任されるかどうかは別としても、そのプロジェクト責任者の頭の中に自分の名前が浮かぶようになっているか、ということだと思います。

平たく言うと自己アピールなのですが、そういった強みをいくつか持っていると良いのだろうなと思います。

ただ担当者としてはそれで良いですが、この先、年齢が上がった時には別の能力、マネージメント能力とかリーダーシップとかが求められるので、また別の局面に入るかなと思いますね。

30歳代位までは、スキルの強化に努めていれば面白い仕事がたくさん出来るし、同世代の人よりもより良い経験も積めて、次への道も開けてくるはずと思います。

内部監査の需要というのは今後も伸びていくと思われますか?

業界的には伸びていくと思うんですけどね。。

日本の会社は内部監査を重視していなくて、上場企業でも内部監査室には数名人しかいなくて、しかも定年間際の人ばかりだったりすることが多いです。

ですが、求められる仕事のレベルや範囲は拡大しています。そのギャップを埋めているのが監査法人系のコンサルです。

内部監査的な仕事の重要性は増していくはずですが、日本企業の経営者がそれを理解して、人を増やしていったりするというのは、まだちょっと時間がかかるんじゃないかと思います。

前職では早期退職があって、当時の同僚の大部分はバラバラになったわけですけども、同業他社に行った人もいるし、私みたいに事業会社に行った人もいて。事業会社に転職した人は内部監査部門に入ったケースが多いです。

日本の有名企業の内部監査部門に転職した同僚もいるので、海外子会社も含めた内部監査を進められる人って事業会社側にはあまりいないから、コンサルにアウトソースするか、転職市場にこれはと思う人が出てきたら、採用したいと思っている会社は多いみたいですね。

さっきの話のブラックボックスのような感じでそれが出来る人が限られている感じですかね。

そうですね。CIA(公認内部監査人)試験があって、私も2006-7年位に受けましたけど、その頃から急激に受験者が増えましたね。

ああいったものが盛り上がるくらいなので、ニーズはあると思います。

ただ内部監査の仕事は理論や知識だけでは厳しくて、会社に長くいて、会社の業務をよく知っていないと効果的な内部監査は出来ないと思います。

今は会社の業務知識と外部的な理論を両方持っている人がほとんどいない状態だと思います。

CIAだけ持っていても、その会社が何をやっているかを知らないと内部監査は出来ないんですね。それをうまく両方持つようにキャリアを作れれば、需要はあると思います。

経理にしろ、内部監査にしろ、そういう仕組みがある会社はたくさんあると思うんですが、転職するにあたって、他に基準を設けるとしたら、どういう基準で選択すれば良いのでしょうか?

一緒に働く人ですね。

特に会計事務所とかはパートナーがいて、パートナーの下にチームあって、そのパートナーがクライアントを持っているんですね。

私の経験の範囲でのお話ですが、一度、所属すると基本的にはそのパートナーのチームに囲い込まれるんですね。

そのパートナーと仲良くなれなくなると行き場がなくなる可能性があるんです。だから、人としてうまくやっていけるかどうかというのは重要ですね。

転職活動の際にそこまで人となりとか、組織の関係を分析できないですよね。

そうですね。

将来的な事はわからないので、一緒に働くことになる人たちとできるだけ会わせて貰って、話をする事くらいですね。

今、USCPAの資格を持って、仕事をされているわけですが、今までの会社に較べて自由度は高いですか?

専門分野を持っていて、周りがその分野をわかっていない人ばかりだと口出しをされづらいですよね。

ただ仕事ってそれだけじゃなくて、特に転職した直後は皆、心配だから細かく見るんですね。そこは確実に成果を出して行って、「この辺は任せられるな」ということになると、どんどん自由度が高まる感じです。

転職直後の1-2年はやはり大変で、「こいつは別に見ていなくても大丈夫だな」と上司に思ってもらえれば、かなり自分の思う通りにやれるようになるかなと思います。それは専門知識の問題だけではなくて、人として信頼されるという部分だと思うんですけどもね。

財務経理部のやりがいがあれば教えて下さい。

お金の流れがすべて見られることですね。下世話な話だと接待費とかも見えちゃうんですけども、そうじゃなくて会社の活動って基本、お金に反映されるので、こういうことをやろうとしているんだとか、こういうことをはじめたんだとか、こういうことにお金を使って会社はやっていくんだなということが見えるということがひとつと、それが分かった上で経理の側から的確なアドバイスとか出来れば、もっといいですね。

それは経理部にいれば提案を出来るものなのですか?

求められることが多いような気がします。ただ求められない会社もあります。経理はたんたんと処理をしろという感じですね。

2社目の会社は経理は上場して決算をしないと行けないから拡充していき、当初はそれ以上の期待はないように感じていましたが、海外進出やM&Aなどで会社が大きくなる時にグローバルな会計知識がある人が欲しいという事になって、私が退職した直後くらいから、USCPAとか日本の会計士が採用されるようになったと聞きました。

会社を経営する上で、お金の流れがわかった上でなければ、判断できないことっていっぱいあると思うんですよ。そういうことが分かるってことが会社の中で会計の専門性を持っている面白さじゃないですかね。

お金の流れがわかるというのを一言でおっしゃったんですが、見えるという意味では相当な勉強だったり、経験が必要だと思うんですね。

普通に私が見て見えるのとYugoさんが見て見えるというのは全く違うと思うんですが、それをわかる為のスキルを身につけるためには何が必要だと思いますか?

その答えは今、みなさんが頑張っているUSCPAの勉強の中にもあると思うんですよね。例えば監査論でゴーイング・コンサーンの話とかあるじゃないですか。

ああいうのって理論的にどういう兆候があったら、継続性の異議が付くとかありますよね。

あの通りです。

売上がずっと下がってきているとか、負債の比率がどんどん上がっているとか、細かいことは覚えていないですが、その基準を実際に仕事で接する企業に当てはめて考えてみれば良いだけです。

それから、実務的なものとしてはBS、PLを時系列に並べてみることですね。過去5年分見れば、ある程度、気付くことがあるはずです。

事業会社の経理で働いている人の評価のされ方ってどのようにされるんでしょうか?

そこは難しいところがあって、経理って正確に処理して当たり前で、失敗したら怒られるっていう減点主義的なところはどうしてもあります。

更に正確に処理するためには、膨大な下調べが必要で、それなのに上の方のひとはそういう頑張りには全く興味が無いみたいな状況がよくあります。

その辺を経理の仕事のやるせなさとしていう人が多いのですけれど、そういった面は一面であって、さっきから何度か出ていますが、会計の知識を持っている人だからこその価値があるんですね。例えばシステムを導入しますという時に経理の人が全く噛んでなかったら、とんでもないものが出来ると思うんですよ。

他にも海外の子会社を立ち上げると、日本の本社から経理を送り込むじゃないですか、そういう新しい仕事を経理の分野でこなせる人っていうのが一番評価されると思います。

当たり前のことをきっちりやる人はもちろん必要ですが、加えて新しく何かを立ち上げる時にそこを経理的な面からでなにかを語ったり、アドバイスしたり、構築して進めていくという人はさらに評価されると思います。

それから、ルーチンワークでも必ず評価される仕事もあって、それは決算の早期化ですね。45日間でやっていたのを40日で決算を出しますということになるとそれだけで評価されますね。

最後に皆さんに何かありますか?

私がUSCPAに申込みした当時、説明会に三輪さんが出てこられたんですね。

やっぱり起業した人って話が面白くて、色々と話をしていて覚えているのが、「皆さんくらいの年齢で、2年間くらい自分に投資するとあとですごく良いと思うから、2年間って長い人生にしてみれば短いので投資して、勉強して、時間を使ってみませんか」と言われたのが印象的で、その通りに申し込んだんですね。

2年間仕事をしながら勉強するのは大変でしたけども、USCPAの勉強を通じて、ココも足りないとか、アレも足りないとか気づけたことがいっぱいあるので、そういう意味ではUSCPAの勉強をして、資格を取れたのは良かったなと思っています。

当時、投資した100万円は回収できたと思いますか?

そうですね。十分、回収できたと思っています(笑)。

収支計算したことはないですけども、十分面白い仕事が出来て、経験も積めて、そこからさらに面白い仕事、という良いスパイラルがUSCPAを取ることで出来たなと思っています。

本当は大学卒業した時にMBAに行きたいと思っていたんです。最初の会社に決めたのも留学制度があるということが大きかったんです。その後転職して留学は遠のいたのですが、MBAに変わるものとしてUSCPAを始めたというのがありました。

キャンパスライフを送れなかったのは少し残念だとは思っていますが、USCPAを持って会計事務所で世界各国のオフィスの同僚たちと働いて、今でもフェイスブックで繋がっていたりしますし、そういう経験が出来たので良かったなと思っています。皆さんも是非、頑張ってUSCPAに合格してください。

PR

USCPAの転職ならアビタス

他の人にも教えてあげる。



USCPAの事がよく分かる資料を無料でお届けします。


USCPAの資料を取寄せる



SNSでもご購読できます。