第63回 USCPA CMレポート
【Guest】あだ名 Ryuhoさん USCPA
■自己紹介
生まれは福岡県(父:八幡、母:佐賀県 神崎)、小学校の低学年から東京に。高校時代に英語と会計とビジネスをきちんとわかっておかないと将来困るのではないかという意識があり、上智大学へ入学。
2003年に大学を卒業し、SAP(会計パッケージを扱う外資系IT企業)に入社。
SAP入社後、エデュケーション部門(トレーニング事業の講師)→CRM等の導入のコンサル→プリセールス(5年)→事業開発(プランニング、本社との調整役)
会計パッケージを作るのは海外なので、海外の人を招聘して、日本でのビジネス戦略を考えたり、日本のセールスチームのエデュケーションをしたりしていた。
30歳での転職を決意。
■Q&Aコーナー
- ゲスト
- 参加者
- 司会
USCPAを目指したきっかけは何かありましたか?
USCPAをとった理由は、ぶっちゃけていえば、リスクつぶしの為。英語、IT、会計がわかっていれば、困ることは無いんじゃないかと考えた。(でも、会計・経理や監査を行なうわけでもなく現在に至る。)営業になってみて、見識が広がったと思うのは、投資対効果とかメリット・デメリットだけでものが買われたりするわけではないなと実感できること。公共部門というのは、そもそも民間に任せると採算に合わないから、公共部門がやっているわけですが、その公共部門がやる仕事の効率性や効果は重要だと考えている。
公会計ってUSCPA試験の中では結構、苦手というか、疎かにされる傾向にあると思うのですが・・・?実際の公会計っていうのはどうなんですか?
USCPA試 験における公会計は面倒だな、と感じる人が多いと思いますが、実は公会計は面白くて(笑)、行政評価だったり、行政コスト計算書というのには基準があっ て、公共がやっているものであってもその効果を世に出さないといけないんけども、そこにはまだまだ広大なフロンティアがあって、それをきちんとやって、強みを持って生きていくってのはかなり飯を食える種はあると感じていますね。また、日本は所得の半分近くは税金として使われているわけで。でも、それらの税金が公共の場でどうやって使われているかわからない。なので、そこにマーケットを作り、行政のやっていることをわかりやすく市民に伝えるというのはこれから大事になってくると考えています。
CPAというものが営業にどう活きていますか?
今 は営業の仕事をしていて、そもそも「どうして米国公認会計士資格を持っているのに営業をやっているんですか?」という話になるのですが、取り扱っている商品の特性にもよると思うのですが、私がこの会社で販売しているものは、クラウドのインターネットサービスでデータベースとかアプリケーションのサービスを 自由に利用することが出来るというものを提供しているので、「今までのITの使い方とは全く違った使い方が出来るんです」というセールストークなんですね。
そうなると、今までの仕組みとは違って、この会社で取り扱っているものであれば、契約すればすぐに使えるというのが大きな強みで、さらにその上で、「何をしますか?」「どのように使いますか?」という話になるので、様々なバックグランドを持つ人間がフロントにいる必要があるんですね。USCPAを取得(勉強)した事によって、こうした事にきちんと答える事が出来るようになっていると思います。
そもそもITがわかっていると言うよりも業務であったり、それに対するニーズ・効果であったりをきちんと提案するというのが、営業に求められる仕事であったりするんですね。
こういった資格をもっていると数字に敏感になるし、敏感になるだろうなと思われるし、営業の仕事は何度もチャンスを貰えるものではないので、1回、2回でビシッと決めないと行けないので、名刺に書いてある事によって、覚えてもらいやすいとかわかりやすいメリットが当然有るし、インパクトも与えられているのではと思います。
日本人の感覚としてクラウドを使いたがらないという人が多いんじゃないかと思うんですが、公官庁というドメスティックな世界の方たちにどうやってセールスのアプローチをしていますか?
確かに難しいです。理論的に説得をするには限界があるんですね。海外にデータを置くというのクラウドに対するアレルギーは日本の企業・公官庁には確かにあります。そうした場合の説明としては、うちのデータセンターの場合、神奈川にデータセンターはあり、米国の東海岸にあるので、リアルタイムで同期をしているんです。
どちらかに地震等で問題が生じても、もう片方が生きているので大丈夫ですよという話をします。それとデータセンターの運用について、いわゆる日本で言う18号監査というのをきちんと取っているというのは大きなアピールポイントになります。
あ、USCPAを取って良かったと思う事のひとつは、この18号監査をきちんと説明できる事(笑)
また、過去、データ漏洩、情報流出の事件がありましたけど、そうした漏洩はどこからアクセスされて、どこで運用されるかで、国によって法の適用が違うんですね。
アタックして何かしらの結果を生むまで、一案件に対して、どのくらいの期間がかかるものなのですか?
ITシステムというのは長めにかかるというのが基本だと思うんですが、一般論でみると他社と較べて今の会社は短いと思います。
「すぐに使い始められますから、だからすぐに使いましょうよ」というのをセールストークとして使っているので、そうした急場を狙っていくっていうのが基本スタイルなんですね。
「試しに導入してみませんか?」っていうアプローチもあるんですよね?
官公庁の仕事というのは金額は大きいんですか?
予算がいっぱい付いたから、金額が大きくなったり、、みたいなことも当然ありますよ。
USCPAの勉強をされていたのはいつ頃ですか?
正直なところ、前の会社で「プリセールス」を長くやっていて、マンネリ化してきちゃったんではないかと思いました。「違うことをやろうかな」とぼんやり考えても、世間は厳しいので、ガラっとキャリアチェンジ出来たりするわけじゃないので、それだったら、何か資格をとろうと。何かプラスになるものを取って、そういったキャリアチェンジに挑戦できる環境を作って転職しようと考えました。そして、2007年から勉強を開始して、1年3-4ヶ月で合格しました。その時は初回は一気に4科目を受験して、2科目(FARE+BEC)合格したんですけど、A&Aは業務で監査を全くやったことがなかったので、とっつきにくくて、勉強も進まず、最初は全然ダメでしたね。(しかもその時にホテルが火事になるというハプニングが!!)それから3ヶ月後に2科目受験して見事に合格!その時、試験直前に追い込むのは2科目が限界だと感じました。(今は日本で受験できるので、少し環境が違うのかもしれませんね)
CPAを取得する過程で、英語で会計を学んだ事で考え方が変わったとかはありましたか?
比較対象があることによって、理解がし易くなったっていうのはあると思います。
■最後に・・・
ひとつは、海外にある現地法人で仕事をしていくとかいう風に海外に出てってビジネスをしていくって方向と、日本国内で日本人にしかできない仕事をするか、という方向しかないと思うんですね。あと10年くらいで人口的に限界が着て、そうした時に移民がどさっと来るか、日本自体がすごく衰退していくかだと思うんです。移民がバサッときたら、誰にでもできるような仕事というのは、その人たちが取っていくことになると思います。
以上です。
今回は参加者の方にも色々と話を聞き、かなり双方向のミーティングになりました。
Ryuhoさんは某市の財政健全化委員会の委員をやっているという事で、その辺りの色々な話を深く聞けたのも非常に面白かったです。(ここではちょっと書けない話が多かったです。笑)
ゲストのRyuhoさん、ありがとうございました!