第68回 USCPA CMレポート
実施日:2012年8月25日(土)
【Guest】 あだ名 Yokoさん USCPA
自己紹介
大学は文系でドイツ語を専攻していた。
就活時は、今と同じくらい就職難な時期だったが、IT系だけはバブルが残っていた時で、銀行系のコンピュータ子会社に就職をした。
受験英語は割りと得意だったが、大学では周りが帰国子女、留学経験者が多く、そうした経験がなかった為、英語はコンプレックスで、就職時には英語を使ったものは考えてなく、これからはコンピュータだろうと思いSEの仕事を最初に選んだ。
仕事内容としては、人事のパッケージシステムの営業開発(コンサル)。仕事をしている中で、「人件費仕訳」というのが出てきて、会計関連を全く知らない自分に気づき、まずは簿記の2&3級を取得。それを学んでいる中で、先生から「これから会計をやるのであれば、日本ではなくて英文会計、USCPAなんじゃないかな」と言われ、まず英文会計入門を勉強しようとほぼ設立当初だったU.S.エデュケーション・ネットワーク(現アビタス)の扉を叩く。
入社から4年くらい経った時に親会社の銀行が3行統合することになり、英語ができる人材が必要ということで、各銀行の海外支店の事務の統括をする部署に異動。
ニューヨーク支店やら上海支店やらと世界各地に3行が揃っているので、その海外支店のシステムを統合するという仕事だった。その当時は一ヶ月単位で様々な海外支店へ出張をし、そのような生活を3-4年行なった。
その仕事をする中で、会計用語やら処理でわからない点が出てきて、USCPAへの思いが湧いてきて、この3行統合が終了した後にUSCPAの学習を開始。
だが、、、自分で仕事について考えた時に今、やっている仕事は気に入っていたし、やりがいもあったが、銀行においては3-5年周期で異動がある中で、もし異動するとなると会社の中で異動したいところがないな、と思っていて、そうした矢先に最初の会社の上司から、今の会社についての話を聞かされることになる。
その上司は自分が将来的には英語を使った仕事をしたいという希望を以前から持っていたことを覚えていて、こういった仕事があるけれど、受けてみたらどうかと誘われ、受けてみたところ、見事に採用となった。
銀行業務とはぜんぜん違う仕事で、新しい仕事だったので、始めたばかりのUSCPAの学習を単位取得が終わったところで、中断してしまったが、1年半後に勉強を再開し、1科目ずつ受験していき、その後、合格した。
今は外資系IT企業でERPの開発部隊にいる。直属の上司はオーストラリアにいるオーストラリア人。外資系で学歴はあまり関係ない環境で、自分のエデュケーションレベルを測ってもらうのにUSCPAが活かせている部分があるのと、今後、異動する際に、USCPAの知識があるというのは、活用できると思っている。(今のところ異動はしていない)
以下、Q&Aです。
- ゲスト
- 参加者
- 司会
今は入社何年目ですか?
その間、ずっと同じ仕事をされているのですか?
ビジネス・アプリケーションというのをもう少し詳しく教えてもらえますか?
あれは中小企業をターゲットとしていて、大きな本屋であれば売っているようなシステムですが、それのもっと何万人とかグローバルで利用される大企業をターゲットとしていますね。生産管理・会計・人事・顧客管理を含めた企業の基幹業務を支援する統合情報システムをERPと言っているんですが、そのうちの人事システムの開発をしています。
Google Appsみたいなものでしょうか?
近いものがありますが、大企業向けに提供をしていたうちのような会社も含めて、今は特にSaaSにチカラを入れているので、顧客システムとあと幾つかのものはiPhone等で動くものが出来てきていると思います。人事のソフトはまだそこまで出来ていませんね。
給与システムの開発ということなので、USCPAの知識を活かす場面もありますよね?
そうですね。パッケージシステムとは言っても、基礎があって、その上にローカライゼーションと言って、各国の仕様ができていて、さらにその上にお客様たちがカスタマイゼーションとかアドオンとか言われている自分たちの会社に合わせた仕様で作ることになっているんですね。
その真ん中のローカライゼーションの日本の部分を私が担当していて、この仕事に限られていることだとは思いますけど、米国の会社なので、なんだかんだ言って、やっぱり土台がアメリカ国内で使用する際に一番うまく行くように出来ているので、国内仕様に落としこむ際にUSCPAを勉強したことによって、そこをきちんと理解できているというのがアドバンテージとしてあると思いますね。
どういったソフトが売れているのでしょうか?
売れているという意味では、顧客管理ですとか、生産管理の方がかなり好調です。震災にも関連しているのですが、海外に工場を出しているところが多いので、それをまとめて管理をするという意味ではやっぱりERPで、国産のパッケージを使うよりはグローバルな一括管理できるパッケージという事で、使われています。日本も海外企業を買収しているので、その海外企業が使っているものをそのまま使うという意味では、グローバルなパッケージソフトを使う動きになっているようですね。生産管理はUSCPAの知識が使えるとことかなと思います。
USCPAと言えば会計だと思いますが、会社としてもIFRSは商機と捉えているので、セールスの募集は多いですね。
この市況でも毎月毎月、人が入ってきている状況です。
ただ現状、日本でもIFRSが停まっていることは大きくて、お客様も様子見状態ではあるのですが、勉強会などを開いて、お客様をつなぎとめている状況です。
やはり米系企業と日本企業とでは違う面が多いのでしょうか?
アメリカの会社にいると感じるのは、日本企業と米国企業の海外進出の仕方が全然違うなと思いますね。
ただ今は日本のどの企業もグローバル化は本当に進んでいるので、一部でもERPを使って頂いている企業が多いのかなと思いますね。
あと最近では、日本で今まで使っていた国産パッケージを刷新しなければならないという時に海外の支店で既に使っていたグローバルに対応できるパッケージソフトを逆に本社に持ってこようという考えでどんどん広がっていく事が多いですね。
USCPAの資格を活かせる部分って、御社のような場合、他にどのような職種がありますか?
セールスはそれほど知識は必要ないと思うのですが、成績次第で仕事はずっとありますよね。
どちらかというとコンサルの方がUSCPAの知識というのは活かせるかなと思います。直接、お客様のところに行って、コミュニケーションを取って、導入をするので、その時の単価というのは人のスキルによって単価が決まるんですね。同じコンサルの中でも。なので、USCPAという資格があれば、箔が付くし、お客さんがそういう人が良いといえば、単価が上げることも出来ますし。そういったところだとUSCPAも活かせますよね。
就職先で求められるレベルにもよると思うのですが、セールスかコンサルかで言えば、コンサルの方がより深いコンピュータの知識が必要かと思います。セールスであれば、コンピュータの知識をセールススキルでまかなうことも出来ますし、やっぱりつかみですので。あとうちの会社の場合でもUSCPAと一緒にあえて行くセールスもあるんですよね。公認会計士が勧めているシステムであるということで、ただいるだけなんですけど、お客さんのところに一緒に行ってもらうんです。知識をより活かせるのがコンサルで、USCPAであるということを話題性とか名前でより活かせるのがセールスだと思います。
私もデラウェア州でCertificateを取ったので、名刺に「USCPA」と書いてあるのですが、なんだかんだ言って、一番、それが良かったような気もしますね。(笑)
USCPAの学習をしていた時の話を伺えますか?
では、勉強をしていて悩みとか相談したりはしなかったんですか?
ただ、Written Communicationで、答えが合っているのかとか時間配分とか、自分ひとりでやっているとわからなくて、せっかくのなので、もっと学校に来て色々と聞けば良かったなと思いました。
そのあたりはどうやって克服したのですか?
あとはなるべく新しい傾向の問題を解くようにしました。
よく試験当日のコンディションの話になったりしますが、ゲストさんはどうでしたか?
そういった意味で睡眠時間の確保は大事で一ヶ月前くらいから、睡眠時間の確保も心がけるようにしていました。
睡眠を前日、きちんととったか、とらないかで勉強の定着度が全く違うんですよね。
なので、試験前日は緊張して眠れないんですけど、それでもなるべく睡眠をとるようにしました。
本当に試験当日のコンディションは大事だと思います。頑張って下さい!
以上です。
今回も様々な気づきを与えてくれたミーティングでした。日本企業だけに限ったことではなく、企業がグローバル化を進めていく中で、USCPA資格の活かし方というのは本当に多岐に渡っているんだと改めて感じました。
ミーティングでは勉強中の話も多く聞くことが出来、参加者の皆さんは、またモチベーションを高めて帰られたのではないでしょうか。
ゲストのYokoさん、有難うございました!